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Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

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ラクスが描くAI時代のプロダクトマネジメント戦略

顧客志向とAIの融合 ~ジョブ理論で導く「本当に必要な機能」の見極め方~

ラクスが描くAI時代のプロダクトマネジメント戦略 第5回

3. 本当に必要な機能は何か

 従来のプロダクト開発では、機能の豊富さや技術的な優位性が競争力の源泉とされてきました。しかし、「ジョブ理論」で重要なのは、顧客が達成したいことをどれだけ実現できているかです。

 顧客が求めているのは、機能そのものではなく、以下の3つの価値です。

  • 作業を効率化したい(機能的価値)
  • 不安を減らしたい(情緒的価値)
  • 周囲に評価されたい(社会的価値)

 本当に必要な機能とは、これら複数の価値を、特定の状況の中で満たせるものです。

 では、どのようにして本当に必要な機能を見極めればよいのでしょうか。実務で有効なプロセスを整理します。

① 要望を「課題」に翻訳する

 顧客の要望をそのまま受け取るのではなく、「なぜ必要か」を深掘りします。

  • 業務フローはどうなっているか
  • どの場面で困っているか
  • 代替手段はあるか

 この段階で「片付けるべき仕事(ジョブ)」を特定できるかどうかが、その後の意思決定の質を大きく左右します。

② 顧客価値と事業価値を両立させる

 次に、「顧客にとっての価値」と「事業としての価値」を整理します。

  • 顧客満足度は向上するか
  • 売上や解約防止に寄与するか
  • 他の顧客にも波及するか

 顧客価値だけでなく、事業として継続可能かという視点を持つことが重要です。

③ 「やる/やらない」を決める

 最後に意思決定を行います。

  • 顧客へ便益を提供できるか
  • ビジネス成果につながるか
  • 影響範囲はどれくらいか
  • 今やるべき優先度か

 すべてを実装するのではなく、やらないことを選ぶことがプロダクトの方向性を守ります。

4. AI時代の顧客志向

 AIの進化により、機能を作ること自体のハードルは大きく下がりました。これまで数週間かかっていた開発が、数日で実現できる場面も増えています。一方で、技術的に可能なことが増えたからこそ、「何を作るべきか」という問いの重要性はむしろ高まっています。

 重要なのは、要望をそのまま受け止めるのではなく本質的な課題を見ること、顧客価値と事業価値を両立すること、そしてやらないことを決めることです。最終的な判断基準となるのは、「本当に顧客へ便益を提供できるか」という問いです。顧客志向とは、一度定義して終わるものではなく、日々の意思決定の中で問い続ける姿勢そのものなのです。

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この記事の著者

紀井 美里(株式会社ラクス)(キイ ミサト)

 新卒エンジニアとしてラクスに入社し、「楽楽精算」の開発に約10年携わる。フルサイクルエンジニアとして設計・開発・運用を経験し、ベトナム子会社立ち上げ時にはブリッジSEとして海外開発をリード。その後、国内開発のチームリーダーを経て、2022年にプロダクトマネージャーへ転身。 インボイス制度対応では、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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