はじめに──生成AIの進化により、プロダクトマネージャーとエンジニアの協働の在り方が問われている
ファインディが主催するプロダクトマネージャー向けコミュニティイベント「PM Hub」では、現場での実践知を共有するLTイベント「PM LT Night」を定期的に開催している。2025年6月26日に開催された「PM LT Night」では、4社から登壇者が集まり、生成AIの普及により変化するプロダクト開発の現場において、PMとエンジニアの協働がどのように進化しているかが語られました。
編注
本記事では、「PM」はプロダクトマネージャーを指します。記事中の各位の所属および役職は、イベント開催時点(2025年6月26日)のものです。
LT1:「AI活用でPMxEngが二人三脚した結果、トップレベルの速度で企画をリリースしている件!」
- 発表者:しんちゃん氏/荒木 慎平氏(フリー株式会社 プロダクトマネージャー)
- なのら氏/鈴木智之氏(フリー株式会社 リードエンジニア)

PMとエンジニアのコンテキストギャップの壁
「freee(フリー)会計」のスモール法人向け初期体験を担当するアロハチーム(PM1名、エンジニア3名、QAエンジニア(quality assurance engineer))では、従来の開発プロセスにおいて深刻な課題に直面していました。
ユーザー解像度の不足により、PMの要件とエンジニアの実装にズレが生じ、施策A→フィードバック→ホットフィックス→施策Bという悪循環が発生。結果として、アジャイルな施策推進が回らず、チームはアウトプットを出せない状況に陥っていました。

AIを活用したコンテキスト共有を通じた越境
この課題を解決するため、アロハチームはAIを活用した越境的な協働を実践しました。
1.PRD段階からのエンジニア参画
- PMが作成したPRD(プロダクト要件定義書)をAI(LLM)に投入
- エンジニアがAIの出力結果を議事録として活用し、要件の妥当性を議論
- 「ゴールインパクトに対してHowが弱い」といった具体的な改善点を早期発見
2.専門領域の標準化
- FigJamのカテゴライズ機能を活用したブレインストーミング
- PMとエンジニアのコンテキストを可視化し、30分〜1時間のミーティングを有効活用
- NotebookLMによる問い合わせ対応やチーム内情報共有の効率化
生成AI活用により施策数が1.7倍増加
これらの取り組みにより、アロハチームは半年で30の施策を実現。前年比で1.7倍の施策数を達成し、サイクルを高速で回せるようになりました。

総括:AI時代の越境の本質
最後に重要な問いを投げかけました。「AIは人をサポートするものなのか、それとも人がAIをサポートするのか」。大量のステークホルダーと異なるAIリテラシーレベルの中で、コミュニケーションコストによる仕様のロスやバグの方が多い現実を踏まえ、「AIに開発させることを人がサポートする」世界線への移行が現実的であると語りました。

 
              
               
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                              
                               
                              
                               
                  
                   
                      
                       
     
     
     
     
     
