Data.aiは、1周年を迎えたChatGPTの1年間の歩みについて分析した結果を発表した。
ChatGPTがWebで公開されてから6カ月後にiOS向けのモバイルアプリがリリースされ、その2カ月後にはGoogle Play版もリリースされた。1周年を迎えたChatGPTが提供するモバイルアプリは全世界で1億1000万回以上ダウンロードされ、月額サブスクリプションでは世界で約2860万ドルの消費支出を生み出している。
「ChatGPT Plus」はChatGPTアプリ内課金サービスで、月額19.99ドルで提供されている。これは多くの音楽やストリーミングサービスよりも高い価格設定だが、一部のユーザーにとって価格以上の価値をもたらしていることは上記のデータからも明らかになっている。「ChatGPT Plus」は無料ユーザーには利用できない新機能やコンテンツを追加しているため、消費支出額は上昇を続けている。
「Google Play」でのリリース後、第1週に約1800万の新規ダウンロード数をたたき出した。その後は、これほどまで急激な増加は見られないものの、iOSとAndroidを合わせたダウンロード数はここ数週間も伸びており、グラフ上の最新5週間すべてで400万ダウンロードを上回っている。
iOS版ChatGPTがデビューしてから約半年でダウンロード数、消費支出額、そしてユーザーによるインタラクティブなセッション数のそれぞれにおいて、トップあるいはそれに近い地位を確立した。
現時点でChatGPTは、総ダウンロード数において他の競合アプリを抑えて首位に立っている。その中でもグローバルランキングで2位の「Character AI」は、事前に訓練またはカスタムされたAIのフレンドと話したい人向けの、よりエンターテインメント・ライフスタイルに特化したアプリとして人気を博している。
ChatGPTの約1億1100万インストールのうち、インドが占める割合が18.5%と最も多く、米国の17.7%をわずかに上回っている。
消費支出額のランキングでもChatGPTは、数カ月早くローンチしたCodewayの「Ask AI」にも遜色ない成績をおさめ、世界2位を獲得した。「Ask AI」はマネタイズ戦略において、ChatGPTのモバイルアプリとは異なり、契約期間は1週間から1年間まで選択可能。またプレミアムとエリートの2つのプランを用意するなど、幅広い課金オプションをユーザーに提供している。なお国内ではChatGPTが消費支出額で首位となっている。
総セッション数(ユーザーがこれらのアプリを開いてチャットボットと会話した回数)のグローバルランキングでは、ChatGPTは「Chai」と「Character AI」に次いで3位にランクインしている。この順位となった要因としては、上位にランクインした2つのアプリが複数のAIを搭載したチャットで、多数の架空のキャラクターと対話することに重点を置いており、より多くのセッションを生み出す設計であることが挙げられる。
ChatGPTは現在、タスクの内容に応じたサポートを行う、複数の「人格」を提供する仕組みを開発している。ChatGPTの今日までの成長率を鑑みると、iOS版リリース1周年までに、さらに数千万以上のダウンロードとより多くの消費支出獲得が見込まれている。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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