SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第2回開催です。

ProductZine Day 2024 Winter

ProductZine Day 2024 Winter

ユーザーの行動データを分析しプロダクトの価値を高める「プロダクトアナリティクス」入門

GA4で注目される「イベント分析」とは? ~10年以上イベントデータを扱ってきたMixpanel視点での解説~

ユーザーの行動データを分析しプロダクトの価値を高める「プロダクトアナリティクス」入門 第5回

 Googleアナリティクス(以下、GA)がメジャーバージョンアップしたことはすでにご存じでしょうか? 後継のGoogleアナリティクス 4(以下、GA4)に変わりました。 前バージョンのユニバーサルアナリティクスは、2023年7月にデータの計測が終了するため、早めにバックアップを取得し、GA4への移行することが重要です。今回のGA4のバージョンアップでもっとも注目すべきは、データの測定方法がイベントデータに基づくものになったことです。そのイベント分析を深掘りしていきます。筆者は、GA4と同様にイベント分析を行える「Mixpanel」というサービスを提供しており、またデータ分析における米国の最新トレンドにも精通しているため、今回GA4についてもご紹介させていただきます。

イベントデータとは?

 これまでGAでは、ブラウザのクッキーを活用して「ページビュー」を計測していました。これは「どのページにアクセスしたのか」を軸にデータ計測しています。ページが何回閲覧されたのか(インプレッション)、何人がページに訪れたのか(リーチ)など、基本はページビューです。

 では、今回のGA4へのアップデートにより、どう変わるのでしょうか。考え方が大きく変わります。ページビューで測定するのではなく、ユーザーの一人ひとりの行動データが軸になります。そのユーザーが起こす行動データを「イベントデータ」と呼びます。

 図1をご覧ください。例えば、あるWebサイトに動画が掲載されているページがあるとします。ユーザーがこのページを訪れると、1ページビューになります。10分間映像を視聴したとしても1ページビューになります。また、訪問して視聴しなくても、視聴時間が10秒でも1時間でも、1ページビューであることに変わりはないです。同じ1ページビューでも、視聴の価値が含まれると解釈が変わってきます。

図1:ページビューとイベントデータの捉え方の違い
図1:ページビューとイベントデータの捉え方の違い

 ここからはユーザーが体験したイベントデータ別に見ていきます。ここでのユーザーの行動は、

  • ページに訪れた
  • 再生ボタンをクリックした
  • 再生時間分の映像を見た

という行動データが発生しており、これらの行動データがイベントデータになります。つまり「人が何をしたのかを数えること」がイベントデータです。今までのGAのページビューも「ページに訪れた」という行動データで数えることができます。ユーザーが起こしたアクションを軸にデータを数えるイベントデータがGA4の根本になります。

 そして、今回のGA4からはWebサイトとアプリのイベントデータを一緒に見ることが可能になりました(図2)。これまでのGAでは、バラバラの2つのデータベースを管理する必要があり、Webサイト、アプリの双方にAさんが存在する場合、Aさんが2人いることになってしまうケースがありました。さらに、両方を併用するユーザーの行動データを見ることが困難な場合も多くありました。

図2:GA4ではWebサイトとアプリのイベントデータを一緒に見れる
図2:GA4ではWebサイトとアプリのイベントデータを一緒に見れる

 また図3に示すように、アプリをページビューで数えることは一般的ではなく、同じ画面内にいくつもの機能やボタンが設置されていることもあるため、行動データをもとに計測する必要があります。GA4では、別ページへ遷移したことも行動データとして測定できるため、どのような順番で行動したのかなど、ユーザーフロー(ユーザーの動線)もイベントデータを軸に分析可能になっています。

図3:アプリでは同一画面で多くのイベントが発生する
図3:アプリでは同一画面で多くのイベントが発生する

次のページ
ユーザーフロー分析/経路データ探索

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

ユーザーの行動データを分析しプロダクトの価値を高める「プロダクトアナリティクス」入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷田部 丈夫(NTTコム オンライン)(ヤタベ タケオ)

NTTコム オンライン Mixpanelデータコンサルタント。 これまで20年以上に渡り、データコンサルタント及びクリエイティブディレクターとして数々のクライエントのプロジェクトに携わる。デジタルステージの「LiFE* with PhotoCinema」の開発プロジェクトに携わり、ソフトウェアとし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高田 信雄(NTTコム オンライン)(タカダ ノブオ)

NTTコム オンライン、ソリューションエンジニアリング部長。 金融業、建設業、通信業、サービス業など様々な業種のシステム開発・サービス開発案件をPM・PdMとして経験。 近年はソリューションアーキテクトとして、デジタルマーケティング領域のプロダクト選定とソリューション開発業務に従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

ProductZine(プロダクトジン)
https://productzine.jp/article/detail/1313 2022/10/24 14:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング