ニーズの探索のためのヒアリングを工夫し、先行者としての優位性を保持
プロダクトの成長を促進するために重視していることとして、鈴木氏は3つめに「ドメインエキスパートとの連携によるニーズ探索」をあげた。市場開拓のためには、提供価値を明確にし、伝え方を模索することが重要となる。この探索では、ポテンシャルユーザーを含めた多くの顧客へのヒアリングを実施していると言う。例えば、CS担当者から課題を抱えているユーザーを紹介してもらって直接話を聞いたり、より率直な意見を収集するために、利害関係のないユーザーをスポットコンサルティングサービスなどのプラットフォームから探したり、対象や内容もさまざまだ。
このヒアリングの場にセキュリティのドメインエキスパートが同席することで、専門的な話を深掘りするだけでなく、ユーザーの発言をうのみにせずに、業界のトレンドや別の視点を交えて議論することが可能になる。こうした継続的な探索とヒアリングを通じて、最新のセキュリティトレンドと実運用のバランスを考え、サービスの方向性をより明確化しているというわけだ。この際にもう一つ、意識しているのが、現場やマネージャー、ガバナンスを統括するCIOなど立場の異なる担当者にヒアリングすることだ。それによって、別の視点からの意見や課題を抽出することができると言う。

そして、4つ目のポイントは「プロダクトの優位性を守る」ということだ。プラットフォームは先行者の一人勝ちになることが多く、先行者の優位性は是が非でも守る必要がある。そのためには、マーケティングやブランド戦略の強化が不可欠だ。具体的にはドメインエキスパートによるセミナーで専門家の認知を高めたり、ブランドガイドラインによって一貫したブランドイメージを打ち出したり、さまざまな施策を実施している。
さらに、プロダクトの設計においても、後発が容易に模倣できないよう、特許の取得にも力を入れていると言う。例えば、セキュリティチェックシートにスムーズに回答できるUI設計や、評価の依頼と活用を簡単にする機能などについては、継続的に改善を行いながら、複数の特許を取得している。こうした細かな工夫を積み重ねることで、競争力を維持し、持続的な成長を実現している。

トータルなセキュリティ対策が求められるなか、誰もが安心して取引ができる環境を目指して
「Assured」の今後の展開として、鈴木氏は「インターネットを介したビジネスが広がる中で、起きている課題を解決したい」と意欲を見せる。現在の日本のサイバー攻撃被害の半数が取引先経由と言われる中、自社だけではなく、取引先やクラウドサービスの利用まで含めた「トータルなセキュリティ対策」が必須となりつつある。そうしたなかで、「Assured」は「取引に確信を与えるセキュリティの星付きガイドへ」をビジョンに掲げ、誰もが安心して取引ができるよう、セキュリティの実態を可視化し、確認した上で取引ができる環境を創り上げていきたいと言う。
そして、2025年6月11日に、クラウドサービスのセキュリティ評価「Assured」に加えて、新サービスとして、取引先企業のセキュリティ評価を行う「Assured企業評価」をリリース。さらにはセキュリティ評価だけでなく、今後は改善策となるソリューションも提供することで、可視化と改善のサイクルを確立し、社会全体のセキュリティ水準向上を目指すと言う。
そこで重要な役割を担っているのが、プロダクトマネージャーだ。Assuredのプロダクトマネージャーは、サービスの企画から開発のデリバリーまでを一貫して担当し、事業の成長を支える重要な役割を担う。自由度が高く、幅広い裁量を持って業務を進めるため、積極的に事業の方向性を決定し、推進することが求められていると言う。また、開発チームに閉じず、事業課題をプロジェクト化し、ビジネスのメンバーやドメインエキスパートと連携しながら、小規模な横断的チームを編成し、スピード感を持って課題解決に取り組んでいる。そうした体制により、プロダクトマネージャーはハブとしての役割を果たし、組織全体の連携を強化しながら、事業の成長を加速させているというわけだ。
鈴木氏は「Assuredは今後加速度的に事業を伸ばしていきたいと考えており、一緒にチャレンジする仲間を募集中だ。ぜひ興味を持った方は連絡してほしい」と語り、セッションを終えた。
第三者機関による高品質なセキュリティ評価を
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