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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

ProductZine Day 2024 Summer

プロダクト開発の先進事例に学ぶ、キーパーソンインタビュー

すべてを「Why?」から始めよう──躍進する医療スタートアップMICINが取り組むプロダクトづくりとは

 テクノロジーの力で医療の可能性を広げていくべく、各種医療関連サービスを提供するMICIN(マイシン)。2016年に開始した「curon(クロン)」は、医療機関の予約やビデオ通話による診察、決済などを提供するサービスで、6000か所を超える医療機関が導入している。コロナ禍が始まった2020年には、薬剤師からの薬の説明をオンラインで完結する「クロンお薬サポート」を開始。このサービスは構想からわずか3日で初期サービスを立ち上げ、順調に成長している。同社のオンライン医療事業部 副部長 熊沢恭志氏に、顧客への提供価値と事業成長の最大化など、プロダクトマネジメントのポイントを聞いた。

リクルートでの事業開発の経験を活かすべく、医療分野に飛び込む

 医師の原聖吾氏によって2015年に創業されたMICINは、テクノロジーの力で医療の可能性を広げている企業だ。事業としては、熊沢氏が所属するオンライン医療のほか、臨床開発デジタルソリューション、ソフトウェアによる病気の予防・治療、保険などを手掛けている。熊沢氏は、野村総研の金融テクノロジー部門で株式トレーディングのシステム開発運用に従事するなどしたのち、リクルートに入社。ホットペッパーのIT部門を経てR&D部門に異動。そこで複数の新規事業に携わり、自分で企画した事業の責任者となった。

株式会社MICIN オンライン医療事業部 副部長 熊沢恭志氏
株式会社MICIN オンライン医療事業部 副部長 熊沢恭志氏

 当時の状況について熊沢氏は「最初は1人で始め、プロダクトマネージャーのような役割を担いながら、メンバーの規模も2人、50人、80人と拡大していきました。そして、リクルートで培った事業立ち上げ・運営の力を世の中の課題解決に活かしたいと思い、2019年7月にMICINに入社しました」と振り返る。

 MICINには、熊沢氏が入社した当時からオンライン診療事業が展開されており、彼はそのプロダクト群の統括を担当するようになった。現在、オンライン医療事業部のプロダクトユニットは30名ほどで、そのおよそ3分の1がエンジニア、残りがプロダクトマネージャー、デザイナー、QAで構成されている。さらに、セールスやカスタマーサクセスのメンバーが所属するビジネスユニットも熊沢氏の管轄となっている。

 オンライン医療事業のビジネスは、医療機関、薬局、患者が関わるBtoBtoCモデルだ。例えば、オンライン診療では医療機関で患者がオンライン診療を受けた後、医師が処方箋を送る。その後、薬局でオンライン服薬指導を受けて薬を受け取るという流れを提供している。プロダクト開発において熊沢氏は、ビジネスモデル自体の考案とそれに合致したプロダクト開発の大枠の方針を策定し、実際にプロダクトをデリバリーしてKPI目標、事業目標を達成することの責任を担っている。

 「メンバーの得意領域により、テクノロジー、ビジネス、UXのどれに重点を置くかが異なります。それぞれの適性に応じて、エンジニア出身であれば詳細設計まで関わることもあるし、ビジネス的な商品設計を担当するメンバーもいます。得意な領域に応じて、例えばビジネスに強い人とテクノロジーに強い人を組み合わせるなどの調整をしています」

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規制緩和後にすぐさまプロトタイプと営業資料をつくって提案へ

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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https://productzine.jp/article/detail/2776 2024/08/27 11:00

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