豪Canvaは、年次調査レポート「ビジュアルコミュニケーションの現在地」を、9月10日に発表した。
同レポートは、アメリカ、イギリス、オーストラリア、日本、インド、フランス、ドイツ、スペインのビジネスリーダーおよびZ世代のプロフェッショナル2475名に対するグローバル調査と、63名のプロフェッショナルがさまざまな種類のビジネスコンテンツを閲覧した際の脳活動を、定常状態トポグラフィー(SST)を用いてリアルタイムで追跡する神経科学研究に基づいてまとめられている。
調査結果によれば、質の高いビジュアルコンテンツは単調なデザインと比較すると、以下のような効果がもたらされる。
- 記憶の符号化(エンコード)速度が74%向上
- 文書に対する感情的な反応強度が26%増加
- 視覚的なプレゼンテーションに対する感情的な反応強度が21%増加
あわせて、ビジュアルコミュニケーションとテキストベースのコミュニケーションの間に、以下のようなギャップがあることも明らかになっている。
- 76%が「テキスト中心のコンテンツへの関心を失っている」と回答
- 91%のプロフェッショナルが「視覚的表現はテキストよりも効果的にアイデアを伝えることができる」と回答

さらにZ世代は、職場における効果的なコミュニケーションのあり方を再定義しつつあり、自らの思考や創造性のスタイルに合ったシステムを求めていることがわかった。
- 82%が「ビジュアルコミュニケーションのスキルは将来のキャリアを築く上で不可欠」と認識
- 52%が「ビジュアルを重視したアプローチが企業のビジュアル伝達力を向上させる」と考えている
- 61%が「AIを積極的に活用することでビジュアル伝達力が向上する」と回答

一方で、ほぼ全員(99%)が仕事における創造性を阻害する障壁があると答えており、大半が非効率的なツールをその理由に挙げる。この乖離は深刻なコストとなる可能性が高く、Z世代(91%)と管理職(82%)ともにクリエイティブな業務を遂行するために、承認されていないツールを使用しているという。
ビジネスリーダーの87%は、ビジュアルコミュニケーション不足が企業全体で遅延や混乱につながると答えているものの、従業員の自然な働き方に合わせてコミュニケーションインフラを整備した企業は、以下のような目に見えるメリットを享受している。
- 66%が「複雑なアイデアの伝達がより明確かつ効率的になった」と報告
- 61%が「ブランドの結束力と差別化が強化されている」と報告

- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
- ProductZineニュース連載記事一覧
-
- テックタッチCPO直伝、生成AI時代の「やりきる意思決定」実践フレームワークを9月17日に...
- 「撤退」は失敗ではない。BCG日本代表が語る、未来を創るための戦略的な事業の幕引き方
- 脳科学で証明、ビジュアルはテキストより記憶速度が74%向上。Canvaが調査レポートを発表
- この記事の著者
-
ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
「プロダクト開発」にフォーカスしたオンラインメディアです。プロダクトマネージャーや、プロダクトマネージャーを目指す方をはじめ、チームメンバーや事業責任者、テックリードなど、プロダクト開発を「正しく」進めていきたいすべての人のために、プロダクトマネジメントに関するあらゆる知見をお届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア