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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

デブサミ2026の初日をProductZineとコラボで開催。

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

ProductZineイベントレポート(AD)

生成AIで開発は速くなる、だが品質は? オリックス生命が挑んだ“速度の非対称性”と88%工数削減

「Developers Summit 2026(Dev x PM Day)」レポート 18-A-6セッション

 2026年2月18日開催の「Developers Summit 2026(Dev x PM Day)」で、AIテスト自動化プラットフォームを提供するオーティファイと、オリックス生命保険(以下、オリックス生命)が登壇。「生命保険会社におけるテスト自動化の取り組み」をテーマに、開発現場のリアルな課題と解決策が語られた。本稿では、生成AI時代、プロダクトの成長責任を持つプロダクトマネージャー(PM)が直面する「開発スピードと品質のジレンマ」をどう乗り越えるべきか、同社の事例をもとに現場の『マインド変革』から始まる組織成長のヒントをひも解く。

プロダクトマネージャーを悩ませる「開発とテストの速度非対称性」

 「エンジニアの開発スピードが上がったのに、リリースサイクルが縮まらない」。昨今、多くのプロダクト開発現場でこのような声が聞かれるようになった。

 セッションに登壇したオーティファイの今村貴紀氏は、この現象の背景にある「速度の非対称性」を指摘する。Copilotなどの生成AIツールの普及により、エンジニアがコードを書く実装フェーズは劇的に効率化された。しかし、そのコードが正しく動くかを検証する「テスト工程」は、いまだに人手への依存度が高いままだ。

オーティファイ株式会社 Account Executive, Enterprise 今村貴紀氏
オーティファイ株式会社 Account Executive, Enterprise 今村貴紀氏

 プロダクトマネージャーの視点で見れば、これは深刻なリスクだ。実装が早くなればなるほど、テストすべき機能や画面、考慮すべきパターンは雪だるま式に増え続ける。結果として、テスト工程がボトルネックとなり、市場へのデリバリー(Time to Market)が遅れるだけでなく、リリース直前のバグ発覚による手戻りがチームを疲弊させることになる。

 2040年には約73万人のIT人材不足が予測される中、「人海戦術」での品質維持は限界を迎えている。プロダクトの持続的な成長のためには、テスト自動化を単なる「効率化ツール」ではなく、「事業成長を支える戦略基盤」として捉え直す必要があるのだ。

生成AIでコーディングが加速する一方、人手に頼るテスト工程がボトルネックとなり、開発サイクル全体の足かせとなる構造
生成AIでコーディングが加速する一方、人手に頼るテスト工程がボトルネックとなり、開発サイクル全体の足かせとなる構造

「不具合は許されない」──生命保険のUXと開発スピードのジレンマ

 この構造的な課題に対し、高い品質基準が求められる金融領域で挑んだのがオリックス生命だ。

 同社アプリケーション開発第二部 ウェブ受付チーム長の松井康浩氏は、生命保険ならではの緊張感をこう語る。

 「お客さまがWebサービスを利用されるのは、万が一の際に給付金を請求されるような切迫した場面です。そこで『システムの不具合で手続きができない』といった事態は、顧客体験(CX)の観点から決して許されません」

オリックス生命保険株式会社 アプリケーション開発第二部 ウェブ受付チーム チーム長 上級アプリケーションデザイナー 松井康浩氏

オリックス生命保険株式会社 アプリケーション開発第二部 ウェブ受付チーム チーム長

上級アプリケーションデザイナー 松井康浩氏

 一方で、競争力強化のためには「より魅力的な保険商品を速やかにリリースする」ことも至上命題だ。しかし、調査の結果、新商品開発における工数の約5割がテスト工程に費やされている事実が判明した。

 主要システムだけでも約50のシステムが並走し、さらにPCやスマホのOS・ブラウザの頻繁なバージョンアップへの追随も必要となる。このままでは、品質を守るためのテストが、皮肉にもビジネスのスピードを停滞させてしまう。「スピード」と「品質」という相反する要素を両立させるためには、自動化へのシフトが不可欠だった。

過去の失敗を乗り越え、「NoCode」で現場主導の改善へ

 実は、同社にとってテスト自動化は初めての試みではなかった。2020年にスクリプト型のツールを導入したが、運用は定着しなかったという。

 「エンジニアがスクリプトを作り込みすぎて属人化し、メンテナンス不能に陥りました。また、金融機関特有の堅牢なセキュリティ環境下では動作が安定しないことも課題でした」(松井氏)

 プロダクトマネージャーにとっても耳の痛い話だろう。高機能なツールを導入しても、運用コストが高すぎては形骸化し、結局手動テストに戻ってしまう。「自動化のための自動化」という失敗パターンだ。

 この反省を活かし、松井氏が中心となり「Testing CoE」(テストの専門組織)としての役割を担いながら、2022年に導入したのが「Autify NoCode」だった。選定の決め手は「UIベースで習得が容易なこと」と「サポート品質の高さ」。特定のエンジニアしか扱えない技術ではなく、チームの誰もが扱えるノーコードツールを選んだことで、現場主導で「これは使える」という口コミが広がり、定着していった。

過去のスクリプト型ツールの課題(メンテナンス負荷・不安定さ)を乗り越え、2022年からAutifyによるノーコード化・マルチブラウザ対応へと進化した変遷
過去のスクリプト型ツールの課題(メンテナンス負荷・不安定さ)を乗り越え、2022年からAutifyによるノーコード化・マルチブラウザ対応へと進化した変遷

工数88%削減がもたらす「本質的価値」

 現在、オリックス生命では「マルチブラウザテスト」と「リグレッションテスト(回帰テスト)」を中心にAutifyを活用している。その効果は劇的だ。

 松井氏は、約70ステップのテストをスマートフォン3機種で実施する場合の比較データを提示した。

 従来の手動テストでは、端末の準備から画面キャプチャの撮影、Excelへのエビデンス貼り付け作業まで含め、担当者は約250分(4時間強)拘束されていた。

 これがAutify導入後は、事前のシナリオ作成さえ済ませれば、実行は完全自動。担当者は実行後の結果確認を行うだけでよく、所要時間は約30分に短縮された。

端末準備やエビデンス作成の手間を削減し、1回あたりのテスト工数を約88%(250分→30分)短縮した比較試算
端末準備やエビデンス作成の手間を削減し、1回あたりのテスト工数を約88%(250分→30分)短縮した比較試算

 約88%の工数削減である。しかし、プロダクトマネージャーが注目すべきは「空いた時間」の使い道だ。松井氏は「単純作業から解放されたことで、メンバーはより本質的な業務や、品質向上のための改善活動に時間を使えるようになった」と語る。

テスト自動化は「チームの心理的安全性」への投資である

 工数削減以上に、松井氏が強調したのが「組織のマインド変革」だった。

 「以前は、リグレッションテストの精度が属人化しており、リリースに対して潜在的な不安がありました。しかし今は、毎週自動でテストが回り、異常があれば即座に検知できます。この『安心感』があるからこそ、私たちは自信を持って機能追加や改善に踏み込めるのです」

 プロダクトを成長させるには、継続的な機能追加と改善(CI/CD)が欠かせない。しかし、テストが不十分な状態では、変更を加えること自体がリスクとなり、チームは萎縮してしまう。

 テスト自動化は、チームに「心理的安全性」を提供し、守りの姿勢から「攻めのプロダクト開発」へとモードチェンジさせるための投資といえる。

自動化の効果は単なる工数削減にとどまらず、リグレッションテストの定着や品質に対する「マインド変革」にまで及んだ
自動化の効果は単なる工数削減にとどまらず、リグレッションテストの定着や品質に対する「マインド変革」にまで及んだ

エンジニアからビジネスサイドへ。「品質」の民主化

 セッションの結びとして、今後の展望が語られた。オリックス生命では、IT部門での成功を足がかりに、今後は業務部門が行う「ユーザー受入テスト(UAT)」への展開を検討している。

 オーティファイの今村氏も、「Autify Nexus」に搭載されたAIエージェント機能などを通じ、非エンジニアでも直感的にテストシナリオを作成・運用できる環境づくりを支援していくとした。

 開発チームだけでなく、ビジネスサイドも巻き込んだ品質保証体制が構築できれば、市場の変化に即応するアジャイルな商品リリースが可能になる。

 「品質」をエンジニア任せにせず、プロダクトに関わる全員で担保する仕組みを作る。それこそが、AI時代におけるプロダクトマネージャーの重要な役割の一つとなるだろう。

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提供:オーティファイ株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://productzine.jp/article/detail/4126 2026/03/23 11:30

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