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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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加速する「リサーチのインハウス化」 等身大で顧客を捉えるプロダクト開発の秘訣

社内受託ではいけない、“チームの最大火力を引き出す”スマートバンクのUXリサーチャーの役割とは

加速する「リサーチのインハウス化」 等身大で顧客を捉えるプロダクト開発の秘訣 第2回

 プロダクト開発は不確実性の高い挑戦です。成功率を高めるにはどうするべきか? 解決の糸口の一つとしてデプスインタビューを中心とした定性調査の利用が活況です。本連載では、セルフ型のインタビュープラットフォーム「ユニーリサーチ」を運営するプロダクトフォース代表の浜岡が、マーケティングリサーチ・UXリサーチの最新トレンドと、スタートアップ・大企業各社で進む「リサーチのインハウス化」トレンドを事例を交えお伝えします。今回は、スタートアップとして早期からUXリサーチ特化の組織を設置されているスマートバンクのUXリサーチャー瀧本はろか氏にお話を伺いました。

はじめに

 前回の記事では「リサーチのインハウス化」が進む背景についてご紹介しましたが、ここからはその実態に迫るべく、実際にインハウスで活躍するUXリサーチャーへのインタビューをお届けします。

 今回は、家計簿とプリペイドカードが一体となったサービス 「B/43(ビーヨンサン)」を手掛ける株式会社スマートバンクのUXリサーチ組織に注目します。スマートバンクは日本初のフリマアプリ「フリル(現楽天ラクマ)」を生み出した堀井氏が創業したスタートアップ。「人が本当に欲しかったものをつくる」というパーパスを掲げる同社ですが、スタートアップ企業としては珍しく、プロダクトリリースから間もない2022年にリサーチ組織を立ち上げています。「創業時から根付く『N1インタビュー文化』を育てていきたい」と語るUXリサーチャー 瀧本はろか氏にお話を伺いました。

瀧本 はろか氏

株式会社スマートバンク UXリサーチ部 部長 UXリサーチャー。

新規事業のUXリサーチやリサーチ組織立ち上げ、リサーチャー育成に携わった後、2022年4月より株式会社スマートバンクに1人目のUXリサーチャーとして入社。N1インタビューの文化を受け継ぎ、年間100件を超えるインタビューを担当。メンバー全員が「Think N1」を身近に感じられるような働きや経営・事業に伴走するリサーチを推進。著書に『UXリサーチの活かし方 ユーザー視点を意思決定につなげるためにできること』(翔泳社、今秋出版予定)。

リサーチチーム立ち上げの背景にある「N1インタビュー文化」

──浜岡(以下省略):瀧本さんは、リサーチチームの立ち上げメンバーとしてご入社されていますよね。「リサーチのインハウス化」の流れは加速しているとはいえ、スタートアップがUXリサーチ特化の組織を置くのは珍しいことではないかと思います。その背景には、どういったことがあるのでしょうか?

 瀧本はろか氏(以下省略):創業時から根付く「N1インタビュー文化」が大きいと思います。私自身もその文化に惹かれて入社した1人です。

 当社では「人々が本当に欲しかったものをつくる」をパーパスに掲げています。ユーザーとその生活背景を深く理解するために、多くのインタビューを行い、実際にその声を起点にプロダクトを生み出してきました。

 メインプロダクトである家計簿プリカ「B/43」は創業者たちがN1インタビューを重ねる中で「誰もが日々お金を使っているのに、ほとんどの人が使ったお金を正しく把握できていない」という課題を発見したことがきっかけで誕生しました。また、「B/43」は3タイプのカードを提供していますが、中でも夫婦や同棲カップルのための「B/43ペアカード」が特に成長しています。「B/43ペアカード」もお問い合わせやインタビューで寄せられた声をもとに、既存のロードマップを変更してまで最優先で開発が進められたプロダクトです。

Visaプリペイドカードと家計簿アプリがセットになった家計管理サービス
Visaプリペイドカードと家計簿アプリがセットになった家計管理サービス

 UXリサーチャーは、そんな創業者たちの「ユーザーの生の声を理解したい」という熱量が具体的な形となった職種だと思います。

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リサーチャーが引き出す、チームの最大火力

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この記事の著者

浜岡 宏樹(株式会社プロダクトフォース)(ハマオカ ヒロキ)

筑波大学心理学部卒業。新卒で株式会社LIFULLに勤務。法人営業に従事し年間トップセールスを受賞後、社長補佐として複数のプロジェクトマネジメントを経験。 社内新規事業としてインタビュープラットフォーム「ユニーリサーチ」を起案した後、2023年に創業した株式会社プロダクトフォースに同事業をスピンアウト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/2827 2024/09/23 11:00

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