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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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「いまさら聴いても遅い!」とならないためのユーザーリサーチのタイミングとコツ ~プロダクト開発 初期~

顧客課題とソリューション探索/検証のための「プロトタイプ」とは?

「いまさら聴いても遅い!」とならないためのユーザーリサーチのタイミングとコツ ~プロダクト開発 初期~ 第5回

 今回は、プロダクト開発初期段階の「プロトタイプ」と「インタビュー調査」の関係がテーマです。CPF、PSFフェーズのプロトタイプは、ワイヤーフレームやモック、模型といったカタチになったものとは限りません。仮説の探索や検証において、チームの意識をあわせるもの、インタビュー対象者にアイデアを伝えるもの、という意味合いが強くなります。その視点で、プロトタイプ制作において何がポイントとなるのか、私たちのサービス「DSR(デザインスプリントリサーチ)」を例にお伝えします。

図1 プロダクト開発の4つのフェーズと主要プロセス(クリックかタップで拡大表示されます)
図1 プロダクト開発の4つのフェーズと主要プロセス(クリックかタップで拡大表示されます)

そもそも、プロトタイプとは何か?

 プロトタイプと一口に言っても、人によってその認識は異なるようです。「プロトタイプとは何か?」が分かりやすくまとまっている良書『失敗から学ぶ技術』(翔泳社)によると、プロトタイプの定義は数えきれないほど存在するそうで、関係者の認識あわせが難しい概念の一つだそうです。とはいえ、本書に書かれているとおり、プロトタイプとは「完成する前のモノや体験」全般を意味しており、その内容や表現の忠実度は、どのくらい完成品に近いかによって異なるものと言えるでしょう。

 私たちが、DSR(デザインスプリントリサーチ)で、仮説の探索や検証に使うプロトタイプは、大きくわけて以下の3つがあります。DSRとは、Google社のリーン開発メソッド「デザインスプリント」をベースとしたプロダクト開発手法で、顧客の課題発見~解決策の探索~プロトタイプ制作~仮説検証インタビューの一連のプロセスを、チームで短期間に回転させるプログラムです。

  1. 「顧客の課題(ペインポイント)」を探索するためのプロトタイプ
  2. 「解決策・ソリューションの仮説」を探索/検証するためのプロトタイプ
  3. 「解決策・ソリューション」の価値や機能を検証するためのプロトタイプ

 3つとも表現が似通っていて分かりにくいので、具体的にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

1:「顧客の課題(ペインポイント)」を探索するためのプロトタイプ

 プロトタイプとは「完成する前のモノや体験」のことですが、開発初期のプロトタイプをもう少し具体的に定義すると、「アイデアを人に伝えるためのツール」とも言えるのではないでしょうか。その点で、最初にプロトタイプが必要になるのは、顧客の課題(ペインポイント)を探るインタビューです。ここでは、顧客の「悩み、困りごと、ニーズ」の仮説をなるべく網羅的に表現した資料を提示することになります。

 具体的には、顧客の課題の仮説を「1~2行の説明文」にまとめ、一目で理解できるように一覧にまとめます。その際の表現方法は「ふきだしの文言」でも「図やイラストが入った紙芝居」でもよいのですが、インタビュー対象者の意見を引き出すための資料なので、あまりキレイに作り込みすぎず「ラフ」な感じが伝わるものがよいと思います。

 また、顧客の課題が複数のプロセスや階層に分かれる場合は、伝わるように整理することも大切ですが、ここに出ているアイデアがすべてではないので、整理することばかりに気をとられないようにしてください。この段階では、「ここまでのアイデアを網羅的にまとめました。まだ探索の途中なので一緒に考えましょう」というスタンスが読み手に伝わるもの、いわゆる「アイデアのたたき台」のイメージで資料化するのがよいでしょう。チーム内や、インタビュー対象者と状況を共有すること、そこからまだ捉えられていない顧客の課題を引き出すためのプロトタイプだと理解してください。

図2:顧客課題の仮説まとめ
図2:顧客課題の仮説まとめ

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2:「解決策・ソリューションの仮説」を探索/検証するためのプロトタイプ

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この記事の著者

平野 美和(株式会社ユニークルーパー)(ヒラノ ミワ)

株式会社ユニークルーパー 代表。Googleの「デザインスプリント」に精通し、プロダクト開発のリサーチを体系化する「DSR(デザインスプリントリサーチ)」を自社開発。リサーチはプロダクト開発のインプット情報と位置づけ、プロダクトマネージャーと並走するリサーチャーを自負する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/2510 2024/04/15 11:00

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