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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

ProductZine Day 2025

特集記事(AD)

職能横断で課題と向きあう圧倒的な現場感とスピード感──医療DXカケハシのプロダクトマネジメント

 医療DXを推進するスタートアップとして、クラウド型電子薬歴「Musubi(ムスビ)」などを提供する株式会社カケハシ。データ分析や薬剤師と患者さんのコミュニケーション設計などによる医療プラットフォームの実現を目指して、積極的なM&Aで新たな領域にも展開しつつある。後編となる今回は、牽引役としてプロダクトマネジメント領域を束ねるHead of Productの二木慎也氏、三宅史生氏に、実際の仕事の内容や働きがい、今後のキャリア構想などについて伺った。

前職の経験を活かし、プロダクトマネジメントの枠を越えた幅広い領域で活躍

 ヘルステックによる医療課題の解決をミッションとする株式会社カケハシ。その成長の原動力となっているのは人であり、とりわけプロダクトマネージャー(PdM)には大きな期待が寄せられている。

 日本の薬局の20%超が導入するカケハシの薬局向け業務支援サービス、中でもクラウド型電子薬歴「Musubi」(ムスビ)は2500万人を超える患者データを保有し、それらのデータを薬局経営の改善に活かす分析ソリューションに加えて、M&Aによる新規事業を多層的に展開。PdMとしての活躍領域も急激に広がっている状況だ

 カケハシでプロダクトマネジメント領域を取りまとめるHead of Productの一人である二木慎也氏は、2022年に入社。以降、薬局向け業務支援ドメインで基幹プロダクトである「Musubi」を中心としたSaaSプロダクト群の統括に加え、M&Aによって2024年にグループに加わった株式会社コード・アールの取締役や、2025年2月に合併したノアメディカルシステム株式会社との共同プロジェクトを担当している。

二木慎也(ふたつぎ・しんや)氏

株式会社カケハシ Head of Product, Pharmacy-Ops Business Domain

 リクルートに新卒入社し、SRE部門やアプリケーション開発部門の現場を経て、大規模なシステムリニューアルや新規サービスの立ち上げといったプロジェクト案件に従事。その後は開発責任者として、スマホアプリ専門組織の立ち上げや基幹事業の開発マネジメント(toC/toB)を管掌。キャリアの後半はプロダクトマネジメント部門へ異動し、HR事業領域のプロダクト責任者として、マーケティング・プロダクト開発・オペレーションを一気通貫で管掌。カケハシは2社目。

株式会社カケハシ Head of Product, Pharmacy-Ops Business Domain 二木慎也(ふたつぎ・しんや)氏

 「元々はエンジニアリング領域からキャリアがスタートしていて、技術の各論から体系的なプロジェクトマネジメントまでを現場で叩き込まれながら、複数の事業領域における開発組織のマネジメントにもチャレンジさせてもらいました。そういった経験を経た後にプロダクトマネジメント領域へ軸足を移しており、前職の中でもかなり幅広い経験をさせてもらったと思っていたのですが、カケハシに入ってからは更に広がりや深みのある、多彩な経験をさせてもらっています」(二木氏)

 そしてもう一人、三宅史生氏もHead of Productとしてペイシェントエンゲージメントドメイン領域のプロダクトを統括。患者フォローシステム「Pocket Musubi」の責任者として開発に携わる。カケハシには2019年8月に入社し、主力サービスである「Musubi」のプロダクト責任者を1年ほど務めた後、「Pocket Musubi」の立ち上げに従事。責任者として現在も関わる。

三宅史生(みやけ・ふみお)氏

株式会社カケハシ Head of Product, Engagement Business Domain

 カケハシは2社目であり、前職は新卒入社した株式会社ビービット。初期はWebサイトのユーザビリティ改善に特化したコンサルタントとして、コンバージョン最適化やメディアの成長支援に従事した。その後、同社のSaaS事業立ち上げに携わり、営業・マーケティング・カスタマーサクセスの統括など顧客のフロント周りを担当。のちに事業責任者として、新規プロダクトの企画・開発にも関わっている。

株式会社カケハシ Head of Product, Engagement Business Domain 三宅史生(みやけ・ふみお)氏

 「キャリアとしての強みは、UX、SaaS事業、マーケティング、プロダクトマネジメントという幅広さにあると思っています。カケハシでは、プロダクトの力で患者さんのUXをアップデートしていくために開発組織に所属してユーザー視点に立ったプロダクト設計、戦略的な成長計画の実行などに注力しています」(三宅氏)

組織を越えて、全方位で横ぐし的な活動をリードしていく役割

 カケハシの組織には、法務や人事などの「コーポレート」機能のほかに、顧客接点であるセールスやカスタマーサクセス部門などの「ビジネス」サイド、実際にプロダクトをカタチにしていく「エンジニアリング」サイドがある。それらの中心でクロスファンクショナルな連携を担うのが、プロダクトマネジメント部門だ。

 プロダクトマネジメント部門には、(プロダクト)マーケティング、開発、オペレーションなど複数の機能要素が含まれ、単にプロダクトを作るだけでなく、市場へ適切に届ける役割までを担う。プロダクトの開発と提供を円滑に進めるために、戦略策定・組織運営・顧客対応を包括的に管理し、提供価値の最大化を図っている。

 カケハシのプロダクトマネジメントには、全方位への立ち回りが求められている。日常業務においては、マーケティング・開発・オペレーションを統合的に担うことでプロダクトの成長を牽引する、いわば技術とビジネスの橋渡し役として、双方に対する業務理解が求められる役割だ。それに加えて、医療業界の動向や見通しを元にした戦略的思考や、データ分析を用いた構造整理、ユーザー中心設計の知見、組織のマネジメントスキルやリーダーシップなども必要といえる。

 また、それらはPdMとプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)が業務を分担しつつ協力する形で行っている。PdMはプロダクトの企画・開発などの「何を作るか」、PMMはプロダクトの市場戦略や販売促進などの「どう届けるか」について、それぞれ責任を持ちながら両者で協力し合っている。

 この双方をマネジメントして全体を統括する役割にプロダクトリードがいて、そのリードをドメインごと束ねるのが二木氏、三宅氏ら、Head of Productという立場だ。

 二木氏は、PdMの役割について、「プロダクトをより良い状態に進化させることを目的に据えると実現手段が多岐にわたるため、自然と業務範囲が広がって難度が高まってしまいます。カケハシでは、現場業務を進めていく上で個々人の強みを発揮しやすいよう専門性の軸でPdMとPMMを分け、専門領域の広さによってプロダクト全体の責任者を担当いただく設計にしています。そこからさらに担当事業や組織をクロスオーバーしながら、複雑度が高く戦略性が要求されるミッションを取り扱う役割としてHead of Productという階段を設けています。一人ひとりの強みや経験・キャリアプランにフィットした形で、プロダクトマネジメントにチャレンジできる環境です」と語る。

 例えば、現在の「Musubi」はPdMが2名、PMMが3名で構成されており、各自の得意分野に応じて業務分担されている。都度発生する新しいテーマや案件は、その時々によって強みを持っている人や挑戦したい人が担当する。評価については、各職種ごとに規定しているグレード・期待役割に基づいて行われている。

 「単純な数字だけを追うような目標ではなく『周囲にどんな好影響をもたらしたのか』『自身でどういった創意工夫が実現できたのか』といった実行プロセスを含めた振り返りを重視していて、その結果を定量的に表現できると尚良しですが、数字だけで評価することはないです。評価サイクルは半年ごとですが、半年もあれば事業やプロダクトの状況が目まぐるしく変化するため、日常的な1on1の中でミッションやテーマの軌道修正を行いながらチーム運営がされています」(二木氏)

 組織として、プロダクトマネジメント職は「サービス開発ディビジョン」に属するため、売上額や導入数だけで評価が決まるわけではない。ビジネスゴールとの連動性が前提の上で、「どのくらい活用されているか」や「患者によい影響を与えられているか」といったプロダクトとしての価値指標を置いていて、個人の評価も、そこにどう貢献したかが重視される。

 「売れるためだけにモノを作ろうと思えば、役に立たないけど売れるものはいくらでも作れてしまいますが、『売れること』だけに重きを置くのではなく、導入いただく薬局やエンドユーザーである患者さまへの提供価値を考えながら、エンジニアとビジネス間の最適なバランスを取っていくのがプロダクトマネジメントの重要な役割。役割や評価としては、そこを重視したいと考えています」(三宅氏)

成長段階や規模の異なるプロダクト群に対し、さまざまなチャレンジの余地が残されている環境

 現在カケハシでは、新たに入社されるプロダクトマネジメント人材には前述した役割のいずれかを即戦力として任せることで、縦横無尽に活躍してもらうことを想定している。新規事業やM&Aによりプロダクトポートフォリオが多様化し、チャレンジできるフィールドが拡大している最中なので、これまでの豊富な経験を活かして現状と違ったチャレンジを望まれている人にとって非常に魅力的な環境と言えるだろう。

 「私もHead of Productとして3つのプロダクトを管掌しながら、新規プロダクトの立ち上げやグループ会社のプロダクト連携PJを推進したりと、幅広い役割を通じて顧客や自社に良いインパクトを与えられるような取り組みにチャレンジしている最中です。グループ全体で数えると大小あわせて10を超えるプロダクトを提供していて、プロダクトライフサイクルも規模もさまざまであり、こういった多様なプロダクトポートフォリオの中で自分にあったチャレンジに取り組める点が魅力です」(二木氏)

 例えば、現在のメインプロダクトである「Musubi」は一定の市場規模を獲得している中で次なるグロース戦略を仕掛けていくフェーズだが、「Musubi AI在庫管理」は顧客フィードバックを元にしたプロダクト開発を経て、これから市場展開を強化しながらグロースの坂を登っていく段階だ。プロダクトライフサイクルのどの時期に関わるかや、どのドメインでどんなユーザー課題に向き合うかによって適用すべき開発プロセスも異なってくる。

 また、事業領域の幅広さも大きな特徴と言えるだろう。それをもたらしているのが、M&Aによる積極的な事業統合だ。新しく獲得した資産を活かして、まったく新しい価値を創出するための新規事業を企画するところから始めたり、組織や開発プロセスのあり方のリデザインを通じてマネジメントの引き出しが増えたりと、さまざまな成長機会が広がっている。

 ビジネスドメインに紐づくプロダクトチームに加え、アカウント管理や認証権限、機械学習や生成AIといった共通基盤となる機能群については、プロダクト横断の位置づけに切り出して組織運営されている。この共通基盤の各チームと各プロダクトチームが密に連携することで、マルチプロダクトにおける業務最適化を図っている。

 「実際のプロジェクトや業務でクロスファンクショナルな動きを取る際に、組織やチームの壁を感じることはほとんどないですね。むしろお互いが組織を越えて価値貢献していくスタンスや変幻自在に動いていくことを会社のバリューとしても掲げているし、そこに共感して入社している社員が多いのもカケハシの特徴だと思います」(二木氏)

 三宅氏も、「連携といっても、接点としてコミュニケーションを取るだけではなく、コンテンツや体験をどう作るかといった具体的なところまでがっつり議論しながら一緒に取り組みます。自身のミッションもありながら、視座を上げて全体価値を意識することが大切だと感じています」と大きくうなずく。

 前編で登場した同じくHead of Productの山本氏を含め、3人ともそれぞれドメイン責任者でありながら、クロスファンクショナルな活動を積極的に行っており、プロダクトマネジメント職にはそうした役割や視座が期待されている。

圧倒的な現場感を共有しつつ、構想を具現化していくスピード感がカケハシの魅力

 多くの経験を積んでいたとしても、チャレンジングな新しい施策については、やはり試行錯誤する部分が多く、失敗も多いと言う。そこにあえて臨むモチベーションはどういうところにあるのか。

 三宅氏はその問いに対し、「組織横断で新しいことに挑む際の一体感とスピード感」だと考えを語る。

 「この半年ほど、データアナリストや薬剤師、UXライターなど、複数の職種やチーム横断で、『よりよい患者介入とは何か』をテーマに、糖尿病など疾患ごとに議論を行い、具体的なコンテンツや打ち手を色々と試してみています。横断的なチームで動くことで、得られる学びの量がまったく違います。最初の仮説をみんなで共有することで、作業効率はもちろん効果検証もスピーディに叶い、次につなげることができています。この改善サイクルをすさまじく速く回していくことは、エキサイティングな体験ですね」(三宅氏)

 二木氏も、カケハシでプロダクトマネジメントに携わる面白さは「現場にディープダイブしながらモノづくりできる環境」と語る。

 直近では、顧客と一緒にモノづくりをする機会を多く設けている。モックアップを作成して直接フィードバックをもらいながら軌道修正していくプロジェクトでは、実際に機能リリースした際に大きな反響を得られた。こうした取り組みを通じて、やはり大事なのは「現場感」であり、「社内に閉じないモノづくり」の重要性を実感していると言う。そのためには、頭で考えるだけでなく、手も足も動かして取り組むことが大切。二木氏も入社直後の3か月間で集中的に店舗見学したり、毎月顧客接点を持つことで現場感を養う機会を得ている。

 「私自身は、入社直後にカスタマーサクセス部門の定例会議に参加させてもらい、お客様との接点で何が起きているのか、プロダクトが活用されるまでにどんなハードルが存在するのかをキャッチアップし、お客様への提案内容を一緒に議論したりしていました。また、これまで積み上げてきたお客様との関係性のおかげで店舗見学やヒアリングにも取り組みやすいため、PdMが顧客解像度を高める上では非常に恵まれた環境だと思います。」(二木氏)

 そして、三宅氏も、プロダクトマネジメントの意思決定において「一次情報に当たる」ことの重要性を強調する。「現場感」といっても、それは顧客の言葉を受け取ったまま実行するものではない。ユーザーの要望は、ユーザーが何かを解決したいと考えた対応策ではあるが、課題解決のために最適な対応かは分からない。まずは一次情報として「課題」の現場を理解し、解決策はプロダクト側から提案することが大切だ。

 「大切なのは、ユーザーが言葉に出す意見を聞くことではなく、実際に現場やユーザーの周りで起こっていることを正確に捉えることだと考えています。現場を観察し、起こっている課題、その背景を捉え、解決策を考える。そうした本質を見極めることが何より大切なことだと考えています」(三宅氏)

 二木氏、三宅氏も「能動的に動き、モノづくりやデリバリーの精度を高めていきたい人にとって最適な環境」と口を揃えて言う。トップダウンではなく、自ら考え行動できる文化があることから、インプットを待つのではなく積極的にプロジェクトに関与できる。カケハシのプロダクトマネジメントの資産を最大限活用し、自由に挑戦できるというわけだ。

 カケハシでは、PdM、PMMそれぞれの職能で成長したい人はもちろん、さらにステップアップしたい人にとっても、魅力的なプロジェクトやチャレンジの機会が数多く提供されている。そのようなチャンスを手にしたい人は、ぜひ問い合わせてみてほしい。

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提供:株式会社カケハシ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://productzine.jp/article/detail/3425 2025/06/30 12:00

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