グロース・アーキテクチャ&チームス(Graat)は、KDDIとの協働によって、KDDIが提供するQRコード決済サービス「au PAY」の内製アジャイル開発における、AIエージェントを活用した企画・要件定義改革を支援している。

この取り組みは、Graatが提供するAIエージェントデザインサービス「EBAAD(Enterprise Business AI Agent Design、エバード)」の代表的な実践例となる。企画・要件定義の一連の流れの中にAIエージェントを組み込み、熟練者が持つ判断観点や進め方のノウハウを再利用可能な形で反映。これにより、企画と開発のコミュニケーションの質を高め、より本質的な要件価値の議論や、適切な実現方法の検討に時間を使いやすい状態へと導く狙いがある。
KDDIは、au PAYの内製アジャイル開発を推進するにあたって、AIを開発プロセスに活用する取り組みを進めてきた。一方で、企画・要件定義の領域では、熟練した担当者や開発者が持つ判断観点が属人化しやすく、成果物の品質にばらつきが生じるという課題を抱えていた。「何を実現すべきか」と「どのように実現するのが適切か」を、業務要件やシステム影響、関係者視点などを踏まえて整理する判断の多くは経験豊富な人材の暗黙知に支えられており、ドキュメント整備やトレーニングだけでは組織全体での再現が難しかったという。
そこでGraatは、AIを単なる作業効率化ツールに留めず、企画・要件定義の進め方そのものを見直す支援を実施。AIエージェントを業務フローに継続的に組み込むことで、属人化した知見を組織で活用可能な形へと転換している。具体的には、KDDIのアジャイル開発部と協働して、au PAYに関わる複数チームを対象とした「バックログ作成支援システム」を設計・実装した。同システムでは、要件の検証、必要な知識の補足、関係者視点でのレビュー、バックログの生成・登録などの支援を包括的に行う。
本取り組みを通じて、企画担当者と開発者が認識をそろえつつ、価値議論に注力できる環境が整備されつつある。AIエージェントが要件整理やレビュー支援を担うことで、経験の浅い担当者でも一定の観点を踏まえた進行が可能となり、有識者への過度な依存を緩和する効果も現れた。熟練者のノウハウがAIを通じて再利用可能になったことで、個人に閉じていた知見が組織の資産として継承されるサイクルが動き出している。
Graatが提供するEBAADは、企業内に蓄積された熟練人材の判断や対応のノウハウを、AI活用を通じて業務プロセスに組み込むコンサルティングサービス。生成AIやAIエージェントを導入するだけでなく、業務の流れや役割分担そのものを再設計することで、企業の組織能力向上と持続的な競争力強化を支援していく。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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