テックタッチは、顧客データやVOC活用に携わる担当者や責任者を対象に実施した「企業におけるAI活用と顧客データ分析の実態調査」の結果を5月13日に発表した。同調査は3月25日から26日にかけて行われ、1003名から有効回答を得ている。

AI導入の目的については、「業務の効率化や工数削減」(39.2%)が最多となったものの、「顧客体験(CX)の課題発見や改善」(35.4%)や「属人化の解消」(30.1%)といった、プロダクトの質向上や組織課題の解決を重視する傾向も強い。現在、分析対象となっているデータは、チャットやメールの問い合わせ履歴(41.0%)がもっとも多く、次いでコールセンターなどの応対ログ(36.5%)、アンケートの回答内容(35.7%)と続いている。

AI活用におけるボトルネックを調査したところ、工程別では「定性データの構造化や集計」(35.1%)に最も工数がかかっており、次いで「深いインサイトの抽出」(31.5%)が挙げられた。具体的な課題としては、音声やテキストなど「非構造化データの扱い」(28.4%)の難しさや、分析・プロンプト作成を担う「専門人材の不足」(26.8%)、そしてそのままでは活用できない「データ品質の低さ」(26.5%)が浮き彫りとなっている。

AIによる分析結果を実務に活用できているかという問いに対し、「十分に活用できている」と回答した企業は約2割(21.4%)に留まった。「ある程度活用できている」(55.1%)を合わせると約8割が肯定的ではあるものの、依然として「十分な活用」には壁がある実態が示された。

活用が進んでいる企業の理由としては、「目的やKPIが明確で活用シナリオが定義されている」(37.6%)、「データ整備や前処理が標準化されている」(37.4%)が上位を占めている。一方で、活用できていない要因は「目的やKPIが曖昧」(30.9%)や「現場での活用が定着しない」(27.5%)が挙げられており、技術的な課題以上に、戦略的な設計やオペレーションへの組み込みが成否を分けている様子がうかがえる。

今後の推進において重要視される要素は、「データの統合や品質改善」(41.1%)や「インサイトの抽出精度」(38.8%)が上位となった。部門間のデータサイロを解消し、単なる要約に留まらない深い示唆をいかに現場の実装や運用に落とし込めるかが、次なるステップの焦点となりそうだ。

詳細な調査結果は、テックタッチのWebページから入手できる。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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