プロダクトフォースは、マーケティングアプリケーションズと共同で、主要プレーヤーの洗い出しやカテゴリ検討などの業界分析を重ねて作成した、「セルフリサーチサービスカオスマップ2025年版」を8月5日に公開した。

セルフリサーチサービスは、企業がクラウド型のリサーチサービスを活用することによって、自社でのリサーチ実行を可能にするサービス。自社で機動的かつ迅速に情報収集を行って、事業の成果につなげていくことで、顧客のニーズを捉えて競合他社との差別化を実現する。
今回のカオスマップの作成・公開は、企業においてスピーディーかつ気軽に顧客の情報を得たいというニーズが増していることを受けて、セルフリサーチサービスに関心ある企業が各サービスを利用する上での参考にしてもらい、より一層の市場活性化に貢献すべく行われている。
同カオスマップは、国内で利用されている45のセルフ型調査サービスを、調査手法別に「定量調査(左側)」と「定性調査(右側)」の2つの軸で整理した。定量調査はアンケート調査に代表される、収集したデータを数値化することを想定した調査、定性調査はインタビュー調査に代表される、対象者の発話や行動などの質的なデータの収集を目的とした調査を指す。
今回公開された2025年版では、サービス数が前年の37から45と8サービスを追加した。もっともサービスの追加が多かったのは定性調査の「インタビュー型」で、4サービスを追加している。また、別カテゴリのプレーヤーの進出や調査会社の新規サービスが目立ち、定性調査領域は年々市場が拡大しており、その中でよりセルフインタビューの需要も増加していることがうかがえる。
次にサービス追加が多かったのは定性調査の「チャット・掲示板型」で、3サービスを追加した。これは、後述する「対 AIペルソナ」サービスの増加が要因となっており、生成AIの拡大期を迎えている2025年を象徴する変化といえる。
さらに、2025年版には「コンシューマーデータベース」と「対 AIペルソナのチャット・掲示板型」という2つのカテゴリが新設された。コンシューマーデータベースは、従来の都度の調査(アドホック調査)ではなく、消費者のアンケートデータや購買データ、位置データ等を収集し、企業向けにデータベースとして提供するサービス。対 AIペルソナのチャット・掲示板型は、SNSなどのソーシャルデータや過去のアンケートデータなどに基づいて、生成AIによって疑似的にユーザーを生成し、チャットUIでリサーチが可能なサービス。
前年は、別カテゴリへの進出を行う越境プレーヤーの増加をトレンドとして取り上げていたが、2025年版ではさらにその傾向が強まった。たとえば、プロダクトフォースが提供する「ユニーリサーチ」は、定性調査→定量調査・ビデオツールへの進出を果たし、マーケティングアプリケーションズ社の「Surveroid」は、定量調査→定性調査に進出している。こうした動きは、セルフリサーチサービス市場の拡大とともにプレーヤー間の競争も活発になってきたことを意味し、今後は生成AIといった最新技術を活用することによって、セルフリサーチ市場がさらに活況となり、より多くの場面で企業のリサーチ活動支援を行うことが期待される。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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