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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

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ファインディのコミュニティイベント「PM Hub」レポート

生成AIプロダクトで追求するUX設計──「納得と行動」を生む3つの実践知

ファインディのコミュニティイベント「PM Hub」レポート 第10回

 ITエンジニア向けに開発生産性の向上やキャリア支援のサービスを提供しているファインディは、近頃プロダクトマネージャ―の支援にも力を入れており、対面での交流を中心にしたコミュニティ活動なども行っている。本稿では、「生成AIプロダクトで追求した体験設計と乗り越えた壁」をテーマに実施された回の様子をお届けする。(編集部)

はじめに──生成AI時代に問われる、UX再設計のリアリティ

 ファインディが主催するプロダクトマネージャー向けコミュニティイベント「PM Hub」では、現場での実践知を共有するLTイベント「PM LT Night」を定期的に開催している。2025年2月26日に行われた本イベントでは、「生成AIプロダクトで追求した体験設計と乗り越えた壁」をテーマに、3名の登壇者がプロダクトにおけるUXの課題やその打ち手について紹介した。登壇者たちは、AIの導入が単なる技術的なトレンドではなく、プロダクト体験の設計思想そのものに影響を与えると口を揃える。本レポートでは「UXの再定義」「期待値マネジメント」「行動変容支援」といった観点を軸に、各発表の内容を紹介する。

編注

 本記事では、「PM」はプロダクトマネージャーを指します。記事中の各位の所属および役職は、イベント開催時点(2025年2月26日)のものです。

LT1:誰もがAIエージェントを「操作」したがる 〜AIエージェントに求められるUX〜

 当日は、株式会社Algomatic ネオセールスカンパニーCPOの池谷翔太氏の代役として、同社カンパニーCXOを務める國光俊樹氏が登壇。営業AIエージェントのUX設計に向き合う中で、ユーザーが抱える「操作したい欲求」にどう対処してきたかを語りました。

ユーザーが抱える「操作したい」という要求にどう向き合うか

 営業AIエージェント「アポドリ」を提供するAlgomaticでは、リリース当初から「デモのUI画面を見たい」「操作イメージや使い勝手を知りたい」といった声が多く寄せられました。自律的に動くことが価値であるはずのAIエージェントに対して、従来のSaaSツールと同じ「操作できるUI」が期待されていたのです。

 この背景には、現時点では多くのユーザーにとって、AIエージェントに対する知識や理解がまだ十分に形成できていないことが要因としてあります。國光氏は、AIエージェントの思考やアクションの過程が見えにくいことで、「本当に任せて大丈夫なのか」という漠然とした不安感が操作欲求として現れているのではと分析します。

 その中で、お客様のメンタルモデルやマーケティングの認知フェーズから、AIエージェントに対する正しい認識や想起を獲得する必要があると言います。

透明性と比較軸を示し、不安と誤解を「信頼」に変える

 そのために、AIエージェントの価値を示す際には、人との比較を明示し、「操作要らず」「営業人員を採用する代わりに大量の営業活動を高品質に行い続けてくれる」という価値の位置づけを伝えました。これによって、「画面がないから不安」という声は次第に「AIに任せてどういう成果が出るのか検証したい」「営業の勝ちパターンをAIエージェントと一緒に作れそう」という反応に変わっていったといいます。

総括

 AIエージェントサービスにおけるUX設計では、「信頼できること」「任せられること」が不可欠です。國光氏の発表は、AIエージェントとユーザーの間に安心感を生み出すための具体的なアプローチを提示していました。

次のページ
LT2:ユーザーは本当に「AI」を求めている? toCプロダクトにおける生成AI体験づくり事例

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この記事の著者

ファインディ株式会社 プロダクトマネジメント室(ファインディカブシキガイシャ)

プロダクトマネージャー向けのイベントを開催しているコミュニティです。各社のプロダクトマネジメントに関する取り組み事例や成功事例をLTやパネルディスカッションを通じて共有し、またプロダクトマネージャー同士の懇親の場を設け、それぞれが取り組んでいる課題やベストプラクティスについて話し合い、社内に閉じがち...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/3527 2025/06/30 11:00

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