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ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

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Mixpanel, Incからのプロダクトティップス

プロダクトマネージャーの新常識:収益指標への責任がプロダクトの成功を導く

Mixpanel, Incからのプロダクトティップス 第26回

 グローバルで8000社以上の導入実績をもつプロダクト分析ツールのベンダー「米Mixpanel社」のキーパーソンによる海外ブログ翻訳記事です。プロダクトマネージャーの日々の業務に役立つ、さまざまな知見をお届けします。今回は、プロダクトマネージャーが収益目標にも責任を持つべきシーンと、その背景を、Mixpanelにおける実例を交えながら解説します。

編注

 原文:「Why PMs should be responsible for revenue metrics」。翻訳にあたり若干加筆修正を行っています。

プロダクトマネージャーは収益指標に責任を持つべきか

 私はプロダクトマネージャーですが、プロダクトチームのパフォーマンスを収益目標に結びつけることには賛否両論があると理解しています。プロダクトの評価基準だけを指針とするべきで、他の指標も見ることはプロダクトの価値を見まちがえてしまい、会社に害を及ぼすとまで主張する人もいます。

 私はそうは思っていません。

 プロダクトマネージャーが機能のアダプション率やユーザー数などのプロダクトのパフォーマンス指標だけにフォーカスすると、次から次へとプロジェクトに飛びつく誘惑に駆られてしまい、プロダクトの市場でのパフォーマンスを把握したり、アーリーアダプターの声にしっかりと耳を傾け理解したりすることがおろそかになります。結果、収益についてはマーケティングや営業などのGTM(Go-To-Market:市場進出戦略)チームにすべて任せっきりとなってしまいます。

 プロダクトが収益目標を達成すれば、プロダクト戦略もうまくいっているとみなされますが、目標を達成しなかった場合に、GTMチームでできることは限られています。なぜなら、GTMチームはもっと収益をもたらせるようにプロダクトを微調整することはできないからです。

 プロダクトや機能を構築する際には、プロダクトマネージャーはプロダクト指標だけ見るのではなく、ローンチ後しばらくは関連する収益にも責任を持つべきです。

プロダクトマネージャーが収益目標に責任を持つべき理由

 私は、プロダクトマネージャーが「あらゆる」収益に責任を持つべきだと言っているわけではありません。プロダクトチームは収益すべてをコントロールできるわけではないので、なんにでも責任を負うことは筋が通らないはずです。

 少なくとも最初の1年、例えば、営業やGTMチームに完全に責任を移行するまでは、プロダクトマネージャーは自分が構築した機能やプロダクトに対して、関連する収益に責任を持つべきだと思います。

 プロダクトマネージャーは、自分が作ったプロダクトのバリュープロポジション(自社独自の、ユーザーに提供する明確な価値)を誰よりもよく知っています。新機能をローンチする際には、どれだけのユーザーがそれを使用し、販売促進にどのような影響を与えるかを予測します。プロダクトマネージャーにとって、プロジェクトの成功のためには、プロダクトの価値はもちろん、収益予測も重要なことなのです。

 しかしながら、プロダクトのアダプション目標やその他の目標が達成されると、プロダクトマネージャーが関与し続けることはほとんどありません。販売促進は営業とマーケティングに任されてしまいます。

 プロダクトマネージャーがプロダクト指標にしか関心がない場合でも、技術的に優れたプロダクトは作れますが、ユーザーがそのプロダクトにお金を払う(顧客となる)ことを望まなければどうでしょうか。プロダクトとしては良いものだとしても、人々が喜んでお金を払うほどの価値はないプロダクトとなってしまいます。

 また、プロダクトマネージャーが収益目標を達成しようとして、プロダクトを最適化することなく次から次へとプロジェクトに飛びついてしまう場合も、会社は同じ問題に何度もぶつかることになります。このプロセスも価値のない負債を生み出していきます。バランスが重要です。

次のページ
プロダクトチームとGTMチームの協力で魔法を

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この記事の著者

Neha Nathan(Mixpanel, Inc)(Neha Nathan)

Mixpanelのプロダクトマネージャー

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https://productzine.jp/article/detail/3407 2025/04/25 11:00

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