プロダクトマネジメントツール「Flyle」を提供するフライルは、ALL STAR SAAS FUNDをリード投資家に、UB Ventures(既存投資家)、Tablyから、プレシリーズAラウンドとして3億円の資金調達を実施したことを7月12日に発表した。資金用途として、複雑なプロダクトマネジメント業務をワンストップで解決するソフトウェアを開発・提供すべく、プロダクト開発速度を大幅に向上させる。
プロダクトマネージャーの需要は、ここ数年で急速に高まり、人気職種としての地位を不動にしている。米国では、実際にプロダクトマネージャーを採用する企業が増えており、その流れを受けて国内でも顧客ニーズに基づき最適な製品をつくるプロダクトマネージャーを採用する企業が増えてきた。一方で、国内においてプロダクトマネージャーは職種としての歴史が浅く、「開発サイドよりも営業サイドが強く、開発サイドに顧客情報が届きづらい」「プロダクトマネジメント業務は多岐に渡り、属人的で標準化しづらい」「経験あるプロダクトマネージャーが慢性的に不足」といった課題がある。
プロダクトマネジメントソフトウェア領域は、バリューチェーンの両側の市場が大きく伸びており、米国、チェコ、イスラエルなど、各国から有力な企業が誕生している。フライルは、将来的な英語圏展開も視野に入れ、プロダクト開発速度を大きく早めるべく今回の資金調達の実施に至った。
「Flyle」は、製品フィードバック・失注理由・解約理由など、多様な経路のデータを集約・一元化し、集めたデータをもとに、機能開発の優先度づけ・ロードマップでの共有を可能にするクラウドサービス。
「Flyle」の特徴的な機能は以下の5つ。
- ロードマップ共有:OKRや担当毎の開発ロードマップを、開発背景とともに共有
- フィードバック管理:Slackなどに散らばる顧客フィードバックとCRMなどのセグメント情報を統合し、ユーザーの本質的なニーズを見極めることが可能
- ソリューション管理・企画:重要な顧客の要望や営業の失注理由を参照しながら、顧客課題に刺さる機能を企画
- 開発優先度づけ:影響度・収益インパクトなど優先度付けのロジックを設計し、コンセンサスを取りやすくする
- 開発チーム連携:機能開発の背景の認識の差分・開発バックログとの差分をなくす
フライルは今後、フィードバック収集・分析・仮説検証などの「自動化」系の機能を大きく強化すると同時に、ロードマップを軸としたアラインメントを強化する機能開発に大きく投資していく。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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