日本CTO協会は、「DX Criteria(v202506)/企業のデジタル化とソフトウェア活用のためのガイドライン」を6月に公開した。また「生成AI活用ヒアリングレポート」も公開した。

「DX Criteria(DX基準)」は同協会が監修・編纂している企業のデジタル化とソフトウェア活用のためのガイドラインで、デジタル技術を企業が活用するために必要な要素を多角的かつ具体的に体系化したもの。
グローバル市場での競争激化や予測困難な社会情勢の中、生成AIをはじめとした技術進化は、企業が持続的に成長し新たな価値を創造するための不可欠な要素となっている。しかし、多くの企業がDXの推進で具体的な課題や進むべき方向性を見いだすことに苦慮している現状がある。
このような背景を踏まえ同協会は、以下を目的に同ガイドラインをver.202506としてアップデートした。
技術の進化と新たな課題の出現への対応
生成AIに代表される新技術の登場により、これまでの基準だけでは捉えきれない新たな課題が生まれている。これらの最新技術の潮流を踏まえ、今回のアップデートでは企業が直面するであろう新たな課題に対応できるよう、項目を見直した。
実践的な適用性の向上
「DX Criteria」が現場でより効果的に活用されるよう、項目を最適化。具体的には、過度に具体的で手段が限定されすぎていた項目はより抽象化し、汎用性を持たせた。逆に、抽象的すぎて本質が伝わりにくかった項目は、具体化することで企業が自社の状況に合わせて柔軟に解釈し、実践に結びつけやすくなっている。
誤解を招く表現の修正
これまでの「DX Criteria」で勘違いされやすい表現や意図が正確に伝わりにくい箇所を校正し、より明確でわかりやすい表現に修正。これにより、利用者が「DX Criteria」をよりスムーズに理解し、正確に活用できる。
また同協会は、「超高速な仮説検証のための生成AI活用」に焦点をあて、先進的な取り組みを進める8企業へのヒアリングを実施し、レポートを公開した。
レポートの項目は以下のとおり。
経営の関与について
先進企業が生成AI活用にどのように取り組み、経営陣がどのように関与しているのかをまとめた。各社の戦略、組織体制、浸透施策、投資判断、そしてガバナンス体制の具体的な事例を紹介する。
業務効率化と創造性向上
先進企業が生成AIをどのように日常業務に取り入れ、効率化や創造性向上を実現しているかを紹介する。
開発プロセスの変革
先進企業のエンジニアが生成AIをどのように活用し、開発生産性や品質の向上、そして働き方の変革につなげているのか、具体的な事例を交えて紹介する。
生成AIのサービス組み込み
先進企業がどのように生成AIを自社サービスに組み込み、ユーザー体験の向上や新しい価値の創造を実現しているのか、具体的な事例を交えて紹介する。
生成AI導入の効果・課題と未来への展望
先進企業が生成AI導入によって得た具体的な効果、直面した課題とそれに対する取り組み、そしてAIとの協働を見据えた今後の展望について掘り下げている。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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