はじめに
第1回の「プロダクトの価値をPMのセンスに任せない──Rettyがプロダクトディスカバリーに取り組む理由」でも触れたように、プロダクトディスカバリーとは顧客について素早く高い解像度で学習し、ソリューションを発見することです。この学習を支えるのが、本記事のテーマである仮説検証という取り組みです。
仮説検証の目的は、顧客課題やソリューションに対する理解を深める学習を通して、次にやるべきことを明らかにすることです。
私はプロダクトマネージャーとして、Rettyというプロダクトの改善に向けての仮説検証を実施しています。日々難しさを痛感していますが、同時にそこからの学びも少しずつ増えてきました。
全5回の連載の最後となる本記事では、プロダクトディスカバリーで非常に重要な仮説検証の流れや押さえるべきポイントについて、Rettyのプロダクトマネージャーである私、飯田が紹介していきます。日々プロダクトを改善する上で、仮説検証をどう行っていくべきか悩まれている方にぜひ読んでいただけると嬉しいです。
仮説検証の流れ
仮説検証は「検証する仮説を決める」「検証を実施する」の大きく2ステップに分かれます。
検証する仮説を決めるステップでは、目的や知りたいことを整理した上で、検証すべき仮説を洗い出し、優先順位を決定していきます。次の、検証を実施するステップでは、仮説の検証方法を設計し、実際に検証を進めて仮説への結論を出して次の動きを決定していきます。
以下では各ステップで押さえたいポイントについて順に説明をしていきます。