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ProductZine Day 2024 Summer

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プロダクトマネージャーとして避けては通れない「プレゼン」の実践テクニック(後編)──ノイズを除去して濃度を上げる

 前編では、プロダクト開発者にとってプレゼンテーションスキルが必須であることと、人の心をつかむプレゼンテーションには高速化が必要であることを述べました。また高速化の具体的な3つのテクニックのうち「スライドの時間的変化量を増やす」という手法を紹介しています。後編では残り2つのテクニックとよくある回答について触れていきます。

高速化テクニック② ノイズを除去する

 プレゼンテーションを高速化させるテクニックの2つ目は、ノイズを除去することです。ここでいうノイズとは、聴衆が聞きたい情報 “以外のすべて” を指します。

 プレゼンテーションの中で本筋以外の余計な情報が混ざってしまうと、聴衆にとっては同じ時間の中で取得できるコンテンツが減ってしまい、速度が遅くなってしまいます。逆にノイズの除去されたプレゼンテーションは、聴衆にとって聞きたい情報が詰まっているためテンポ良く、速く感じるようになります。

図1:ノイズの有無とプレゼンテーション速度の関係
図1:ノイズの有無とプレゼンテーション速度の関係

 ノイズと言われてもピンとこない方も多いでしょう。しかし残念なことに世の中の大半のプレゼンテーションはノイズだらけです。ここからは代表的な3つのノイズとその除去方法を解説します。

 第1のノイズは、本筋が始まる前の「自己紹介」や「会社紹介」といった発表者の自分語りパートです。これは「発表者が話したいこと」であって「聴衆が聞きたいこと」ではないため、冗長にならないよう大胆にカットしましょう。

 第2のノイズは、テンプレート的なフレーズです。例えば「本日は時間も限られているので、早速始めたいと思います」の一言がノイズそのものです。聴衆にとって取得情報がまったく増えていないのに時間だけが使われているために速度が遅くなってしまうからです。つまりこのフレーズは非常に皮肉な自己矛盾をしています。

 高速化の観点でいうと、このフレーズを除去すれば4秒短縮できます。これはプレゼン時間が5分の場合は1.3%にも相当します。限られた時間の中で速度を上げるためには、こうした秒単位の調整が必要になります。

 第3のノイズは、「あー」「えー」「まあ」といった無意識で無意味な発話です。これは誰しも習慣的に発してしまうクセですが、意識的な練習によって改善できます。例えばプロの芸人の方の話し方を観察すると、一般の人と比べて無駄なノイズが少ないことに気づくはずです。テレビや舞台など限られた時間枠の中で、自分のコンテンツを提供することに心血を注ぐと、必然的にノイズの少ない話し方になるのでしょう。

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高速化テクニック③ 薄い情報を濃くする

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この記事の著者

御守 一樹(STORES 株式会社)(オンモリ カズキ)

東京大学工学部卒業後、グリー株式会社に入社。新卒からプロダクトマネージャーとしてゲームタイトルの開発と運営に携わる。プロダクト責任者、事業責任者、複数プロダクトの統括マネジメントを担当したのち、新規事業開発として国内初の後払い決済サービスを立ち上げる。2020年、STORES 株式会社に入社。PdM...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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