ITエンジニアとして突き抜けるには
続いて國司氏は、エンジニアとして突き抜けるにはどうすべきか、何に注意し、どう技術を習得し、最初はどんな技術にトライするのが良いかを聞いた。
菅澤氏は何に注意するかという部分では、自らが運営するYouTubeチャンネル「エンジニア勉強会 - つよつよch」から得た学びを紹介した。それは「動き出すなら速く」だ。プログラミング言語Rubyを開発したまつもとゆきひろ氏と対談したときも「速く」が話題になった。菅澤氏は、何かを成した人は「学生時代から仕事としてプログラミングに向き合っていた、ずっとやってきた人がすごく多かった」と言い、自身も同じだったと加えた。
そして「量」も重要だ。とにかく仕事として没頭し、コードを書く経験が重要だという。「勉強のための勉強というよりは、仕事としてのエンジニアリングを、早い段階からプレッシャーの中でやることが、すごくいいと思います」(菅澤氏)。
社会人になったあとに経験を積むのも問題ない。bravesoftにはIT技術未経験で入社し、その後エンジニアとして活躍している人がいる。菅澤氏は、「ITエンジニアとしてやっていこうと思ったとき、周りに同じように考える仲間がいて『一緒にこれ作ろう』と言える環境、スクールのような設備があれば成長できると思います」と環境の大切さを伝えた。
bravesoftでは「やったことのないことをやってもらうのは大切」として新しい経験を積むことを奨励している。新しい言語の習得や、フロントエンドができたらバックエンド、未経験からネイティブアプリなど、挑戦の機会があるのだ。菅澤氏は「周りが助ける、教えられる。お互いに教える空気があれば、未経験への挑戦でも一気に習得できます」と語った。
前田氏も菅澤氏の「教えあえる」に共感する。AKKODiSコンサルティングでは多様なトレーニングメニューを用意していて、遠隔でも全国の社員がいろいろ受講できる仕組みや、今年からは個別に支援する体制を検討している。一人で目標を立てて、一人でやり切るのが難しいと感じる人は多い。そのため個々人の進捗を確認し、必要なら「頑張っている?」と声をかけて支援する仕組みがある。
前田氏はエンジニアの成長について「自分がエンジニアとしてどうなりたいのかを、ちゃんと持つ。そこが根本で大事と思います」と述べた。國司氏も「内発的動機──『こうありたいと』思うことが、とても大切」と加えた。
ITエンジニアとしてスタートしたいなら、まずどうする?
ITエンジニアになろうと考えたとき、まずは何から始めれば良いのだろうか。
菅澤氏は「フロントエンドがおすすめ」という。Webのフロントエンドには、JavaScript、React、Vue.jsなど、参入しやすい技術がいろいろと出てきている。これらの技術を使うと比較的容易にWebサイトやWebアプリの画面ができるから、ブログサイトやゲームを作って試してみればいいというのだ。
作ってみて、自分が興味を持って「もっと作ってみたい」と思えるテーマが見つかったら、それをJavaScriptなどで最短距離で作る。菅澤氏は「作っていくうちに楽しくなってきたら、どんどん成長していける」とコメントした。