SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

デブサミ2026の初日をProductZineとコラボで開催。

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

ProductZineイベントレポート(AD)

「作る前」の意思決定が勝負を分ける──ジョーシス流プロダクトディスカバリーとPMの新たな役割

「Developers Summit 2026(Dev x PM Day)」レポート 18-B-6セッション

優先順位付けの盲点をどう回避するか。「機能」ではなく「課題」を起点に

 セッション中盤、渡辺氏はプロダクトマネージャーが陥りがちな3つの課題として、「ストーリー作成においてPMがボトルネックになってしまう」「アイデアの優先順位のつけ方」「ロードマップの作成と管理」を提示した。会場への問いかけで多く手が挙がったのは後者2つだ。それぞれの課題について、小俣氏の実践が語られた。

 優先順位付けについてまず指摘されたのは、議論の「土俵」の問題だ。小俣氏は「社内ステークホルダーとの会話は、機能やアウトプットの話に陥りがちです。そのほうが会話がしやすいからですが、機能単位だと合意は取りやすい反面、より本質的な『ユーザー課題』の議論が後回しになってしまいます」と指摘する。

 ユーザー課題はソリューションよりも上流にあるため、その優先順位を議論できる素地を作ることが重要だと小俣氏は強調する。インパクトの大きな意思決定ほど、課題起点の優先順位付けが問われるからだ。

 その素地を作るために実践しているのが、ペルソナごとに「満たせているニーズ」と「満たせていないニーズ」を整理するアプローチだ。必ずしも精緻な分析である必要はない。これを対話のベースとして持つことが、機能レベルの会話を課題レベルの議論へと引き上げる起点となる。

 また、ロードマップは2段階で区切るという。まずはリサーチやインタビューを通じて課題の解像度を上げる。「このポイントが重要だ」という前提が固まってはじめて、エンジニアとのタイムラインについて議論を開始する。最も重要な課題を踏まえ、実現できる範囲でミニマムなソリューションを絞り込むのが小俣氏の基本スタンスだ。課題の確からしさを積み上げてから実装規模の議論に入ることで、手戻りのリスクを最小限に抑えられる。

 実装段階に入ってからもスモールに進む。「ユーザーにとって一番重要なポイントを選び、まずはミニマムなものを作って出し、フィードバックをもとに進めていこうというカルチャーが幸いにしてあります」と小俣氏は語る。出発点を機能ではなく課題に置き、小さく始めて確かめながら前進する。ディスカバリーをいかに設計するかが、開発全体の質を左右するといえるだろう。

AIとコーディングエージェントがプロダクトマネージャーの仕事を変える

 セッション終盤、話題は「AI時代におけるプロダクトマネージャー」へと移った。開発やデザインの領域でAIツールが急速に浸透する一方、プロダクトマネージャーにおけるAI活用はどうあるべきか。渡辺氏がその問いを投げかけた。

 「プロダクトマネージャーの仕事の半分は、言語処理的なものだったと思うんですよね。多様なステークホルダーの意見を集約し、テキストとしてアウトプットする。これはAIが非常に得意とする領域です」(小俣氏)

 その実感は急激に強まっているという。ユーザーインタビューの文字起こしをAIに読み込ませれば、要約は瞬時に完成する。「言語処理的な意味合いでのプロダクトマネージャーの仕事は、AIに取られてしまった感覚が強くあります」と小俣氏は明かす。しかし、AIに言語処理を委ねる割り切りこそが、プロダクトマネージャーの時間を解放することにもつながる。

 では、浮いたリソースをどこに向けるのか。小俣氏が「大きい」と語るのが、コーディングエージェントの活用だ。プロトタイピングをより高度に行える環境がこの半年で整いつつあり、「そこがプロダクトマネージャーとしての大きなチャンスになる」と語る。

 実際に試みているのは次のような手順だ。コーディングエージェントにGitHubでブランチを作成させて変更コードを書かせ、そのままVercel(Webアプリケーションの公開・運用プラットフォーム)の環境にデプロイする。そして、実際に動くアプリとしてステークホルダーやユーザーに触ってもらうのだ。「どんどん枝分かれを作っていって、最終的にメインに入れるかどうかを判断すればいい。その分岐をAIの力で量産していけばいいと思っています」

 ただし、これはプロダクトマネージャー単独では成立しない。プロダクトマネージャーが自由にコードベースにアクセスできる体制を、組織として整えることが鍵となる。「言語処理的なタスクはAIに任せ、コーディングエージェントの出力を活用していく。その方向性と、それを支援する組織的な基盤を作ることが、マネジメントと組織開発の観点から非常に重要になっています」と小俣氏は述べた。

 AI活用やコーディングエージェントによるプロトタイピングが進み、プロダクトマネージャーの業務が高度化する中では、アイデア管理や優先順位付けを支える「基盤」も重要になる。

 セッションの締めくくりに、渡辺氏はそのソリューションとして「Jira Product Discovery」を紹介した。アイデアの一元管理から優先順位付け、ロードマップ作成、そしてJiraバックログとのシームレスな連携まで、プロダクトマネージャーが直面する課題に応えるツールだ。

アトラシアンが提供するJira Product Discovery。アイデア管理・優先順位付け・ロードマップ作成をJiraのバックログとシームレスに連携できる
アトラシアンが提供するJira Product Discovery。アイデア管理・優先順位付け・ロードマップ作成をJiraのバックログとシームレスに連携できる

 「声の大きい人」の意見ではなく、データをもとに意思決定できるツールとして、渡辺氏はJira Product Discoveryを推奨する。「メールアドレスの登録だけで利用開始できるので、ぜひ試していただければと思います」と会場に呼びかけ、セッションを締めくくった。

アトラシアンからのお知らせ

 本セッションでご紹介したサービスにご興味を持たれた方は、ぜひ公式サイトをご覧ください。

 また、今回紹介したアトラシアン流のプロダクトディスカバリー手法を詳細に解説したハンドブックを無料でダウンロードいただけます。プロダクトマネジメントのスキルを一歩高めたい方はぜひご覧ください。

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

ProductZineイベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:アトラシアン株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

ProductZine(プロダクトジン)
https://productzine.jp/article/detail/4128 2026/03/27 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング