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One Capital、国内SaaS市場の動向や2024年における予測をまとめた「Japan SaaS Insights 2024」を公開

 One Capitalは、国内SaaS市場の動向や2024年における予測をまとめた「Japan SaaS Insights 2024」を、3月26日に公開した。

 Japan SaaS Insightsは、同社が国内SaaS市場の民主化を目指して、年に1回発刊しているレポートで、今回公開された「Japan SaaS Insights 2024」は、以下のような内容となっている。

  • 2023年におけるSaaS市場の予測 答え合わせ
  • 日本のSaaS市場動向
  • SaaSスタートアップの資金調達/Exit動向
  • SaaS上場企業のマーケット動向
  • 2024年におけるSaaS市場 5つの予測

 前回のJapan SaaS Insightsでは、Horizontal SaaSにおいてSales、Development、Analytics、Security、Automation分野が急成長すると予測していた。しかしながら、SalesやAI/Automationはプロダクト数や評価額の増加がみられたものの、他の領域では急成長が確認できず、この予測は誤っていたといえる。

 一方で、Vertical SaaSにおいてMedicalやLogistics分野が急成長するという予測と、生成AI領域において多くのSaaS企業が誕生するとの予測は正しかった。

 日本におけるSaaS市場は、2023年に1.4兆円に達したと見込まれる。2020年から上方修正が繰り返されており、SaaS市場の成長の勢いに翳りはみえず、2027年には2兆円を超えると予想され、2023年からのCAGRは11%と見込まれる。

 カテゴリ別では、ERPや会計ソフト、人事・給与管理ツールをはじめとした「業務システム」のCAGR(2022年〜2027年)は、15.5%と非常に高い成長率を見込んでおり、これはインボイス制度をはじめとした法改正や、人的資本経営への移行による後押しの結果と考えられる。

 RPAやOCR、ローコード/ノーコードといった「プラットフォーム/インフラ」分野のCAGRも13.4%と高い水準が見込まれており、今後はAIの普及によってさらなる成長の加速もあり得る。

 2023年におけるSaaSスタートアップの資金調額は、前年と比較して4割減となった。好調だった2022年の反動に加えて、市況の影響が顕在化したことでミドル・レイターステージの大型調達が減少したことが大きな要因とみられる。全体の調達額に占めるSaaSの比率は、2020年と同水準まで低下している。

 市場を牽引していたミドル・レイター企業の不在によって、1社あたりの平均調達額は5.8億円と前年(6.1億円)よりも減少する一方、中央値は2億円と前年(1.6億円)よりも増加しており、市場は着実に成長していると考えられる。

 SaaSスタートアップの資金調達ランキングによれば、メガラウンドを実施したのはジョーシス(135億円)、キャディ(118億円)、LayerX(102億円)の3社のみで、キャディやhacomono、STORESといったバーティカルの資金調達も引き続き存在感を示している。

 2023年の主要株式指数は、アメリカ市場が復調したこともあって全体的に上昇した。クラウドインデックスは前年よりも20%上昇し、リスクマネーが徐々に回帰しつつあると考えられる。一方で、グロース指数は前年比で横ばいであることから、銘柄の選別が進んでいることがうかがえる。

 売上マルチプル(企業価値/直近四半期売上高*4)は、2023年末時点で4.5xと底打ちしたと考えられるものの、横ばいの状態が続いており、アメリカの政策金利が高止まりしていることに加えて、日本でもマイナス金利解除が実施されたことが影響している可能性もあり、平均回帰するまでにはまだ時間を要すると考えられる。

 2024年におけるSaaS市場の予測としては、ChatGPTやJasperといった生成AI技術を核としたアプリケーションである「AI-Native企業」と、既存のSaaS企業がLLMモデルを実装する「Embedded AI企業」に分けた場合、大半の企業は後者に分類され、既存のSaaSベンダーは変化の激しいこの現代を生き残るためには、Embedded AI企業になる必要があると指摘している。

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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)

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