Pendo.io Japanは、米Pendo.ioがグローバルに年次で実施していた調査「State of Product Ledership」に基づき、日本独自で2022年にデジタルプロダクトを開発・提供する多業界の企業にて、プロダクトに関与する人を対象に行った調査の結果を、7月7日に発表した。同調査は4月15日~5月9日の期間に行われ、206件の有効回答を得ている。
調査結果によれば、プロダクトのビジョン/戦略策定からプロダクトの収益化や定着化を目指す一連のプロセスにおいて、プロダクトマネージャーが積極的に関与する割合は2021年の調査と比較して大幅に上昇しており、関与しているプロセスは「プロダクトのビジョン/戦略」(81.1%)がもっとも多く、「ロードマップ/優先順位付け」(77.7%)、「収益目標達成」(66.0%)がそれに続いた。また、プロダクトマネージャーの担当分野としては「エンジニアリング」が7割弱で最多となった一方で、約6割が「マーケティング」や「営業」にも関与している。
プロダクトマネージャーが主体となって推進するプロダクトマネジメントの成果測定は、提供するプロダクトの種類によって異なるものの、プロダクトの定着化は重要な成果指標になっており、顧客向けプロダクトを開発・提供する回答者は、プロダクトの収益、リリースを優先的な重要指標と置いて、収益(ARPU/LTV/ACV)やプロダクトの定着率、プロダクト/機能/ロードマップのリリースなどを測定すると回答する一方、従業員向けのプロダクトを開発・提供する回答者は、プロダクトのリリースとともに、リリースされた後の利用者である顧客や従業員の利用率や定着率、収益をプロダクトの成功指標とし、プロダクトの定着率や利用率、プロダクトのリリースの成果を測定すると答えた。
今後のプロダクトマネジメントに影響を与えると考えているトレンド・要素としては、「お客様のデジタルプロダクトやサービスの利用増加」(85.9%)が最多となっている。
プロダクトマネージャーの担当分野において、「学習&人材開発/トレーニング」を自身の組織が責任を持って遂行する割合は51.9%と、その他の分野と比べるとやや低く、プロダクトの定着化は自部門以外の組織と連携して取り組む回答が半数程度となった。あわせて、プロダクトの定着化への関与については、顧客向けプロダクトについては4割程度、従業員向けプロダクトは2~3割程度に留まっており、ユーザーの利用・定着化は重要な成果指標となっているものの、関与度はそれほど高くない。
この1年で成功したプロダクトや機能に関するアイデアとしては、「顧客フィードバック」(51.0%)がもっとも多く、「プロダクトチームのブレーンストーミング/アイデア出し」(50.5%)とともにユーザーの声がプロダクトマネジメントにおいて重要なアイデアの源となっている。ユーザーからのフィードバックを得る手法として重視されているものとしては、「利用状況/プロダクトアナリティクス」が78.2%、「顧客満足度調査」が75.7%を占めた。
自身の関わるプロダクトが、競合他社よりパフォーマンスが高いと評価した回答者を「高パフォーマンス層」として、プロダクト開発やロードマップ策定に関わる意思決定の⽅法をそれ以外の層と比較したところ、「高パフォーマンス層」はデータ主導型でプロダクトを開発しているとの回答が74.1%に達した一方で、それ以外の層(63.8%)と10ポイント以上の差がついている。
プロダクトマネジメントを効果的に実⾏するうえでの課題点を尋ねたところ、「データ駆動型アプローチの⽋如」(34.0%)が最多となった。プロダクト開発においては自身の組織を「データ主導型」とする回答が66.5%を占める一方で、データ収集・分析を基にしたプロダクトマネジメントを現状より加速させることが課題となっている企業もあることが明らかになっている。プロダクトマネジメントに対する課題感でも、自社プロダクトのパフォーマンス評価によって違いがみられ、「高パフォーマンス層」では「適切な社内文化の欠如」(37.0%)がもっとも多かったものの、「高パフォーマンス層以外」では「プロセスの欠如」(36.2%)が最多となった。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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