データが導く急速なグロース──国内3社の実践事例
セッションの中盤では、Amplitudeを導入してプロダクトの成長サイクルを大きく変革した国内企業の事例が紹介された。
NTTドコモ:共通KPI設計とセルフサービス化によるオンボーディング改善
NTTドコモでは、データが部門ごとに分断され、レポート作成が一部のアナリストに集中しているという課題があった。そこで、会員・行動・決済データをAmplitudeに統合し、各担当者が自分でチャートを作成できるセルフサービス環境を構築した。その結果、事業KPIを日常的にモニタリングする文化が定着し、オンボーディングコンバージョンが8倍に改善するという大きな成果を生み出した。
LIFULL:「手前の行動」にフォーカスし、CV数を10倍に
LIFULLでは、「どのセグメントに何が効くかが見えない」という課題意識を持っていた。彼らはAmplitudeを活用し、最終コンバージョンに「圧倒的に貢献している手前の行動」を特定。そのデータを基にエンジニア、デザイナー、企画の3職種で仮説を立て、A/Bテストを実行するサイクルを構築した。結果として、市場学習回数が1.5倍、施策成功率が2.8倍に向上し、創出CV数は10倍へと跳ね上がった。
Linc'well:データと動画を共通言語にUI改善
オンライン診療を提供するLinc'wellは、予約から再診までの離脱ポイントや、UIのつまずきが現場の負荷につながっている点に課題を感じていた。診療フローを細かくイベント設計し、「Experiment」による継続的なA/Bテストと、「Session Replay」による実際の操作動画の確認を実施。データとリプレイ動画を共通言語にすることで、プロダクトチームが同じ体験を見ながら議論できるようになり、予約完了率などのKPI改善を実現した。
AIで加速する学習サイクルと、プロダクトマネージャーへのメッセージ
現在の多くのプロダクト改善の現場では、データの検知から判断、実行に至るまでに「数百クリック/3か月」もの時間を要している。これがAmplitudeのようなプロダクトアナリティクスの導入により「47クリック/40時間」にまで短縮され、さらにAIをフル活用することで、わずか「3行のプロンプト/5分間」という能動的に提案・行動するプロアクティブな成長ループへと一気に進化する。
最後に津久井氏は、参加したプロダクトマネージャーに向けて強いメッセージを送った。
「『データはある状態』と『プロダクト改善に使える状態』にはギャップがあります。そのギャップを埋める鍵となるのが、イベント中心のプロダクトアナリティクスや、職種横断で自走できるUIとテンプレートです。加えて、Web/アプリをまたぐジャーニー分析とほぼリアルタイムなデータ反映、そして問いからインサイトまでをつなぐAIエージェントの活用が求められます。まずは『1つのプロダクト・1つの主要KPI』に絞って導入し、小さな成功体験を積み上げながら、組織全体の意思決定をデータとAIでアップデートしていきましょう」
データを単なる「結果の確認」で終わらせず、プロダクトの「意志」としていかに実装するか。Amplitudeが提供する環境は、プロダクトマネージャーをはじめとする現場チームが真の意味で自走し、プロダクトを成長させるための有力な選択肢となるはずだ。
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