標準化されたBrazeのプラットフォームを最大限に活用
こうしたBrazeの支援のもと、タップル社ではマイページやお知らせなどの必要な機能は自社開発を行い、それ以外はグローバルスタンダードの仕組みを活用するというように、自社で開発すべき機能と外部サービスに任せる機能を明確に区分している。ただし、ノンコアだからすべて任せるというものではなく、自分たちがどうしたいかを考え、自分たちのバリューとしたいと考えるものについては、自分たちで開発しているという。
例えば、UIについては自社のデザインポリシーを重視し、フィーチャーフラグ(コードを書き換えることなく動的にシステムの振る舞いを変更できる開発手法)を用いて開発したものを、一部のユーザーに公開するカナリアリリースなどで段階的な機能展開を行っている。その際には、BrazeのA/Bテスト機能の活用も検討していきたいとのことだ。UIやフィーチャーフラグといったコア部分は自社開発し、その他のノンコアな部分をBrazeの機能に置き換え、コア部分との掛け算でより高い効果が得られるという。これにより、特定のユーザーセグメントに対する限定配信やプッシュ通知など、さまざまなユースケースに対応できる柔軟な運用を実現するというわけだ。
最後に高橋氏は、「プロダクトビジョンを達成する組織となるために、組織の効率化と価値創造を両立し、組織の大きさや人材に対応した体制に変化させる必要がある。時に元に戻るようにみえて、らせん状に進化させていく」と語り、「開発では短期的な検証から長期的な資産化へ移行する意識が重要であり、経営的視点では売上や成長に直結する仕組みを考慮する必要がある。その意味でも“資産化”は大事だと感じている。そのためにも機能をコア・ノンコアに分類しつつ、システム全体の最適化や運用しやすさを考えていきたい」と意欲を見せた。