SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

ProductZine Day 2025

キーパーソンインタビュー

「常に1%でも改善を」──Pendo責任者/元エンジニアが語る、プロダクトを“愛される”存在に変えるSXMの哲学

 「ユーザーに愛されるソフトウェア体験を、いかにして創るか」。すべてのプロダクト開発者が向き合うこの問いに、「SXM(ソフトウェアエクスペリエンスマネジメント)」という概念で一つの答えを示すのがPendo(ペンド)だ。これは単なる技術論ではなく、顧客体験の全体像を管理し、ビジネスを正しい方向へ導くための新たな羅針盤となりうる。今回、Pendoのグローバル責任者デレク・ヤング氏にその神髄を直撃。エンジニア出身の同氏が語るプロダクトマネジメントの最新トレンドから、ボストンマラソン完走にまで通底する「常に改善を追求する」という哲学とは。ユーザーを深く理解し、選ばれ続けるプロダクトを創るためのヒントを探る。

愛されるソフトウェア体験を実現するSXMと、その提唱者Pendoの哲学

 企業のDXが進む現代において、あらゆる企業はソフトウェア企業であると言っても過言ではない。その中で競争を勝ち抜く鍵は、ユーザーに「愛される」ソフトウェア体験を提供することにある。プロダクト分析とユーザーエンゲージメント向上を支援するプラットフォーム「Pendo」は、この課題に対する一つの答えとして「SXM(ソフトウェアエクスペリエンスマネジメント)」という概念を提唱する。

 今回、Pendoでセールスエンジニアリングとバリューコンサルティングのグローバル責任者を務めるデレク・ヤング氏にインタビューを実施。ソフトウェアエンジニアからキャリアをスタートし、AppDynamicsやCiscoなどでリーダーシップを発揮してきた同氏に、Pendoが提唱する価値、グローバル視点で見たプロダクトマネジメントの最新トレンド、そして日本市場への期待について話を伺った。彼の言葉から見えてきたのは、「常に改善を追求する」という哲学と、ユーザーを深く理解することの重要性だった。

デレク・ヤング(Derrek Young)

Pendo セールスエンジニアリング&バリューコンサルティング担当バイスプレジデント

 約10年間ソフトウェアエンジニアおよびアーキテクトとしてキャリアを積んだ後、セールスエンジニアリングの分野へ転身。AppDynamics、OPNET Technologies、Cisco、Quantum Metricで要職を歴任し、グローバル規模でのリーダーシップを発揮。2023年にPendoに入社し、現在はセールスエンジニアリングとバリューコンサルティングのグローバル責任者として、エンタープライズ事業の成長戦略を牽引している。趣味はマラソンで、ボストンマラソンを3時間9分で完走した実績を持つ。

ソフトウェアエンジニアからPendoのリーダーへ。その軌跡と決断の背景

──まずは、Pendoに入社されるまでのご経歴と、現在の役職について教えてください。

デレク・ヤング氏(以降、ヤング):私のキャリアは、約10年間ソフトウェアエンジニアとアーキテクトとして技術の現場から始まりました。その後、セールスエンジニアリングの世界に転身し、AppDynamics、OPNET Technologies、Cisco、Quantum Metricといった企業で経験を積みました。特にOPNET Technologies以降はグローバルでのリーダーシップを担い、現在はPendoでセールスエンジニアリングとバリューコンサルティング部門の責任者を務めています。

──Pendoには約1年半前に入社されたとのことですが、どのような背景や理由があったのでしょうか?

ヤング:一番はタイミングが良かったことですが、それ以上にPendoという会社の成長性に強く惹かれたのが大きな理由です。Pendoのことは以前から知っていましたが、入社を決める直前の2、3年での成長は目覚ましく、「なんてすごい会社なのだろう」と改めて感じました。

 イノベーションへの意欲や、アジリティに富んだ軽快なフットワークも魅力的でしたが、何よりも感銘を受けたのは「そこで働く人々」でした。皆さん非常に思慮深く努力家であり、そして何よりも「お客さまのためによいものを届けたい」という強い意志が感じられました。

──ヤングさんの専門性と、Pendoで発揮できる価値をどのように考えていらっしゃいましたか?

ヤング:私の強みは、技術的なバックグラウンドをセールスエンジニアリングに応用できる点にあると考えています。Pendo入社時に期待されていたのは、まさに今私が担当している「バリューコンサルティング」の領域をリードすることでした。

 ソフトウェアエンジニアリングの経験を通じて、ユーザーデータや行動データの活用、あるいはウェブアプリとモバイルアプリを統合的に扱う知見を培ってきました。この経験が、Pendoが必要としていた人材ニーズに合致したのだと思います。

次のページ
「価値の可視化」を担うセールスエンジニアリングとバリューコンサルティングの役割

この記事は参考になりましたか?

キーパーソンインタビュー連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテック...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

ProductZine(プロダクトジン)
https://productzine.jp/article/detail/3710 2025/09/26 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング