事業の新ステージへの皮切りとなる「COMETA」とは
──現在のご所属と、担当されているプロダクトについて教えてください。
廣瀬智史と申します。primeNumberには約1年前に入社し、現在はプロダクトマネジメントをするチームの長である「Head of Product」を担当しています。並行して2024年5月に新しくリリースした「COMETA(コメタ)」のPMを務めています。
primeNumberは2015年に創業した、データマネジメント領域のSaaSとプロフェッショナルサービスを提供する企業です。「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」をビジョンに掲げており、企業のデータ活用にまつわる一連のプロセスにおける課題解決を目指しています。
主力のプロダクトは、2018年から提供しており、すでに1000以上の企業や組織で導入実績のある「TROCCO(トロッコ)」というサービスです。TROCCOでは、企業内に散在しているさまざまなデータを、データベース内に集約して可視化や分析を行いやすくするための各種機能を提供しています。従来であれば、導入に大きなコストがかかったり、部分的に社内のエンジニアが自作していたりするような、ETL/データ転送、データマート生成、ジョブ管理・データガバナンスのための機能を、使いやすいパッケージとして、利用規模に応じた課金体系で提供しています。また「TROCCO ACTION」と呼ばれる派生サービスでは、解析後のデータを他の外部サービスに連携するための仕組みを提供しています。
新プロダクトのCOMETAは、TROCCOなどで作成した大規模なデータセットを社内で活用する際に起こる「多数のデータセットを効率的に管理したい」「どのようなデータセットがあるのか知りたい」「適切な権限を持った人にデータセットの利用を許可したい」といったニーズに応えるサービスになっています。一般に「データカタログ」と呼ばれるジャンルのプロダクトで、企業におけるデータの発見、理解、活用を促すことがテーマになっています。
──TROCCOやCOMETAは、小規模な企業のエンジニアが自分で評価して導入するというタイプの製品なのでしょうか。それとも、御社のプロフェッショナルサービスやSIerが、大手企業のデータマネジメント基盤構築案件に組み入れて提案するようなものなのでしょうか。
どちらのパターンもあります。スタートアップや中小規模の企業ですと、自社にソフトウェアエンジニアがいて、自分たちでデータ基盤を作りたいとなった時に、調査の中で当社のプロダクトにたどり着き、セルフで導入や運用をしていくパターンが多いです。
一方、エンタープライズ規模の企業ですと、ITの導入や運用を社外のベンダーやSIerと一緒に進めるパターンが多くなります。その場合はベンダー経由でご紹介いただいて、導入に至るケースが多いです。
かつては前者の比率が大きかったのですが、近年ではエンタープライズのユーザーが徐々に増えてきています。当社では、AWSをはじめとするメガクラウドベンダーとのパートナーシップも推進しており、最近ではITパートナー経由での導入も増えている状況です。
──データマネジメント領域には、パッケージかサービスかを問わず、すでに多くの競合が存在すると思います。primeNumberのプロダクトが持つ優位性は何ですか。
データマネジメント領域は、古くから、主にエンタープライズ向けに多くのソリューションが提供されてきており、特に外資系ベンダーの製品には、日本企業でも実績のあるものが多くあります。ただ、そうした製品の大半は、エンタープライズ用途に特化しているものが多く、小規模に導入しようとすると価格帯が高かったり、機能やUIが使いにくかったりといったことも多いのです。primeNumberのサービスは、規模の小さな企業や組織でも、より気軽に使ってもらえると考えています。加えて、UIの使いやすさや日本語でのドキュメントが整理されている点など、日本企業にとって利用しやすいところも評価していただいていると思います。