- ProductZine Day 2025:S-2セッション「サイバーセキュリティの市場でプラットフォームを作る。Assuredのプロダクトディスカバリー」
自社のインサイトの深掘りから生まれた、セキュリティ評価プラットフォーム「Assured」
即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」などを傘下にもつVisionalグループの一員、株式会社アシュアード。同社が提供するセキュリティ評価プラットフォーム「Assured」は、クラウドサービスのセキュリティ評価情報の提供によって、企業の安全なクラウド活用を支えるサービスだ。クラウドサービスを利用したい企業からの調査依頼を受けて、セキュリティ資格を持つ同社の専門チームが調査を行い、その情報を依頼企業に提供するだけでなく、Assured内にクラウドサービスの評価データベースとして蓄積し、その情報を共有することから「プラットフォームサービス」として機能している。
一部クラウドサービス事業者向けの有償機能もあるが、基本的にはクラウドサービスの利用者側からの調査費が事業の主軸だ。またクラウドサービスのセキュリティ評価プラットフォームを基盤として、サービスの管理台帳機能や利用中のクラウドサービスの検知機能など、企業のセキュリティ評価に関する業務フロー支援機能も有する。リリースして約3年で、150以上の金融機関をはじめ、大手企業を中心とする1000社以上の企業に導入されるまでに成長した。

今後も拡大が期待される同サービスだが、そもそもセキュリティ評価というサービスは他に類似がない。いったいどのようにしてサービス提供が始まったのか。Visionalグループの新規事業として立ち上がったきっかけについて、鈴木氏は「自社のインサイトが起点となった」と説明する。
「ビズリーチを運営しているクラウドサービス事業者として、契約企業から送られてくる大量のセキュリティチェックシートに回答する必要があった。しかし、それぞれフォーマットが異なるため、専任者が手作業で属人的な対応を行う必要があり、煩雑さが課題となっていた。一方で、クラウドサービスのユーザーでもあり、セキュリティチェックを依頼する側の事情も理解していた」

ユーザーと事業者の担当者間で評価基準を合わせ、フォーマットをメンテナンスしながら適切な評価を実施していくのは相当の手間がかかる。とはいえ、ユーザー企業ごとにチェックシートが異なり、事業者側の努力だけでは解決しがたい課題だった。
長年の慣習であったExcelでやり取りするという根本的な仕組みは変えられず、個別最適・部分最適にとどまる恐れがあった。そこで、Assuredがクラウド事業者とユーザーの両者の間に立ち、一元的な評価を提供するプラットフォームになることを構想したと言う。
鈴木氏は、「業界全体の課題として捉えることで、より大きな価値提供を考える必要が生まれる。この判断が、成長に貪欲な事業を作る礎になった」と語る。
