はじめに──プロダクトの成果を最大化するためには、「施策の効果検証」と「学びを次に活かす振り返り」が欠かせない
ファインディが主催するプロダクトマネージャー向けコミュニティイベント「PM Hub」では、現場での実践知を共有するLTイベント「PM LT Night」を定期的に開催している。2025年1月28日に開催された「PM LT Night」では、セーフィー、ファインディ、独立PMの3名が登壇し、それぞれの現場で取り組んだKPI設計、仮説検証、そしてAI時代のPMの役割について実践知を共有した。
今回はその模様を、各登壇の要点とともにレポートする。
編注
本記事では、「PM」はプロダクトマネージャーを指します。また、記事中の各位の所属および役職は、イベント開催時点(2025年1月28日)のものです。
LT1:「施策の効果はKPI設計で決まる──ゴールから逆算する行動デザイン」
最初に登壇したのは、セーフィー株式会社でPMを務める佐藤文愛氏です。CS(カスタマーサポート)と連携し立ち上げた、「問い合わせ削減プロジェクト」の取り組みを紹介しました。
KPIは「人の行動」から逆算する
佐藤氏が強調したのは、プロダクトが成し遂げたい世界観から逆算して「誰に」「どんな行動を取ってほしいか」を定義する重要性です。そこで伝えたのは、理想の行動を逆算してKPIツリーを設計し、ユーザーの行動フローを細かく可視化し改善したエピソードでした。

AIによるログ分析と可視化ダッシュボード
その中で伝えたのは、解決したい課題からKPIを分解しスコープを決めたのち、さらに細かなKPIを決めて計測していくステップです。

プロジェクトの後半では、AWS BedrockとRAG構成のChat APIを活用し、問い合わせログの分類・定量化を自動化し、効果測定の精度とスピードを一気に高めました。また、誰でも見やすく使いやすいダッシュボード設計にも注力し、施策検討のベースとなる可視化を実現しています。
総括
佐藤氏の発表は「行動ベースのKPI設計」から「生成AIを活用した計測」までを網羅する、非常に実践的なセッションでした。「計測手段は後から考えてよい」というスタンスも、多くのPMが悩む「施策前の効果検証設計」にも一石を投じる内容でした。