SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

ProductZine Day 2024 Summer

Mixpanel, Incからのプロダクトティップス

データカルチャーを醸成し、アウトカムにフォーカスすることの重要性

Mixpanel, Incからのプロダクトティップス 第16回


 グローバルで8000社以上の導入実績をもつプロダクト分析ツールのベンダー「米Mixpanel社」のキーパーソンによる海外ブログ翻訳記事です。プロダクトマネージャーの日々の業務に役立つ、さまざまな知見をお届けします。今回は、組織に健全なデータカルチャーを醸成する上で必要なアウトカム(成果)に着目することの重要性と、その具体的なポイントについて解説します。

編注

 原文:「To build a data culture, focus on outcomes」。翻訳にあたり若干加筆修正を行っています。

達成したい成果を明示して測定し、組織全体で戦略的に連携する

 データカルチャーについて考えるとき、膨大なチャートや数字が並んだマルチスクリーンのダッシュボードを想像する人が多いのではないでしょうか。しかし、このイメージは、効果的なデータカルチャーの実際のイメージとはかけ離れています。

 高級食材を購入して料理をしても一流のシェフにはなれないように、意思決定にデータを利用するだけではプロダクトやビジネスの構築は成功しないでしょう。

 実際、企業が所有するデータ量と、企業におけるデータカルチャーの定着度合いに相関関係はありません。しかし、私はこれまでに、データウェアハウスに何百万もの膨大なデータが保存されている大企業が、この「所有するデータ量とデータカルチャーの定着度合いには相関関係がない」という基本的な事実を理解できず、苦戦しているのを見てきました。

 データカルチャーの健全な姿とは、全社員が企業の達成したい成果を理解し、成果の評価方法が明確であることです。

 これは当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、本当に成果を重要視しているプロダクトチームや企業はほとんどありません。その結果、多くのチームや企業は長い期間をかけて間違った機能やプロダクトを作ってしまうのです。

 このような無駄と非効率を解決してくれるのがデータです。データがあれば、企業はより良いプロダクトを作り、早く成長することができるでしょう。しかし、これはデータがきちんと使用されている場合のみに当てはまります。

データカルチャーを醸成する方法

 データのためにツールやデータにこだわりすぎないこと。

 データカルチャーを醸成するということは、チーム全員にSQLコードを書かせたり、高度なダッシュボードを構築したりすることではありません。

 データにはさまざまなものがあります。リーダーによく起こりがちな間違いの一つに「データは定量的でなければ役に立たない」と思い込んでいることです。定性的なデータが最も効果的なデータであることもあるからです。

 例えば、BtoB企業の場合で考えてみましょう。ある特定の顧客セグメントにおけるユーザー成長にフォーカスしたい場合、その目標は「その顧客セグメントにおけるケーススタディのために、より多くの重要な顧客を獲得する」というシンプルなものかもしれません。

 このように成果を考えることは、成功を評価するために使うデータの種類よりも、データカルチャーが定着した証拠となります。その結果、チームはデータのために機能やソリューションを構築するのではなく、成果を出すためにプロダクトを構築することに集中するようになるでしょう。

次のページ
質問して成果について合意する

この記事は参考になりましたか?

Mixpanel, Incからのプロダクトティップス連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ヴィジェイ・ジャヤラム(Mixpanel, Inc)(ヴィジェイ・ジャヤラム)

Mixpanelのプロダクト担当シニアディレクター。VijayはMixpanelのプロダクト担当シニアディレクターとして、Mixpanelのプロダクトを構築するプロダクトマネージャーチームを率いています。弊社に入社する前は、Uberのソフトウェア エンジニアリングチームに所属した経験があります。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

ProductZine(プロダクトジン)
https://productzine.jp/article/detail/2289 2024/01/10 14:13

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

  1. 1
    プロダクトマネージャーは経営視点をどう身につける?──経営シミュレーションゲームによる実践的な学びのススメ NEW
  2. 2
    NEWh、大企業の新規事業を最短3か月で構想・企画化できる「事業構想スプリント」の提供を開始 NEW
  3. 3
    プロダクトロードマップ作成でのアンチパターンとは?──使われない「万能な」プロダクトロードマップ NEW
  4. 4
    d-strategy,incの代表取締役・小宮昌人氏による新著『生成DX〜生成AIが生んだ新たなビジネスモデル〜』の予約受付が開始 NEW
  5. 5
    SaaS事業者向けAPI連携プラットフォーム「Anyflow Embed」、外部連携先のデータをCSVで取り込める機能が追加 NEW
  6. 6
    ユニーリサーチアカデミー、プロダクトロードマップの作り方を解説するオンラインイベントを11月12日に開催 NEW
  7. 7
    freeeとラクス、プロダクトマネージャーに適した人材やキャリアについて語るイベントを11月8日にハイブリッド開催
  8. 8
    真の意味で顧客を理解できているか? よくあるプロダクト改善の落とし穴と、リサーチを活用する際の4つのアプローチ
  9. 9
    「Biz/Zine」がビジネスフレームワークを習得できる実践講座を11月21日にオンラインで開催
  10. 10
    企業経営シミュレーションを通じてPMに必要なビジネススキルを学べる「PM Academia #2」が11月23日に開催 NEW

イベント

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング

  1. 1
    プロダクトマネージャーは経営視点をどう身につける?──経営シミュレーションゲームによる実践的な学びのススメ NEW
  2. 2
    NEWh、大企業の新規事業を最短3か月で構想・企画化できる「事業構想スプリント」の提供を開始 NEW
  3. 3
    プロダクトロードマップ作成でのアンチパターンとは?──使われない「万能な」プロダクトロードマップ NEW
  4. 4
    d-strategy,incの代表取締役・小宮昌人氏による新著『生成DX〜生成AIが生んだ新たなビジネスモデル〜』の予約受付が開始 NEW
  5. 5
    SaaS事業者向けAPI連携プラットフォーム「Anyflow Embed」、外部連携先のデータをCSVで取り込める機能が追加 NEW
  6. 6
    ユニーリサーチアカデミー、プロダクトロードマップの作り方を解説するオンラインイベントを11月12日に開催 NEW
  7. 7
    freeeとラクス、プロダクトマネージャーに適した人材やキャリアについて語るイベントを11月8日にハイブリッド開催
  8. 8
    真の意味で顧客を理解できているか? よくあるプロダクト改善の落とし穴と、リサーチを活用する際の4つのアプローチ
  9. 9
    「Biz/Zine」がビジネスフレームワークを習得できる実践講座を11月21日にオンラインで開催
  10. 10
    企業経営シミュレーションを通じてPMに必要なビジネススキルを学べる「PM Academia #2」が11月23日に開催 NEW