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ProductZine Dayの第2回開催です。

ProductZine Day 2024 Winter

ProductZine Day 2024 Winter

「ProductZine Day 2024 Winter」レポート(AD)

プロダクト作りを「行き詰まらせない」ために組織が行うべき「視点の転換」とは

「ProductZine Day 2024 Winter」レポート

「提案価値を連鎖させる」ためのストーリーを描く

 では、この「『プロダクト作り』を『新たなアセット作り』と捉える」作戦をとる場合において、提案価値の連鎖をどのように築いていけばいいのだろうか。これはつまり「事業展開をどう図るか」という問題だ。

 「顧客やユーザーの状況を表面的に見ているだけでは、展開の奥行きを出すのが難しい。同じ地平で物事を考えている限り世界は変わらない」と市谷氏は指摘する。「表面的でなく物事を見る」ためには、見るための切り口を変える必要がある。ここで問われるのは、プロダクトを作る側が「世の中をどういう視点で見るか」ということであり、事業のより本質的な思想に関わるテーマになる。

 市谷氏は「ものを見る際の切り口を変える」方法を考える一つのヒントとして「ダイエット成功を目的とした体重管理アプリ」を例に挙げた。

 近年、世の中にはこうした「体重管理アプリ」が多く存在している。スマートフォンで食事の写真を撮ると、食材やカロリーを判定してくれたり、メニューの傾向から次に食べるべき食事の提案をしてくれたり、運動メニューを作ってくれたりするなど、機能も多様だ。

 「『ダイエット』という行為そのものが、ユーザーにとってはとても大きなペインなので、その解消に振り切って突破できれば、ビジネスとしても成功する可能性はあるだろう。ただ、こうしたアプリは基本的に『ダイエットのための体重管理』という同じコンテキスト上にある。あえてコンテキストの異なる、別の世界線をイメージすることもできるのではないか」(市谷氏)

 例えば「自分が取った食事や、その時の状況」「栄養や健康の状況」といったものを、ユーザーが友人や家族などと共有したとしたら、何が起こるかと考えてみる。見かねた家族から食材の支援が得られたり、同じくダイエットに挑んでいる友人との間に「一緒に頑張ろう」という協力関係が生まれたりするかもしれない。これはあくまでも例に過ぎないが、このように切り口を変えて「見る」ことで、単なる「ダイエットのための食事管理」から、連絡が途絶えがちだった親類や知人との「コミュニケーションのきっかけ」という、かなりコンテキストの違う「価値」につながる可能性を感じられるのではないだろうか。

 「こうした『ものの見方』に絶対的な正解はない。正解を探すのではなく、どこに価値や意味を置いて『見ているか』が問われる。それは『世界観』が問われるということ。そこに他者の共感が伴えば、プロダクトは事業として期待されるサイズ感に近づいていく」(市谷氏)

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世界観によって「新しい課題」を作り出す

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この記事の著者

高橋 美津(タカバシ ミツ)

PCやネットといったIT分野を中心に、ビジネスやゲーム分野でも執筆を行うフリーランスライター。Windowsユーザー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社レッドジャーニー

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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