自身の限界を越える「Beyond」体験と、AI時代に求められるリテラシー
専門家組織のマネジメントにおいて、事業課題の提示や目標設定といった共通スキルはプロダクトマネージャーの経験が大いに活きる。一方で、技術の目利きやメンバーの育成といった専門性が問われる領域は、チーム内のシニアメンバーに委ねるべきである。
ただし、プロダクトマネージャー自身にも最低限のリテラシーは不可欠だと山口氏は強調する。
「『知ろうとすること』『手を動かして学ぶこと』が大事。そこからの『これは分からん!』がリテラシーの基本です。『私は手を動かすつもりはないので全部教えてよ』という姿勢では、信頼は得られません」
自らAIツールに触れ、何が難しく何がすごいのかを肌で感じることで、専門家との建設的な対話が可能になる。
「定期的に『本当はここが技術的に解決できたら、やれることがたくさんあるのです』という会話をすることによって、自分の認識の限界を正しく越える(Beyondする)ことができたと感じています」と同氏は振り返る(※デブサミ2026としてのテーマは「Beyond the Code」だった)。
最後に山口氏は、プロダクトマネージャーへのエールとして次のように締めくくった。
「業務に慣れてくると、『いつものパターン』『おなじみの選択肢』に留まってしまいがちです。しかし、それに留まらずに、専門家の力を使って価値を出し続ける『Beyond』にも取り組んでいくことで、新しい価値が生まれます。AIを使えば誰でも何でも作れる時代だからこそ、突き抜けた専門性を頼ることがきっと武器になるのではないでしょうか」
本セッションのアンケートでも「自身の知識だけでできないと結論付けてはいけないことを、改めて認識するきっかけとなった」という声が多く寄せられた。プロダクトマネージャーが自らの「技術的にできません」という思い込みの壁を越え、専門家との結節点として機能したとき、プロダクトはこれまでにない飛躍的な成長を遂げるはずだ。
