IPA(情報処理推進機構)は、「ビジネスアーキテクト」と「プロダクトマネージャー」の定義や共通点について有識者が語る座談会の映像を5月8日にYouTubeで公開した。
経済産業省とIPAは企業のDX推進に取り組んでいる。その際ボトルネックになっているのが人材不足の問題であることから、DX推進とデジタル人材育成の両輪で取り組んでいる。
デジタル人材の育成は、政府全体としても大きな課題であると位置づけられている。「デジタル田園都市国家構想」という政府戦略の中で「デジタル人材を230万人育成する」という政府目標を掲げて関係各省庁が一丸となり取り組んでいる。
そうした中で経済産業省とIPAは、2022年にDX人材の育成・確保の指針「デジタルスキル標準(DSS)」を策定し、企業の人材育成プランに参照してもらうことや、育成講座の認定、ポータルサイトなど、リスキリングに対する各種支援策への紐付けとして「デジタルスキル標準」の活用を進めている。
グローバルの相場水準から見ると、国内のDXは遅れをとっていると言える。そうした中、DXを実際に推進していく事業会社への訴求性やわかりやすさ、伝わりやすさという観点から「ビジネスアーキテクト」を打ち出した。
「デジタルスキル標準」の普及を通じて明らかになったのは、ビジネスアーキテクトに対するニーズの高さと、不足感の大きさ。ビジネスアーキテクトの育成のための学びに必要なコンテンツの少なさや、どういった人たちがこの領域で活躍できるかといったターゲティングの弱さが大きな課題となっていた。
IPAでは3月に、「デジタルスキル標準」の中で示す「DX推進に必要な5つの人材類型」のひとつ「ビジネスアーキテクト類型」において、プロダクトマネージャーの役割やスキルセットを新たに定義。有識者と連携し、プロダクトマネージャーとビジネスアーキテクトのスキルの近事性やグローバル視点での人材育成の必要性を、シナジーを出しながら盛り上げていくため、補記事項として公開した。
これをきっかけとして学びやリスキリングの環境がさらに充実していくということが期待される。また人材の流動性については、例えばテック系やスタートアップ企業で実際にプロダクトマネージャーを務めてきた人が事業会社のDXの現場領域でも活躍を広げていくことなども期待される。
今回の座談会は、補記の内容についてさらに理解を深めることを目的としたもの。第一線で活躍するプロダクトマネージャーや事業会社のCDO(最高デジタル責任者)、IT企業の事業開発部門の責任者といったメンバーを招聘し、ビジネスアーキテクトとプロダクトマネージャーの役割、具体的な共通点などについて語られた。DX推進のキーパーソンとなるプロダクトマネージャーの役割や、プロダクトマネージャーを育成・確保するために企業が行うべきことなどについても知れるコンテンツとなっている。
議論テーマ
- ビジネスアーキテクトとプロダクトマネージャーの共通性について
- ビジネスアーキテクトとプロダクトマネージャーに求められる活躍の場面やその役割について
- ビジネスアーキテクトとプロダクトマネージャーの確保・育成に必要なこと
パネリスト
- Tably株式会社 及川卓也氏
- クールスプリングス株式会社 三枝幸夫氏
- 株式会社リコー 高橋昌也氏
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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