着目すべきは、生成AIの利便性より、人々の適応力
市谷氏は、ソフトウェアエンジニア、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経てレッドジャーニーを創業。各局面で得られた知見から多くの企業の事業開発やプロダクト作成の支援を行っている。専門は仮説検証やアジャイルで、その領域での長い経験を持つ。
ここ数年はコロナ禍の中、DXというキーワードのもとでの事業やプロダクトの開発支援を行ってきた市谷氏は、価値創出する組織が増加してきたことを実感しているとしながらも、「プロダクトの開発は容易ではない」と言う。開発環境やチームの体制、運営など、多くの要素を整えながら進める必要があるからだ。
そのような中、2023年3月ごろから生成AIに関する関連技術やトピックが一気に一般にも浸透した。市谷氏は「私にとって大きな衝撃でした。しかし、その衝撃がすでに過去のものとなり、私たちはその変化を前提とした日常を過ごしています」と語る。市谷氏が真に驚いたのは生成AIの利便性ではなく、生成AIを日常業務に取り入れるようになった人々の適応性である。その適応能力がプロダクト開発にどのように関係するのかについて説明を始めた。