リックテレコムは、書籍『ChatGPT 大規模言語モデルの進化と応用』(シン アンドリュー氏、小川航平氏・著)の販売を4月に開始した。B5変型判で、税込価格は2420円。
同書は、データサイエンティストをはじめAIの研究者や開発者を対象に、大規模言語モデルの進化の過程を踏まえた上でChatGPTの適用技術、応用の仕方、限界まで、重要ポイントを絞り込んで解説している。さらに、マイクロソフトの関連サービスや機能について詳解する。
おもな読者対象は以下の通り。
- データサイエンティスト
- ChatGPTの仕組みや特徴を他のモデル作成に活かしたい人
- 構文解析や感情分析などの伝統的なNLPタスクに携わる人
- 深層学習による汎用大規模言語モデル、その応用先や評価に興味を持つAIの研究者
同書は、言語モデルの学習や推論、またコーパスから得られる単語や文のベクトル表現といった、NLPの基本的な概念を理解していれば読み進められる。数式に馴染みがあり、トランスフォーマーやBERTの知識や経験があればなおよいものの、同書の中でも説明しているので必須ではない。
理論と応用の両方を充実させており、ChatGPTの背景や原理は最新の理論に基づいて体系的に整理した。サンプル開発やチューニングでは実際のコードを示して、手を動かしつつ理解を深められる。また、データサイエンティストには文系出身者も多いことから、難易度が高い理論や数式は図説や脚注で補足している。応用面では、マイクロソフトのサービス実装といった実務に役立つ最新情報を提供し、実際に直面する課題の解決や応用先の拡大も図れるよう工夫したという。
同書によって、データサイエンティストは大規模言語モデルの作成方法がわかり、検索エンジンやチャットボットといったターゲットアプリに合わせたチューニングができるようになる。また、データ拡張を通じた改善やプロンプトエンジニアリングの手法といった、ChatGPTをサービスに利用するための必須知識が得られる。そして、将来の未知の新しい応用先を開拓するための基本知識が身につく。
研究者にとっては、同書を通じて大規模言語モデルの現状と限界、応用事例や実用性がわかり、研究方向の探索に役立つ。とりわけNLPの研究者は、ChatGPTの登場によって今後の研究テーマが鋭く問われているため、本書が重要な手掛かりになることが見込まれる。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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