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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

ProductZine Day 2024 Summer

「Developers Summit 2024」レポート(AD)

探索型のプロダクト開発のススメ。見直すべき「3つの健全性」とは?

【16-B-6】探索型のプロダクト開発を始めよう~正しいものを正しくつくる2.0~

 プロダクトづくりのさまざまなセオリーが登場する中、これからのプロダクト開発に期待されることは何だろうか。プロダクト開発は「新たな学びを得る活動になる」と話すのは、株式会社レッドジャーニー 代表取締役の市谷聡啓氏だ。仮説検証やアジャイル開発に知見が深く、昨今は行政や大企業のDX支援も行っている市谷氏。2月15~16日に開催されたDevelopers Summit 2024では、「探索型のプロダクト開発を始めよう~正しいものを正しくつくる2.0~」と題したセッションで、プロダクト開発に起こりがちな課題を踏まえながら、これからの「探索重視のプロダクト開発」の歩き方を解説した。

編集部注

 本稿は、CodeZineに掲載された、ソフトウェア開発者向けカンファレンスDevelopers Summit 2024(デブサミ2024)のセッションレポートを転載したものです。プロダクトづくり、プロダクトマネジメントに近しいテーマを選りすぐってお届けします。

「正しいものを正しくつくる」プロダクト開発

 まず市谷氏は、プロダクト開発とは何かを明確にするため、ソフトウェア開発との違いについて着目した。

 「ソフトウェア開発は期待通りに動作することが大事だが、プロダクト開発では、ユーザーの目的を果たし価値をもたらすことが重要」だと市谷氏。ソフトウェア開発では要件や仕様といった「正解」が決まっているという前提を置こうとするのに対し、プロダクト開発はそもそも「ユーザーにとっての価値」とは何かが分からない。プロトタイプによる仮説検証や、MVP(実用最小限の製品)によって価値を確かめる必要がある。その際、スクラムで正しくつくるべきだが「開発チームとプロダクトオーナーの間での分断が起きやすい」という。

 「開発チームの方はちゃんとスクラムをやっているつもりが、プロダクトオーナーは何をやっているか分からず『えいや』でプロダクトバックログをつくっていることがいまだにある」(市谷氏)

 こうして出来上がるプロダクトは、ユーザーに役立つものではなくなってしまう。「間違ったものを正しくつくる」ことになってしまうと市谷氏は指摘する。

 では、「正しいものを正しくつくる」とはどういうことか。市谷氏は、「プロダクトを『つくる』、それを『ユーザーに届ける』だけではまだ足りない。『アウトカム』が生み出せているかが重要」だと語る。

何をもって「正しい」かは、「アウトカムが発生しているかどうか」
何をもって「正しい」かは、「アウトカムが発生しているかどうか」

 「ユーザーがプロダクトを利用することで目的を果たし、何らかの成果を手にすること。ここまで行き着くことがプロダクトづくりであると言えます」(市谷氏)

次のページ
アウトカム(成果)とは何か?

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

 IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社レッドジャーニー

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://productzine.jp/article/detail/2482 2024/03/27 12:00

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