米Amplitudeは、Linc'well(リンクウェル)がサービス改善の促進と施策効果の可視化を目的に、Amplitudeのデジタル分析プラットフォームを導入したことを、6月18日に発表した。

Linc'wellは、健康管理アプリ「クリフォア」を運営しており、医療従事者と患者/ユーザーをオンラインとオフラインの両方でつなぐ、ヘルスケアプラットフォーム事業を展開している。
近年、リモート環境の普及にともなってオンライン診療への需要が急速に拡大しており、クリフォアの継続的なサービスの改善が急務となっていたものの、同社の従来からの分析方法では、リアルタイムでのユーザー行動把握や迅速な施策の効果検証が難しく、サービス品質の要となる対応スピードが課題となっていた。
そこで同社は、2023年4月に「Amplitude Analytics」を導入して、データ収集に向けた環境の整備と基本的なユーザー行動の分析を始めており、その約半年後には「Feature Experimentation」を追加導入し、改善施策の検証を開始している。さらに、2024年10月には「Session Replay」を追加導入することで、より直感的なユーザー行動の把握を可能にする環境を整えた。
コーディングの知識を必要としないAmplitudeのプラットフォームによって、多くの人が分析チャートを利用できるようになり、社内で勉強会やナレッジ共有会を行うなど、データドリブンな文化の醸成につながっている。
同社は、クリフォアのUI/UX改善施策立案および最適化にあたって、Amplitudeの各機能をそれぞれニーズに合った箇所で活用しており、ファネル分析によって診療予約導線の離脱ポイントを特定して、予約率の改善に成功した。また、Amplitude Analyticsでエラーや障害を検出して、Session Replayでユーザー行動や離脱箇所を可視化することで、具体的な改善策の導出にもつなげている。
さらに、Feature ExperimentationによるA/Bテストを通じて、ユーザー離脱が多い画面や導線に対する異なる改善策の効果を定量的に検証することが可能になり、診療予約ボタンの文言や配置変更などをテストして、どの変更がもっともコンバージョン率に寄与したかを把握し、改善策の精度を高めた。
Amplitudeプラットフォームの導入によって、ユーザー行動と施策効果の可視化における課題が解決され、最適な改善案を選択できるようになっている。診療予約時のユーザー行動全体を可視化して、定量的に弱点を把握することでA/Bテストの精度が高まり、迅速なサービス改善が可能になった。また、機能の追加やアップデートがもたらす効果を視覚的に把握できる仕組みを通じて、効率的なサービス改善サイクルが構築されている。
これらの成果によって、クリフォアは顧客満足度と継続利用率を向上しており、2024年にはシステム/サービス部門において「グッドデザイン賞」を受賞するなど、データに基づいたサービス改善が高評価につながったという。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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