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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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プロダクトマネージャーのグローバルコミュニティ「Mind the Product」から学ぶ実践知

プロダクト機能の基礎知識(前編)── 成功事例から学ぶ機能設計の本質

プロダクトマネージャーのグローバルコミュニティ「Mind the Product」から学ぶ実践知 第2回

 本連載では、世界中のプロダクトマネージャーがプロダクトの最新情報を学んだりキャリアに関する情報をやりとりしたりするグローバルコミュニティ「Mind the Product」へ寄せられている実践的な知見の中から、オススメのものを翻訳してお届けします。今回は、前後編の2回に分けて「プロダクト機能(product features)」について解説します(編集部)。

編集部注

 本稿は、日本語で意味が取りやすいように一部表現を調整しています。

 Mind the ProductのWebページでは、記事以外にもビデオ、ポッドキャスト、推薦図書の紹介といったコンテンツに加え、イベントやトレーニングコースなど、さまざまなプロダクトマネージャー支援のサービスを提供しています。併せて参考にしてみてください。

はじめに

 AppleのCEOであるティム・クックは、「優れたプロダクトは単なる機能の寄せ集めではありません。それらがどのように連携して機能するかが重要なのです」と述べています。

 プロダクトはさまざまな機能で構成されています。プロダクトマネージャーは、ユーザーの定着率を向上させながら、投資に見合った収益(ROI)も確保できるような機能を選んで実装していく必要があります。しかし、十分な市場調査や機能の優先順位付けを行わないと、顧客満足度とプロダクトビジョンの両立が難しくなってしまいます。

そもそも、プロダクト機能とは何か?

 プロダクト機能(product features)とはどのようなものでしょうか? プロダクトマネージャーの中にはプロダクトの属性を列挙する人もいますが、プロダクトを使用することで得られるメリットやユーザー体験を考慮することが重要です。

 プロダクトマネジメントに関するブログでは「プロダクトの機能とは、プロダクトが持っているもの、あるいはプロダクトそのものの特質です」と答えています。例えば、風量調節が可能な扇風機や、撥水素材を使用したジャケットなどが挙げられます。そして、それらの機能がもたらす影響も考慮することが大切です。風量調節機能のある扇風機があれば、快適な温度に調整して涼むことができ、撥水加工されたジャケットなら、体が濡れるのを防ぐことができます。

 プロダクト機能は、エピックやユーザーストーリー、要件といった他の開発用語とは異なります。それぞれの用語の定義を確認することで、プロダクト機能が開発プロセスの中でどこに位置するのかを理解しましょう。

  • エピック:複数の関連する機能やユーザーストーリーを、共通のビジネス目標のもとにグループ化したもの。
  • ユーザーストーリー:ユーザーがある機能から得られるメリットをどのように認識するか。
  • 要件:機能を実現するために必要な、具体的な能力や仕様。

プロダクト機能の定義

 プロダクト機能とは、エンドユーザーに価値を届けるためのプロダクトを作り上げる上で組み合わされる、性能や外観、属性のことを指します

マーケティングにおけるプロダクト機能とは何か?

 マーケティングはプロダクト開発と機能の設計において重要な役割を果たしています。競合他社にはない、顧客ニーズに応えるプロダクト機能を開発することで、マーケティングチームはその新機能の価値を効果的に訴求するセールスメッセージを作りやすくなります。マーケティングチームがその機能の価値をうまく説明できないなら、それは顧客が本当に必要としている機能ではないかもしれません

プロダクト機能とメリットとは何か?

 プロダクト機能とメリットは密接な関係にありますが、それぞれ異なるものです。プロダクト機能とは、プロダクトの具体的な構成要素のことです。一方、メリットとは、ユーザーがその機能を使用することで得られる価値のことを指します。例えばSlackの場合、プロダクト機能は、「同僚とすぐにメッセージのやりとりができる」ということです。この機能を使用することで得られるメリットは、「チームメンバーが簡単にコミュニケーションを取れるため、プロジェクトを迅速に完了できる」ということです。人々が求めているのはコミュニケーションツールそのものではなく、効率性なのです。

次のページ
プロダクト機能のリスト:5つのタイプのプロダクト機能

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この記事の著者

Paul McAvinchey(Paul McAvinchey)

Mind the Productブランド・コミュニティ・ディレクター Mind the Productチームに参画するまでは、世界中のプロダクトコミュニティをオンラインとINDUSTRY: The Product Conferenceでつなぐことを目指すProduct Collectiveの立...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/3235 2025/02/26 11:00

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