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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

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ファインディのコミュニティイベント「PM Hub」レポート

アウトカムを最大化せよ──施策優先度の意思決定に挑んだ4人の実践知

ファインディのコミュニティイベント「PM Hub」レポート 第8回

 ITエンジニア向けに開発生産性の向上やキャリア支援のサービスを提供しているファインディは、近頃プロダクトマネージャ―の支援にも力を入れており、対面での交流を中心にしたコミュニティ活動なども行っている。本稿では、プロダクトがもたらす成果(アウトカム)を最大化させるための「意思決定」の仕方をテーマに実施された回の様子をお届けする。(編集部)

はじめに──アウトカム最大化のための「意思決定」

 ファインディが運営するプロダクトマネージャー向けコミュニティ「PM Hub」では、実践知の共有を目的にLT(ライトニングトーク)と懇親会を組み合わせたイベント「PM LT Night」を定期開催しています。

 プロダクトづくりにおいて、限られた時間とリソースの中で最大の成果=アウトカムを出すためには、どの施策をいつ実行すべきかという「意思決定」が極めて重要となります。2024年12月12日に開催された「PM LT Night」では、4名の登壇者がそれぞれの現場で試行錯誤してきた意思決定のプロセスと、その工夫や悩みを共有しました。

編注

記事中の各位の所属および役職は、イベント開催時点(2024年12月12日)のものです。

LT1:「なぜ施策優先度を意思決定しなければならないのか?」

 最初に登壇したのは、FinTech企業でプロダクトマネージャーを務める北原幹也氏です。プロダクトの成果であるアウトカムに向き合う中で、なぜ施策の優先順位を明確にしなければならないのかを、自身の経験をもとに紹介しました。

アウトカムは「狙って出す」ものではなく、「学びの結果として得る」もの

 北原氏が主張するのは、アウトプット(成果物)とアウトカム(成果)を明確に分けて捉えるべきという点です。アウトプットは「作ったもの」、アウトカムは「顧客やビジネスにとっての変化」であり、後者はアウトプットの結果であり、コントロールが難しいものです。

 だからこそ、MVP(最小実用製品)を複数出してすばやく検証を回す心構えが不可欠で、成功する施策は結果論であり、「当たる施策」を事前に見極めるのは難しいものです。

 むしろ重要なのは、「どれを試すか」を決める意思決定プロセスそのものとなります。

優先度を決める3ステップ

 北原氏が紹介したのは、以下のような意思決定プロセスです。

  1. 材料収集:施策の背景や目的、不確実性をテンプレートで整理する
  2. 評価:重要度・緊急度などの2軸でマトリクス評価する
  3. 可視化:バックログやスプレッドシートで管理し、チームで定期的に振り返る

 施策の「良しあし」ではなく、「今やるべきかどうか」に焦点を当てるこの判断軸は、チームの思考と行動を一貫させるために有効だと主張します。

総括

 北原氏のセッションは、アウトカムを生み出すための本質的な問いを投げかける内容でした。特に印象的だったのは「完璧な施策など存在しない。だからこそ、まずやってみる判断を下せるかどうかがプロダクトマネージャーの価値」という言葉です。手元の選択肢を「試せる形」に落とし込むフレームと文化こそが、成果につながる第一歩であると再認識させられました。

次のページ
LT2:「ICE/RICE/DRICEで成果を引き出す──フレームワークの実践と罠」

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この記事の著者

ファインディ株式会社 プロダクトマネジメント室(ファインディカブシキガイシャ)

プロダクトマネージャー向けのイベントを開催しているコミュニティです。各社のプロダクトマネジメントに関する取り組み事例や成功事例をLTやパネルディスカッションを通じて共有し、またプロダクトマネージャー同士の懇親の場を設け、それぞれが取り組んでいる課題やベストプラクティスについて話し合い、社内に閉じがち...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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