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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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加速する「リサーチのインハウス化」 等身大で顧客を捉えるプロダクト開発の秘訣

過去5年で2倍超 活況のデプスインタビューと「リサーチのインハウス化」加速の背景

加速する「リサーチのインハウス化」 等身大で顧客を捉えるプロダクト開発の秘訣 第1回

 プロダクト開発は不確実性の高い挑戦です。成功率を高めるにはどうするべきか? 解決の糸口の一つとしてデプスインタビューを中心とした定性調査の利用が活況です。本連載では、セルフ型のインタビュープラットフォーム「ユニーリサーチ」を運営するプロダクトフォース代表の浜岡が、マーケティングリサーチ・UXリサーチの最新トレンドと、スタートアップ・大企業各社で進む「リサーチのインハウス化」トレンドを事例を交えお伝えします。筆者の浜岡自身はリサーチの事業を開発・運営する立場でありながら、同時にプロダクトオーナーとして4度のプロダクトのピボットを経験し、「顧客の声」の重要性を痛感した経験を持ちます。プロダクトオーナーならではのリアルな目線で、等身大で顧客を捉えるプロダクト開発に迫ります。

デプスインタビューが過去5年で2倍超成長 グループインタビューにかわり定性調査の主流に

 まずは数字でトレンドの変化を見ていきましょう。日本マーケティングリサーチ協会(以下、JMRA)の調査(※1)によれば、国内のマーケティングリサーチの市場規模は2022年と2017年では120%成長です。内訳を見ると伸び率をけん引するのは定性調査で152%成長。さらにその中でもデプスインタビューは225%成長と過去5年で2倍以上の成長を記録しており、金額ベースでも2017年の89億円から2022年は201億円と急増しています。従来、定性調査といえばグループインタビューが主流とされてきましたが、近年はデプスインタビューが主役にと、逆転現象が起きています

 デプスインタビュー急伸の前提には社会全体のオンライン・デジタル化があります

 グループインタビューが主流だったオフラインの時代において、デプスインタビューはいわば「ぜいたく品」でした。例えば、会場に5人の方にお越しいただくとした場合、グループインタビューならモデレーターの稼働が一度で済むところ、デプスインタビューでは単純計算で5倍の稼働コストと時間がかかります。グループインタビューはコスパよく多人数に聞ける手段として人気でした。

 しかし、コロナ禍を経てリモート会議が浸透する中、定性調査も会場ではなくオンライン実施が当たり前となりました。すると、参加者同士のシナジーが醍醐味であったグループインタビューは、表情や雰囲気を共有しにくいオンライン環境ではそのメリットを活かしきれず、実施可能なシーンが限定される手法となってしまいました。

 業種業界により、引き続きグループインタビューが有効であるケースは現在も多くあります。しかし「定性調査といえばグループインタビュー」というリサーチ業界の常識には変化が起きているようです。JMRAの調査でもデプスインタビューは71.1%がオンラインで実施されているのに対し、グループインタビューは52.4%となっています。

(※1)一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会 経営業務実態調査より筆者が独自に推計。

次のページ
多様化と差別化の時代、顧客を等身大で理解する定性調査が需要増

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この記事の著者

浜岡 宏樹(株式会社プロダクトフォース)(ハマオカ ヒロキ)

筑波大学心理学部卒業。新卒で株式会社LIFULLに勤務。法人営業に従事し年間トップセールスを受賞後、社長補佐として複数のプロジェクトマネジメントを経験。 社内新規事業としてインタビュープラットフォーム「ユニーリサーチ」を起案した後、2023年に創業した株式会社プロダクトフォースに同事業をスピンアウト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/2708 2024/07/18 11:00

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