愛されるソフトウェア体験を実現するSXMと、その提唱者Pendoの哲学
企業のDXが進む現代において、あらゆる企業はソフトウェア企業であると言っても過言ではない。その中で競争を勝ち抜く鍵は、ユーザーに「愛される」ソフトウェア体験を提供することにある。プロダクト分析とユーザーエンゲージメント向上を支援するプラットフォーム「Pendo」は、この課題に対する一つの答えとして「SXM(ソフトウェアエクスペリエンスマネジメント)」という概念を提唱する。
今回、Pendoでセールスエンジニアリングとバリューコンサルティングのグローバル責任者を務めるデレク・ヤング氏にインタビューを実施。ソフトウェアエンジニアからキャリアをスタートし、AppDynamicsやCiscoなどでリーダーシップを発揮してきた同氏に、Pendoが提唱する価値、グローバル視点で見たプロダクトマネジメントの最新トレンド、そして日本市場への期待について話を伺った。彼の言葉から見えてきたのは、「常に改善を追求する」という哲学と、ユーザーを深く理解することの重要性だった。
デレク・ヤング(Derrek Young)

Pendo セールスエンジニアリング&バリューコンサルティング担当バイスプレジデント
約10年間ソフトウェアエンジニアおよびアーキテクトとしてキャリアを積んだ後、セールスエンジニアリングの分野へ転身。AppDynamics、OPNET Technologies、Cisco、Quantum Metricで要職を歴任し、グローバル規模でのリーダーシップを発揮。2023年にPendoに入社し、現在はセールスエンジニアリングとバリューコンサルティングのグローバル責任者として、エンタープライズ事業の成長戦略を牽引している。趣味はマラソンで、ボストンマラソンを3時間9分で完走した実績を持つ。
ソフトウェアエンジニアからPendoのリーダーへ。その軌跡と決断の背景
──まずは、Pendoに入社されるまでのご経歴と、現在の役職について教えてください。
デレク・ヤング氏(以降、ヤング):私のキャリアは、約10年間ソフトウェアエンジニアとアーキテクトとして技術の現場から始まりました。その後、セールスエンジニアリングの世界に転身し、AppDynamics、OPNET Technologies、Cisco、Quantum Metricといった企業で経験を積みました。特にOPNET Technologies以降はグローバルでのリーダーシップを担い、現在はPendoでセールスエンジニアリングとバリューコンサルティング部門の責任者を務めています。
──Pendoには約1年半前に入社されたとのことですが、どのような背景や理由があったのでしょうか?
ヤング:一番はタイミングが良かったことですが、それ以上にPendoという会社の成長性に強く惹かれたのが大きな理由です。Pendoのことは以前から知っていましたが、入社を決める直前の2、3年での成長は目覚ましく、「なんてすごい会社なのだろう」と改めて感じました。
イノベーションへの意欲や、アジリティに富んだ軽快なフットワークも魅力的でしたが、何よりも感銘を受けたのは「そこで働く人々」でした。皆さん非常に思慮深く努力家であり、そして何よりも「お客さまのためによいものを届けたい」という強い意志が感じられました。
──ヤングさんの専門性と、Pendoで発揮できる価値をどのように考えていらっしゃいましたか?
ヤング:私の強みは、技術的なバックグラウンドをセールスエンジニアリングに応用できる点にあると考えています。Pendo入社時に期待されていたのは、まさに今私が担当している「バリューコンサルティング」の領域をリードすることでした。
ソフトウェアエンジニアリングの経験を通じて、ユーザーデータや行動データの活用、あるいはウェブアプリとモバイルアプリを統合的に扱う知見を培ってきました。この経験が、Pendoが必要としていた人材ニーズに合致したのだと思います。