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ProductZine Day 2024 Summer

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「pmconf 2024の落選セッションお披露目会」レポート

「軸を探すより、まず挑戦を」──ウト飯沼亜紀氏が説く、プロダクトマネージャーのキャリア探求

「pmconf 2024の落選セッションお披露目会」レポート

 プロダクトマネージャーという職種の認知拡大とともに、キャリアパスも多様化している。しかし若手プロダクトマネージャーの多くは、明確な道筋を描けずに悩んでいる。2025年1月19日、プロダクトマネージャーカンファレンス2024(pmconf 2024)の選考から漏れたセッションを共有するイベント「pmconf 2024の落選セッションお披露目会」が開催され、プロダクトマネージャー歴15年でウト株式会社を創業した飯沼亜紀氏が、経験者としての洞察と経営者として得た新たな視点を語った。

講演資料

プロダクトマネージャーという役割が浸透した今、シニアにとって厳しい状況に

 飯沼氏は、ソフトウェア開発企業で経営企画から新規事業のプロダクトマネージャー(以下、PM)を務めた後、アパレル、飲食、SaaS企業で多様なマネジメント経験を重ね、PMとして15年のキャリアを築いてきた。2024年10月にはウト株式会社を創業し、オペレーションとテクノロジーの両面から世の中をより良い方向へ変えることを目指している。

ウト株式会社 創業者/CEO 飯沼亜紀(いいぬま・あき)氏
ウト株式会社 創業者/CEO 飯沼亜紀(いいぬま・あき)氏

 今回のセッションのメインテーマは「プロダクトマネージャーのキャリアQUEST(クエスト)」。PMのキャリアはまるでゲームにおけるクエスト(プレイヤーが達成すべき任務やタスク)のようなものだとし、「何を装備するか、どんな経験を積むのか、誰を味方につけるのか、どう成長していくのか、そしてどんな道を進んでいくのか──これらすべてがキャリア形成において重要です」と語り、話を展開した。

 最初に取り上げたのは「老害のキャリアアドバイスに注意」という少し刺激的な話題だ。これは自分自身も含めた話だと前置きした上で、今のシニアPMたちは「PMという職業が認知される前からこの仕事をしていた」「自然とその役割を担っていた」「気づけばPMと呼ばれるようになっていた」と語ることが多いと指摘する。その背景には、キャリア形成の変化とともに、PMの役割や求められるスキルも進化している現状がある

シニアPMの体験談は若手にはマッチしにくい
シニアPMの体験談は若手にはマッチしにくい

 飯沼氏は、最近のPMをとりまく環境の変化をいくつか挙げた。まずは、プロダクトマネジメント自体の理解浸透に苦労しなくなったことが挙げられる。PMのキャリアを切り開いてきた人たちの世代は、経営者に対して「これからはプロダクトマネジメントが重要です」と説得し、ようやくチームを作り上げるといった苦労をしてきた。しかし、今では多くの企業でプロダクトマネージャーが当たり前に存在し、CPO(Chief Product Officer)を置く企業も珍しくない状況になっている。同じ傾向はアジャイル開発にも見られる。

 これは非常に良い変化だと感じる一方で、シニアPMにとっては厳しい側面もある。特に、自分の経験として「プロダクトマネジメントを導入しました」「アジャイルを取り入れました」といった実績を語る意義が薄れてしまったのだ。採用担当の立場で見ると「そのあとどんな成果を出したのか」が気になるところだ。

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若手は、視野を広げて得意分野を伸ばしていくべきだ

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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