社内に分散したデータを統合し、データ活用の民主化とアクションを後押しする「Amplitude」
──Bennettさんのご経歴を教えてください。
Amplitude(アンプリチュード)には1年半前に入社しました。前職はサイバーセキュリティの分野で日本法人の社長をしていたこともあり、東京に5年ほど住んでいました。
Amplitudeは、デジタルアナリティクス(デジタル分析)の会社ですが、サイバーセキュリティと非常に似通った部分があり、「どちらも膨大な情報を取得しながら、かつ正しい意思決定をする」という部分が共通です。
Amplitudeに入社してからの私の一番の目標は、「日本のビジネスをしっかりと立ち上げる」ということです。

──改めてAmplitudeの会社概要とプロダクトについてお聞かせください。
Amplitudeは、デジタルアナリティクスのプラットフォームを提供している会社で、グローバルで4000社を超えるお客さまを有しています。我々のビジョンは、「各企業がより良いデジタルプロダクト(以下、プロダクト)を作るご支援をさせていただく」というものです。お客さまが提供するデジタルエクスペリエンス(デジタル体験)の強化を支援しています。
世の中が進化し発展していく中で、企業が「ユーザーの行動を正しく理解すること」が徐々に難しくなってきています。というのも、ユーザー体験に関する一連の行動や感情の流れ(カスタマージャーニー)は、現在さまざまなプラットフォームにまたがって存在しているからです。例えば、何かを購入するにしても、Webページやモバイルアプリを利用することもあれば、実店舗に行く場合もあるかと思います。
Amplitudeとしては、このようにバラバラに存在しているユーザー体験をうまくつなげる役割を担っています。それにより、われわれのお客さまは、プロダクトの先にいるユーザーの方々のコミュニティにきちんとつながり、より正しいインサイト(洞察)を得られると考えています。
多くの場合、「新規ユーザーを獲得したい」「既存ユーザーを定着させたい」「収益化をしていきたい」と、さまざまな目的をもって、これらの情報に向き合っているかと思います。これらのユースケースの支援はもちろん重要ですが、それを高い業務効率で実現することも、同様に重要だと考えています。
われわれのミッションは「データ活用の民主化をお手伝いする」、つまりセルフサービスで必要な時に必要な人がデータを活用できるようにすることです。それにより、お客さまが正しいプロダクトをつくり、ビジネスを構築できるようにすることで、ユーザーに提供されれるデジタルエクスペリエンスも高められると考えています。
──デジタルアナリティクスのツールベンダーは他にもいらっしゃいますが、Amplitudeの特長や差別点があれば教えてください。
おそらく現在、アナリティクス分野の大きなトレンドとして「相互接続できるアナリティクスのプラットフォーム構築」があると思っています。
Amplitudeもプラットフォームとして提供されており、主要な機能としてデジタルアナリティクスがあって、そこでは「イベントの分析(行動分析)」が行えます。他にもさまざまな機能を追加しているので、一度データを取り込めば、そのデータを使って多種多様な用途に活用できる特長があります。
われわれのお客さまは、Amplitudeを使って「ユーザーの行動を理解しインサイトを得て、それに基づいた実験(エクスペリメント)を行い、その結果を受けてプロダクトを改善する」という活動をされています。ユーザーの行動を記録したセッションリプレイによってユーザーの行動を詳しく観察することなどもできます。
このようにプラットフォーム型としてサービスを統合し提供しているのが、競合と異なる強みだと考えています。
──以前は日本法人の社長もされていたということですが、日本企業が抱えている課題と、それに対するAmplitudeのアプローチを教えてください。
まず注目しているのが、「プロダクトの(ユーザー)コミュニティ」です。日本でも推進していきたいと思っています。すでに何度かパートナーイベントやカスタマーイベントを開催させていただきましたが、そこでは、NTTドコモなど、実際のお客さまの活用事例を積極的に共有させていただきました。
日本では、ステークホルダーが多く、それぞれが分散・細分化されているという構造的な課題があります。そのため、個別に対応していると調整に時間がかかり、結果としてコストも膨らみやすくなります。
加えて、このような分断はデータ面にも表れており、例えば部門ごとに異なるデータをもとに意思決定が行われていたり、分析された情報が全体の流れとして共有・活用されていなかったり、といったケースも見受けられます。
こうした状況を踏まえ、私たちはパートナーシップを組みながら情報を統合し、全体最適の視点で効率的かつ効果的に事業を推進していく体制を目指しています。