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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

デブサミ2026の初日をProductZineとコラボで開催。

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

アトラシアン流プロダクト開発術

アトラシアン流プロダクト開発術:「プロダクトオペレーション」という新たな役割

アトラシアン流プロダクト開発術 第3回

2. プロセスの標準化

 ここまでで、もっとも重要な共通言語の定義が完了すると、次は日常のプロセスを効率化するための基盤を構築します。プロダクトオペレーションでは、特に次の4つのプロセス標準化が鍵になります。

1. プロダクトデータ・インサイトの基盤づくり

 目的は、プロダクトマネージャーが知りたいことを「すぐにデータで確認できる」状態をつくることです。

 主な業務は次のとおりです。

  • プロダクトKPIの定義・標準化(例:アクティブユーザー、リテンション、ファネルなど)
  • ダッシュボードやレポートの設計・運用
  • リリースや機能ごとの効果測定フレームワークの設計
  • プロダクトデータに関するドキュメント整備(例:指標の定義、利用方法など)

 これにより、プロダクトマネージャーは毎回Excelで手作業の集計を行う代わりに、プロダクトオペレーションマネージャーが用意した指標とダッシュボードを使って、迅速に意思決定できるようになります。

2. ユーザーリサーチ・フィードバックプロセスの整備

 ここでの目的は、顧客の声を組織として再利用できる「仕組み」にすることです。

 主な業務は次のとおりです。

  • 顧客インタビューや調査のプロセス定義・テンプレート化
  • スクリーニング、調査票、同意取得などのテンプレート整備
  • ユーザーリサーチのログ・ナレッジの一元管理(例:「誰にどんなインタビューをしたか」「どんなインサイトがあったか」を蓄積)
  • サポート、セールス、CSM、コミュニティからの顧客の声を整理・集約する仕組みづくり(例:フィードバックフォーム、タグ付けルール、定期レビュー会の運営など)

 これによって、同じようなユーザー調査をチームごとに何度も繰り返したり、重要なインサイトが一部のプロダクトマネージャーだけの暗黙知になってしまう、といったムダを減らすことができます。

3. 実験・リリース運営の標準化

 目的は、機能リリースやA/Bテストのやり方を共通化し、プロダクト開発のスピードと品質を同時に高めることです。

 主な業務は次のとおりです。

  • A/Bテストのフレームワーク設計・ガイドライン整備(例:サンプルサイズの計算、テスト期間、成功指標、実施プロセスなど)
  • リリースカレンダー/チェンジマネジメントの調整(例:リリース時の影響範囲、ステークホルダーへの通知、リリースノートテンプレートなど)
  • 実験結果のレポーティング標準化とナレッジの蓄積

 結果として、チームごとにバラバラなやり方でリリースや実験を行うのではなく、一定の品質で素早く試し、その結果を組織全体で再利用できるようになります。

4. ツール・システムの選定と運用

 ここでの目的は、プロダクト開発で使うツールを整理し、コストと使い勝手のバランスを取ることです。

 主な業務は次のとおりです。

  • プロダクト関連ツールの評価と選定(例:分析、リサーチ、フィードバック管理など)
  • ライセンス管理・アカウント発行・権限設計
  • プロダクト分析ツールとCRM、サポートツールとの連携のような各ツール間の連携の設計
  • 利用ルール・ベストプラクティスのドキュメント化とトレーニング

3. 経営陣および組織全体に向けたプロダクトの可視化を実現する

 「可視性」は、プロダクトオペレーションマネージャーが採用される主な理由の一つです。エンジニアリングリソースが適切に配分されているという確信を得るため、経営陣は普段から次のような点を把握したいと考えています。

  • いま何が実行されているのか
  • どのような意思決定がなされているのか
  • それらが戦略的目標とどのように関連しているのか
視座の高さと見る対象の違い
視座の高さと見る対象の違い

 しかし、この情報を分かりやすく共有するのは、プロダクトマネージャーやプロダクトオペレーションマネージャーにとって大きな負担になりがちです。複数のツールからデータをかき集め、作成した時点の情報しか反映されない「静的レポート」をつくるのに何時間も費やしてしまいます。その結果、会議の場では動的な分析や切り口の変更がしにくくなります。

 この課題に対して、プロダクトロードマップは、組織全体を戦略と目標に結束させる強力な手段となります。「今やる」「次にやる」「将来やる」というように中長期的な方向性を示したり、四半期単位の計画を示したり、顧客セグメント別に示すなど、異なる視点でロードマップを構築し、適切に運用することで、ロードマップは次のような役割を果たします。

  • ユーザー情報や学びを、将来の意思決定に反映する
  • 組織内の利害関係者が、共通の前提を持って連携できるようにする

 さらに、適切なツールを用いれば、統合された動的なロードマップによって、プロダクト開発の進捗を常に把握できます。これは経営陣だけでなく、プロダクトチームに依存関係を持つ他チームを含めた関係者とも、簡単に共有できます。

 動的なロードマップにより、次のことが容易になります。

  • 優先順位付けや計画決定に関する経営陣からの意見・フィードバックを取得する
  • 優先順位付けの背景や根拠を説明する
  • プロダクトオペレーションが、自信を持って計画を推進するためのツールとして機能する
  • 技術的な詳細に埋もれずに進捗を追跡する

 重要な点は、ロードマップが自動で更新されることです。変更のたびにプロダクトマネージャーやプロダクトオペレーションマネージャーが手動で更新しなければならないようでは、その作業は単なるTo Doリストの一項目になってしまい、いずれロードマップの利用は形骸化してしまうでしょう。

 アトラシアンでは、Jira Product Discoveryを活用し、今後6〜12か月間の計画を全社的に可視化しています。Jira Product Discoveryは、企業や組織のゴールを管理するAtlassian Goalsと連携でき、各アイデアがどのゴールに紐づいているかも表示できます。

 アトラシアンではお客様向けにもJira Product Discoveryのロードマップを公開していますので、そのロードマップをご覧いただくことでより具体的なイメージを掴んでいただけると思います。

Jira Product Discoveryのロードマップ画面
Jira Product Discoveryのロードマップ画面

終わりに:つながり、協働するプロダクト開発の新時代

 プロダクトオペレーションマネージャーが主導するにせよ、プロダクトマネージャー自身が兼務するにせよ、プロダクトチームが会社の戦略と顧客のニーズに沿って連携して働くための仕組みを構築する必要があります。

 重要なのは、ここまで説明してきた「プロダクトオペレーション成功の3つの前提条件」に取り組むことです。

  • プロダクトチームの自律性とプロセスの一貫性のバランス
  • プロセスの標準化
  • 組織横断的なプロダクトの可視化

 ここまで解説してきたことを実現するのに、ツールの導入は必須ではありません。しかし Jira Product Discovery は、アトラシアンが提唱する「顧客中心のディスカバリー」「反復」「ビルド」の実践を、一元化された直感的な方法で実行するために構築されたプロダクトです。

 数百人におよぶプロダクトプロフェッショナルとの対話に基づき、彼らの課題やニーズを解決するために必要な要素を深く掘り下げて設計されています。Jira Product Discoveryを使うことで、経営陣からエンジニアリング、営業、マーケティングに至るまで、組織の誰もが「プロダクトの未来像」という大胆でユーザー中心のビジョンに結束できます。

 Jira Product Discoveryには、作成者3人まで無料で利用できるFreeプランがあります。さらに、上位プランについても無料トライアルをご利用いただけます。

 ぜひJira Product Discoveryのパワフルな機能をお試しいただき、複数プロダクトチーム間の連携を強化する方法を実践してみてください。

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この記事の著者

渡辺 隆(アトラシアン株式会社)(ワタナベ タカシ)

アトラシアン株式会社 エグゼクティブプロダクトマーケティングストラテジスト 日本IBMやヴイエムウェアにおいてプロダクトマーケティングディレクターやHead of Salesを担当。アジャイル開発プロセスやミドルウェア、クラウドのプロダクトマーケティングや製品営業等、プロダクトを中心としたお客...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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