LT4:PMにとってスキルより大事なもの
- 発表者:株式会社dinii 村上隆史氏
- 発表スライド
概要
本セッションでは、PMにとって最も重要なものは技術的スキルではなく、「プロダクトへの愛」であるという視点が共有されました。PMが陥りがちな罠と、それを克服するための具体的な行動指針が示されました。
しくじりの内容と背景
PMとして経験を積む中で、以下のような問題に直面することがあります。
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プロダクトの数字を把握していない
- KPIやその他の重要な指標に即座に答えられず、データに基づいた意思決定ができない状況。
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ユーザーのリアルな体験を理解していない
- 実際のユーザーの声を聞いたり、自らプロダクトを使用したりする機会が少なく、ユーザーの真のニーズを把握できていない状況。
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細部まで考え抜けていない
- 通知のタイミングや画面デザインなど、ユーザー体験に直結する細かい部分までしっかりと考慮できていない状況。
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意思決定を他人に委ねてしまう
- 自信がない、あるいは責任を取りたくないという理由で、重要な決定を他の人に丸投げしてしまう状況。
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品質管理(QA)を他人任せにしている
- 自分で確認せず、QAチームにすべて任せてしまうことで、重要な問題を見逃してしまう可能性。
これらの問題は、プロダクトへの愛情や責任感の不足から生じることが多く、結果としてプロダクトの質や成長に悪影響を及ぼします。
学びと対策
これらの課題を克服するため、以下のような行動指針が提案されました。
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データを常に確認する習慣をつける
- 毎日のKPI確認を習慣化する
- データダッシュボードを作成し、チーム全体で共有する
- 重要な指標は暗記し、いつでも答えられるようにする
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ユーザーとの接点を増やす
- 定期的にユーザーインタビューを実施する
- 自らプロダクトを使用し、ユーザー体験を理解する
- カスタマーサポートチームと密に連携し、ユーザーの声を直接聞く
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細部まで考え抜く
- ユーザーストーリーを詳細に描き、さまざまなケースを想定する
- プロトタイプを作成し、実際の使用感を確認する
- チーム内でのレビューを徹底し、多角的な視点を取り入れる
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自ら意思決定する勇気を持つ
- 決断に必要な情報を収集し、分析する
- 決定の理由と期待される結果を明確に説明できるようにする
- 失敗を恐れず、素早く学習するマインドセットを持つ
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品質に対する責任を持つ
- リリース前の最終確認は自ら行う
- QAプロセスに積極的に参加し、テスト計画の策定にも関わる
- バグや問題が発生した際は、根本原因の分析と再発防止策の策定に関与する
これらの行動を実践することで、プロダクトへの愛情と責任感が醸成され、結果としてプロダクトの質と成長につながります。「プロダクトはわが子」という心構えで接することで、細部まで気を配り、ユーザーにとって最高の体験を提供できます。
PMにとって、技術的スキルも重要ですが、それ以上にプロダクトへの深い愛情と責任感が求められます。これらがあってこそ、チームを導き、優れたプロダクトを生み出すことができるのです。
総括
本LTでは、PMにとって、KPIの把握やユーザー体験の理解など、プロダクトに対する深い関与が重要であることが示されました。日々のデータ確認、定期的なユーザーインタビュー、QAプロセスへの参加など、具体的な行動が提案されました。これらの実践が、プロダクトの質と成長につながることが強調されています。