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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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エクスプラザ高橋一生の “生成AI時代のプロダクト開発” とは

「AIはあくまで選択肢。課題ベースで施策を考える」M&Aクラウドの生成AI活用事例と考え方

エクスプラザ高橋一生の “生成AI時代のプロダクト開発” とは 第2回

AI施策の積み上げによって実現できた、さらなる施策

高橋:その後、どのような施策を実施されたのでしょうか?

熊谷:次に実施したのは買い手企業さま向けの施策で、「AIおすすめ機能」というものになります。

 先ほど紹介した施策で売り手企業さまの売却案件情報を充実できるようになったわけですが、この情報を用いて、今回の施策で買い手企業さまのニーズとよりマッチするものは何なのかをAIで判断できるようにしました。

【プレスリリース】M&Aクラウド、「AIおすすめ機能」で買い手企業のスカウト件数が120%増加
【プレスリリース】M&Aクラウド、「AIおすすめ機能」で買い手企業のスカウト件数が120%増加

高橋:買い手企業側はどのような情報を登録されているのでしょうか。

熊谷:買い手企業さまには、M&Aで譲受したいと考えている会社の業態や会社規模、売上などの情報を入力していただいています。これらを独自のレコメンドロジックでスコア化し、マッチ度が高いものを表示できるようにしています。先ほどの施策で売り手企業さま側の情報が充実したからこそ、できるようになった施策です。

高橋:結果としてはいかがでしたか。

熊谷:リリース以降、マッチング精度(売り手企業に打診をしたときの承諾率)は約4倍に向上しました。さらにスカウト件数は120%に増加しています。今までは業種同士で組み合わせるような単純なマッチング方法だけだったのですが、より複雑なロジックでスコアを作ることができたので、M&Aクラウドのサイトやメールマガジンで、買い手企業さまがより興味を持てる売却案件を表示できるようになりました。

高橋:売り手企業さまの初期情報も元々は一部空欄のものもあったが、先ほどの施策で売却案件の自動入力をアシストできるようになったおかげで、買い手企業さまにとってのマッチングロジックを補完できる機能を作ることができたと。

 この施策におけるマッチングロジックって、業種や会社規模といったある種固定化できたり、定量的に算出できたりする部分をパラメータにしているものが多いのかなと思うのですが、もっと定性的なニーズからマッチングを起こすことってできたりするのでしょうか?

 例えば、買い手企業さまのニーズとして、秘めた可能性を持つ会社さんを探しているとか、若手で熱意あるベンチャー企業を探している、とか(笑)。つまり自然言語的に探索したくなるようなニーズがあるのかどうか。

荒井:現状こうしたニーズはプラットフォームアドバイザー(※1)が対応している領域になります。どこまで本当なのかは有効性を検証すべきところではありますが、例えば同じ出身地だと、うまく話がまとまるケースがあったり(笑)、こうした主観情報をどう取り入れられるのかはまだこれからですが、興味深い要素だなとは思っていますね。

(※1) プラットフォームアドバイザー:「M&Aクラウド」のプラットフォームで、企業同士のマッチングから書類準備のサポート、面談におけるファシリテーション、M&Aに関する質問対応などに対応するM&Aクラウド独自の活動支援チーム

高橋:3つ目にどのような施策を実施されたのでしょうか。

熊谷:先ほどの買い手企業さま向け「AIおすすめ機能」と近いものを、今度は売り手企業さま向けにもリリースしました。

 M&Aクラウド上では、売り手企業さまは基本的にプラットフォームアドバイザーと会話しながら案件を進めていくのですが、売り手企業さまによってはプラットフォームアドバイザーの助けなしにセルフサーブで案件を進めていかれる方もいらっしゃいます。そういった方々に対して、必要な情報をきちんと提供していきたい、という思いでリリースしました。

【プレスリリース】生成AIを活用した『レコメンド機能』で買い手探しを効率化 | 株式会社M&Aクラウド
【プレスリリース】生成AIを活用した『レコメンド機能』で買い手探しを効率化 | 株式会社M&Aクラウド

高橋:こちらは買い手企業さま向けの「AIおすすめ機能」のマッチングロジックと同じものなのでしょうか。

熊谷:おおむね近いものを活用しています。売り手企業さまに、興味をもってもらえる可能性が高い買い手企業ですよ、という意図でレコメンドしています。元々こうしたおすすめ情報は表示していたのですが、これまでの施策の積み上げによってより精度高く表示できるようになりました。

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ユーザーには直接見えない、隠れた生成AI活用

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この記事の著者

高橋 一生(株式会社エクスプラザ)(タカハシ カズキ)

株式会社エクスプラザ 代表取締役CEO 学生時代に海外インターンを3社経験し、複数のスタートアップの共同創業を経て、株式会社メルカリにプロダクトマネージャーとして入社し、決済サービス「メルペイ」の立ち上げに従事。 その後株式会社エクスプラザを創業し、2023年より生成AIの法人導入支援「EXPLAZA 生成AI Partner」を開始。2024年6月より、生成AIのPoC開発やAXを支援する...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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