日本マイクロソフトは、2022年11月に世界140カ国以上で展開されているスタートアップ支援プログラム「Microsoft for Startups Founders Hub」の支援内容が強化されたことを12月28日に発表した。同プログラムは一社最大5000万円相当の無償枠ならびにツールを提供する一大プロジェクトであり、11月より「LinkedIn」が新たに特典に追加されたほか、採択スタートアップ限定イベントの開催と開催レポートの公開を行った。
「Microsoft for Startups Founders Hub」では、経歴や事業ステージに関係なくすべての創業者の成功の支援を目的としている。2022年3月に「Founders Hub」を立ち上げたとき、同社はAzureの無償クレジット提供から同社内外の専門家による指導まで成功するスタートアップの構築に役立つリソースをあらゆるステージの創業者に無料で提供してきた。
立ち上げ以来同社は、創業間もない企業からExitを果たした企業まで数々の創業者と会い、そのニーズと課題をより深く理解してきた。その結果、無償クレジット提供による「Open AI」の「GPT-3」モデルへのアクセスや「Bubble」のようなコード不要のツール、ビジュアルコラボレーションツールの「Miro」など、多くの新しい特典を追加してきた。
この度、多くの創業者から人材採用、顧客マネジメント、業界や投資家とのネットワーク構築のためのツールとして「LinkedIn」を特典に追加することとなった。
2022年11月より「Microsoft for Startups Founders Hub」に採択されたスタートアップは「LinkedIn」の以下4つの製品にアクセスできるようになった。
- 「Recruiter Lite」で最適な人材を採用
「STARTUPS MAGAZINE」は、最近の記事において「新しい才能を雇うことは、中小企業を運営する際に起業家が直面する最も予期しない課題である」と主張した。起業家がその課題に取り組むために同社は「Microsoft for Startups Founders Hub」の採択スタートアップに「LinkedIn Recruiter Lite」のサブスクリプションを3カ月間無償提供している。「Recruiter Lite」は「LinkedIn」ネットワークを最大限に活用して企業に適した人材を特定し、事業拡大に向けた人材不足を補うためのリクルーティングをサポートする。
- 「Sales Navigator Core」でビジネスを拡大
「LinkedIn」が有するネットワークで、スタートアップ企業の収益創出力を強化できる。「Microsoft for Startups Founders Hub」の採択スタートアップは、「LinkedIn」の「Sales Navigator Core」に3カ月間アクセスできる。これは「LinkedIn」登録者のプロフィールなどを中心としたインサイトを使用して、適切な顧客ターゲットを抽出することをサポートするツール。
- 「LinkedIn Premium Business」でネットワークを拡大
「LinkedIn Premium Business」は、スタートアップの事業目標をより早く達成するための支援を行う。「Microsoft for Startups Founders Hub」の採択スタートアップは「LinkedIn」が提供するインサイト、検索ツール、追加の「InMail」クレジットを活用し、適切な人物に直接メッセージを送ってビジネスを成長させることができる。また「LinkedIn Premium Business」では、ビジネスに関連する企業のデータとインサイトにアクセスし、潜在的なリードを発掘することも可能。
- 「LinkedIn」広告でブランド構築を促進
「LinkedIn」の人材ネットワークに広告を掲載することで、さまざまなステークホルダーが所属するコミュニティを巻き込んだブランド構築を行える。「Microsoft for Startups Founders Hub」の採択スタートアップは、最大1000ドルの広告クレジットを受け取り、リードの生成、トラフィックの促進、新規事業のブランドや製品の認知度向上に役立てられるようになった。
これらの特典により「Microsoft for Startups Founders Hub」の採択スタートアップは「LinkedIn」の幅広いサービスを活用してビジネスを推進できる。なお「LinkedIn」などのサードパーティの提供特典と「Microsoft Azure」や「Microsoft 365 Business Standard」「Github Enterprise」などマイクロソフトのツールや特典を利用するには「Microsoft for Startups Founders Hub」への申請が必要となる。
また同社は、11月11日に日本マイクロソフト品川本社で開催した採択スタートアップ限定の招待イベント「Microsoft meets Startups」の開催レポートも12月8日にマイクロソフトのパートナーポータルで公開した。
同イベントは「Microsoft for Startups」プログラム生のネットワーキングを目的として開催された。「Microsoft for Startups」プログラム担当からの支援内容の最新アップデートや「Microsoft for Startups」のパートナー企業のプレゼンテーション、現プログラム生によるパネルディスカッションを行った。
セッション後には「Microsoft for Startups」プログラム生のネットワーキングを目的とした交流会を実施した。開発中のプロダクトにおける「Azure」クラウドサービスのアプリケーション、「GitHub」の活用法など技術的な話に加え、スタートアップ企業における事業開発の手法やスタートアップ間での事業連携など、ビジネス面における意見交換も行われた。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
「プロダクト開発」にフォーカスしたオンラインメディアです。プロダクトマネージャーや、プロダクトマネージャーを目指す方をはじめ、チームメンバーや事業責任者、テックリードなど、プロダクト開発を「正しく」進めていきたいすべての人のために、プロダクトマネジメントに関するあらゆる知見をお届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア