グローバルで支持されるプロダクトアナリティクス基盤
Amplitude(アンプリチュード)は「企業の皆様がより良いプロダクトを生み出すことを支援します」というミッションを掲げる、プロダクトアナリティクス領域のグローバルリーダー企業だ。独立系調査会社のレポートにおいても、デジタルアナリティクスソリューションの領域で「Leaders」のトップポジションに位置づけられている。
その実績は数字にも表れており、現在グローバルで4500社の企業に導入され、4万5000以上のアクティブなプロダクトで使用されている。さらに、Fortune 100企業の30%が同社のソリューションを導入しており、金融、リテール、メディア、自動車など、業界を問わずトップ企業のプロダクト改善を支えている。
これらの企業は、自社の成長の原動力を見つけるためにAmplitudeを活用している。津久井氏は具体的な事例として以下の3社を挙げた。
- DoorDash(フードデリバリー):リピート注文を生み出すカギは何か?という問いに対し、データから「時間通りの配達」がリテンションに最も寄与することを導き出した。
- Atlassian(コラボレーションツール):トライアルから有料へ転換する決め手として、「チームの半数以上が週1回利用」している状態を作ることが最大のトリガーであると特定した。
- PayPal(金融サービス):ユーザーを惹きつける秘訣は、アプリインストール当日の「初日の入金体験(Day 1 Cash)」にあることを突き止め、オンボーディングの改善に注力した。
プロダクトマネージャーが直面する「プロダクト分析の壁」
PayPalの事例にも見られるように、現代のデジタル体験はマルチデバイス化が進み、非常に複雑になっている。ユーザーは広告キャンペーンを見てアプリをダウンロードし、オンボーディングを経て、モバイルやデスクトップを横断して取引を行う。このような長いジャーニーの中で、プロダクトマネージャーは「どのようなキャンペーンが最もアプリのダウンロードを促進するか」「週に何度も活動するユーザーはどのようなタイプか」といった数々の問いに対し、データに基づいた的確な意思決定を下さなければならない。
しかし、多くの企業において、プロダクト改善を妨げる「分析の壁」が存在していると津久井氏は指摘する。
- ページビュー中心の分析:「なぜその結果になったか」「どの行動が効いているか」が可視化されづらい。
- 専門チームへの依存:レポート作成が専門チームに集中し、現場のメンバーは数字を「受け取るだけ」になりがちである。
- 分断されたデータ環境:Webとアプリ、オフラインのデータが分断されており、ユーザーのシームレスなジャーニー把握が途切れてしまう。
- 遅いデータ反映:日次バッチ処理が前提となっており、リリース直後の挙動やA/Bテストの結果をすぐに確認できない。
- ツールと実行の分断:BI、MA、A/Bテストなど、ツール間の行き来に膨大な工数がかかっている。
Amplitudeが目指す「現場が自走する」姿とAmplitude AI
こうした壁を打ち破るため、Amplitudeは独自のアプローチをとっている。それは、ページビューではなく「ユーザー行動イベント中心」で分析を行い、どんな行動が成長に効いているかを明確に可視化することだ。開発、企画、マーケティングの担当者が同じダッシュボードを見ながら共通のゴールとKPIを共有し、Webからアプリまでを1人のユーザー単位でつなげて分析する。データは数秒から1分レベルで反映されるため、リリース直後のユーザーの動きもリアルタイムで把握可能だ。
これらの分析から実行までを一気通貫で支援する基盤が「Amplitude AI」である。
Amplitude AIは、大きく分けて以下の3つのレイヤーで構成されている。
- 検知:データキャプチャやモニタリングを通じて、リアルタイムに変化を検知する。
- 判断:定量分析(プロダクト分析など)と定性分析(セッションリプレイなど)を組み合わせ、深く分析・学習する。
- 実行:アクティベーションやWeb実験など、あらゆる場所で施策を実行し、ビジネスを成長させる。
AIエージェントに対して自然言語で質問するだけで、チャートのたたき台やインサイトが自動生成され、現場のプロダクトマネージャー自身が思考のスピードでPDCAを回せるようになる。
データが導く急速なグロース──国内3社の実践事例
セッションの中盤では、Amplitudeを導入してプロダクトの成長サイクルを大きく変革した国内企業の事例が紹介された。
NTTドコモ:共通KPI設計とセルフサービス化によるオンボーディング改善
NTTドコモでは、データが部門ごとに分断され、レポート作成が一部のアナリストに集中しているという課題があった。そこで、会員・行動・決済データをAmplitudeに統合し、各担当者が自分でチャートを作成できるセルフサービス環境を構築した。その結果、事業KPIを日常的にモニタリングする文化が定着し、オンボーディングコンバージョンが8倍に改善するという大きな成果を生み出した。
LIFULL:「手前の行動」にフォーカスし、CV数を10倍に
LIFULLでは、「どのセグメントに何が効くかが見えない」という課題意識を持っていた。彼らはAmplitudeを活用し、最終コンバージョンに「圧倒的に貢献している手前の行動」を特定。そのデータを基にエンジニア、デザイナー、企画の3職種で仮説を立て、A/Bテストを実行するサイクルを構築した。結果として、市場学習回数が1.5倍、施策成功率が2.8倍に向上し、創出CV数は10倍へと跳ね上がった。
Linc'well:データと動画を共通言語にUI改善
オンライン診療を提供するLinc'wellは、予約から再診までの離脱ポイントや、UIのつまずきが現場の負荷につながっている点に課題を感じていた。診療フローを細かくイベント設計し、「Experiment」による継続的なA/Bテストと、「Session Replay」による実際の操作動画の確認を実施。データとリプレイ動画を共通言語にすることで、プロダクトチームが同じ体験を見ながら議論できるようになり、予約完了率などのKPI改善を実現した。
AIで加速する学習サイクルと、プロダクトマネージャーへのメッセージ
現在の多くのプロダクト改善の現場では、データの検知から判断、実行に至るまでに「数百クリック/3か月」もの時間を要している。これがAmplitudeのようなプロダクトアナリティクスの導入により「47クリック/40時間」にまで短縮され、さらにAIをフル活用することで、わずか「3行のプロンプト/5分間」という能動的に提案・行動するプロアクティブな成長ループへと一気に進化する。
最後に津久井氏は、参加したプロダクトマネージャーに向けて強いメッセージを送った。
「『データはある状態』と『プロダクト改善に使える状態』にはギャップがあります。そのギャップを埋める鍵となるのが、イベント中心のプロダクトアナリティクスや、職種横断で自走できるUIとテンプレートです。加えて、Web/アプリをまたぐジャーニー分析とほぼリアルタイムなデータ反映、そして問いからインサイトまでをつなぐAIエージェントの活用が求められます。まずは『1つのプロダクト・1つの主要KPI』に絞って導入し、小さな成功体験を積み上げながら、組織全体の意思決定をデータとAIでアップデートしていきましょう」
データを単なる「結果の確認」で終わらせず、プロダクトの「意志」としていかに実装するか。Amplitudeが提供する環境は、プロダクトマネージャーをはじめとする現場チームが真の意味で自走し、プロダクトを成長させるための有力な選択肢となるはずだ。
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