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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

デブサミ2026の初日をProductZineとコラボで開催。

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

ProductZineイベントレポート(AD)

「作る前」の意思決定が勝負を分ける──ジョーシス流プロダクトディスカバリーとPMの新たな役割

「Developers Summit 2026(Dev x PM Day)」レポート 18-B-6セッション

 2026年2月18日開催の「Developers Summit 2026(Dev x PM Day)」に、ジョーシス株式会社プロダクトマネージャーの小俣剛貴氏と、アトラシアン株式会社の渡辺隆氏が登壇。「勝てる事業は『作る前』に決まる」をテーマに、事業戦略と連動したディスカバリーの枠組みや、AI時代におけるプロダクトマネージャー(PM)の新たな役割について語られたセッションの模様をレポートする。

不確実な市場を勝ち抜くための「3つの視点」

 どんなプロダクトが売れるか予想できない、機能ベースに陥る優先順位の議論、リソースを投下してから「違った」と気づくプロダクト開発──。こうした課題を「作る前」のプロセスで解消しようとする実践が、本セッションの主題だ。

 議論の柱となったのは、大きく3つのテーマである。1つ目は、正解のない市場で「開発の目的」と「ターゲット」を見極めるためのプロダクトディスカバリーの戦略的枠組み。2つ目は、機能(Output)ではなく課題(Problem)を起点とする優先順位付けの思考法。そして3つ目は、生成AIやコーディングエージェントが台頭する時代における、プロダクトマネージャーの新たな役割である。急成長SaaS企業がいかにして不確実性を乗り越えているのか、その実践知を紹介していこう。

グローバルで戦うSaaSプラットフォーム企業の現在地

 Josysは、ITガバナンスとSaaS管理領域のB2Bプラットフォームとして2021年にサービスをローンチした。現在は700社以上の顧客を抱え、グローバルで350名以上のメンバーが事業を支える急成長企業だ。

 プロダクト開発は、米国サンフランシスコ・シリコンバレーとインドのバンガロールを中心としたグローバル体制で推進されている。プロダクトマネージャーの役割を担うメンバーは世界に5名おり、日本拠点のプロダクトチームは小俣氏一人だという。上司であるCPOはサンフランシスコを拠点とし、他のメンバーはインドに在籍している。

 「各リージョンのビジネス担当者やCS(カスタマーサクセス)メンバーと連携して情報を収集し、ディスカバリーを経てプロダクト開発につなげていく。それが私たちプロダクトチームの役割です」と小俣氏は語る。

ジョーシス株式会社 Product Manager 小俣剛貴氏
ジョーシス株式会社 Product Manager 小俣剛貴氏

 同社が展開するのは「SaaS管理プラットフォーム(SMP)」と呼ばれるカテゴリーだ。企業のSaaSやITリソースを一元管理し、ITオペレーション全体の効率化とITガバナンスの強化を支援するもので、Josysは2024年・2025年と2年連続でGartner Magic Quadrantに日本で初めて選出されている。

ジョーシス株式会社の概要。2021年のローンチから350名超の体制に拡大し、319億円の資金調達実績を持つ
ジョーシス株式会社の概要。2021年のローンチから350名超の体制に拡大し、319億円の資金調達実績を持つ

 国内ではIT部門が主要顧客だが、海外ではMSP(Managed Service Provider)が中心となり、近年はオーストラリアや東南アジア、欧州へと市場が拡大している。SMPというカテゴリー認知自体が形成段階にある中、多様な地域・規模・ペルソナを相手に「何を作り、誰に届けるか」を判断し続けることこそが、小俣氏の仕事の核心にある。

 小俣氏は、「市場の成長やカテゴリーの変化が激しい環境下、グローバルレベルで競争できるのがこの仕事の醍醐味」だと明かす。正解が見えない市場において、いかに確度の高い意思決定を積み重ねていくか。この問いに対する解が、独自のディスカバリー手法にある。

 モデレーターを務めた渡辺氏は、アトラシアンでプロダクトマーケティングを担当するエグゼクティブプロダクトマーケティングストラテジストだ。日本IBMやVMwareを経て現職に至り、ProductZineへの寄稿も行っている。

 小俣氏とは、Pivotal Software(2019年にVMwareに買収され、現在はBroadcomの一部)時代の同僚という縁がある。今回の共同登壇もそのつながりから実現した。同社のアジャイル開発コンサルティング部門であった「Pivotal Labs」は、ディスカバリーとフレーミングによって課題を定義・絞り込み、その上で反復開発へ移行するプロセスを実践してきたことで知られる。両氏は、この共通言語を背景に議論を展開した。

アトラシアン株式会社 エグゼクティブ プロダクトマーケティング ストラテジスト 渡辺隆氏
アトラシアン株式会社 エグゼクティブ プロダクトマーケティング ストラテジスト 渡辺隆氏

ディスカバリーの「どこで」を問う。戦略との整合が先決

 そもそも「プロダクトディスカバリー」とは何か。小俣氏はこれを、リスクヘッジとしての活動であると定義する。

 「ものづくりにおける大きな意思決定に対し、多大な技術的・人的リソースを投下する前にどれだけ自信を持てるか。アイデアの発見にとどまらず、『解く価値があるか』の検証まで含む活動だと言えます」

 しかし、漫然と取り組むだけでは効果は薄い。そこで小俣氏は、ジョーシス独自の枠組みとして2つの軸を紹介した。

 第1の軸は「開発の目的」だ。SMPのようにカテゴリーを形成しながら成長している段階では、顧客が正解を見つけられていないケースが多い。技術的な未来やプロダクトビジョンから駆動して作るもの(カテゴリービルダー)と、既存顧客のフィードバックを起点に改善・拡張するもの(Go-To-Market起点)とでは、ディスカバリーの性質が根本的に異なるため、同じ枠組みでは語れないのだ。

 第2の軸は「誰に作るか」である。ペルソナとして「IT部門」と「MSP」、セグメントとして「SMB」と「エンタープライズ」を区分する。これら4つの象限のどこを対象にディスカバリーを行うのか、活動の設計図として先に定めておく必要がある。

Josysが実践するディスカバリーの枠組み。「開発の目的」と「誰に作るか」の2軸が活動全体の設計図となる
Josysが実践するディスカバリーの枠組み。「開発の目的」と「誰に作るか」の2軸が活動全体の設計図となる

 重要なのは、この優先度をプロダクトチームだけで決めないことだ。渡辺氏が「CEOなど経営層も交えて優先度を判断すべき」と整理すると、小俣氏もこれに同意し、「全社的なビジネス戦略と整合した形で優先度を決めていくべき」と応じた。特定のターゲットに絞り込むというよりは、GTM担当者や経営層との対話を通じて、優先度を継続的に定めていくのが小俣氏のスタンスだ。

 Josysでは代表の松本恭攝氏も議論に積極的に関与するという。「松本が活発に議論に入ってくれるおかげで、幅広いインプットのもと重要な方向性を定めやすい」と小俣氏は語る。もっとも、社長の「鶴の一声」で決まるわけではない。ステークホルダーとの対話と判断軸の両立、その設計こそがJosys流のディスカバリーを支えている。

 これに対し渡辺氏は、アトラシアンの事例を引き合いに出した。プロジェクト管理ツールの「Jira」は誕生から20年を超えたプロダクトだが、今なお新たなニーズへの対応が求められている。新サービスを生み出す軸と、既存サービスを改善する軸、さらにSMBか大企業かという軸。アトラシアン自身もビジネスゴールからプロダクト戦略を立てた上でディスカバリーを行い、デリバリーへとつなげているという。

アトラシアンのプロダクト開発の流れ
アトラシアンのプロダクト開発の流れ

優先順位付けの盲点をどう回避するか。「機能」ではなく「課題」を起点に

 セッション中盤、渡辺氏はプロダクトマネージャーが陥りがちな3つの課題として、「ストーリー作成においてPMがボトルネックになってしまう」「アイデアの優先順位のつけ方」「ロードマップの作成と管理」を提示した。会場への問いかけで多く手が挙がったのは後者2つだ。それぞれの課題について、小俣氏の実践が語られた。

 優先順位付けについてまず指摘されたのは、議論の「土俵」の問題だ。小俣氏は「社内ステークホルダーとの会話は、機能やアウトプットの話に陥りがちです。そのほうが会話がしやすいからですが、機能単位だと合意は取りやすい反面、より本質的な『ユーザー課題』の議論が後回しになってしまいます」と指摘する。

 ユーザー課題はソリューションよりも上流にあるため、その優先順位を議論できる素地を作ることが重要だと小俣氏は強調する。インパクトの大きな意思決定ほど、課題起点の優先順位付けが問われるからだ。

 その素地を作るために実践しているのが、ペルソナごとに「満たせているニーズ」と「満たせていないニーズ」を整理するアプローチだ。必ずしも精緻な分析である必要はない。これを対話のベースとして持つことが、機能レベルの会話を課題レベルの議論へと引き上げる起点となる。

 また、ロードマップは2段階で区切るという。まずはリサーチやインタビューを通じて課題の解像度を上げる。「このポイントが重要だ」という前提が固まってはじめて、エンジニアとのタイムラインについて議論を開始する。最も重要な課題を踏まえ、実現できる範囲でミニマムなソリューションを絞り込むのが小俣氏の基本スタンスだ。課題の確からしさを積み上げてから実装規模の議論に入ることで、手戻りのリスクを最小限に抑えられる。

 実装段階に入ってからもスモールに進む。「ユーザーにとって一番重要なポイントを選び、まずはミニマムなものを作って出し、フィードバックをもとに進めていこうというカルチャーが幸いにしてあります」と小俣氏は語る。出発点を機能ではなく課題に置き、小さく始めて確かめながら前進する。ディスカバリーをいかに設計するかが、開発全体の質を左右するといえるだろう。

AIとコーディングエージェントがプロダクトマネージャーの仕事を変える

 セッション終盤、話題は「AI時代におけるプロダクトマネージャー」へと移った。開発やデザインの領域でAIツールが急速に浸透する一方、プロダクトマネージャーにおけるAI活用はどうあるべきか。渡辺氏がその問いを投げかけた。

 「プロダクトマネージャーの仕事の半分は、言語処理的なものだったと思うんですよね。多様なステークホルダーの意見を集約し、テキストとしてアウトプットする。これはAIが非常に得意とする領域です」(小俣氏)

 その実感は急激に強まっているという。ユーザーインタビューの文字起こしをAIに読み込ませれば、要約は瞬時に完成する。「言語処理的な意味合いでのプロダクトマネージャーの仕事は、AIに取られてしまった感覚が強くあります」と小俣氏は明かす。しかし、AIに言語処理を委ねる割り切りこそが、プロダクトマネージャーの時間を解放することにもつながる。

 では、浮いたリソースをどこに向けるのか。小俣氏が「大きい」と語るのが、コーディングエージェントの活用だ。プロトタイピングをより高度に行える環境がこの半年で整いつつあり、「そこがプロダクトマネージャーとしての大きなチャンスになる」と語る。

 実際に試みているのは次のような手順だ。コーディングエージェントにGitHubでブランチを作成させて変更コードを書かせ、そのままVercel(Webアプリケーションの公開・運用プラットフォーム)の環境にデプロイする。そして、実際に動くアプリとしてステークホルダーやユーザーに触ってもらうのだ。「どんどん枝分かれを作っていって、最終的にメインに入れるかどうかを判断すればいい。その分岐をAIの力で量産していけばいいと思っています」

 ただし、これはプロダクトマネージャー単独では成立しない。プロダクトマネージャーが自由にコードベースにアクセスできる体制を、組織として整えることが鍵となる。「言語処理的なタスクはAIに任せ、コーディングエージェントの出力を活用していく。その方向性と、それを支援する組織的な基盤を作ることが、マネジメントと組織開発の観点から非常に重要になっています」と小俣氏は述べた。

 AI活用やコーディングエージェントによるプロトタイピングが進み、プロダクトマネージャーの業務が高度化する中では、アイデア管理や優先順位付けを支える「基盤」も重要になる。

 セッションの締めくくりに、渡辺氏はそのソリューションとして「Jira Product Discovery」を紹介した。アイデアの一元管理から優先順位付け、ロードマップ作成、そしてJiraバックログとのシームレスな連携まで、プロダクトマネージャーが直面する課題に応えるツールだ。

アトラシアンが提供するJira Product Discovery。アイデア管理・優先順位付け・ロードマップ作成をJiraのバックログとシームレスに連携できる
アトラシアンが提供するJira Product Discovery。アイデア管理・優先順位付け・ロードマップ作成をJiraのバックログとシームレスに連携できる

 「声の大きい人」の意見ではなく、データをもとに意思決定できるツールとして、渡辺氏はJira Product Discoveryを推奨する。「メールアドレスの登録だけで利用開始できるので、ぜひ試していただければと思います」と会場に呼びかけ、セッションを締めくくった。

アトラシアンからのお知らせ

 本セッションでご紹介したサービスにご興味を持たれた方は、ぜひ公式サイトをご覧ください。

 また、今回紹介したアトラシアン流のプロダクトディスカバリー手法を詳細に解説したハンドブックを無料でダウンロードいただけます。プロダクトマネジメントのスキルを一歩高めたい方はぜひご覧ください。

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提供:アトラシアン株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://productzine.jp/article/detail/4128 2026/03/27 12:00

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