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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第2回開催です。

ProductZine Day 2024 Winter

ProductZine Day 2024 Winter

特集記事

「誰でもよりアイデアをプロダクトとして形にしやすく」──国内でも導入が加速するFigmaのCEOが語る2024年の展望

AI活用や開発者向け機能により、アイデアを形にすることが誰でも簡単に

 ディラン・フィールド氏は、同社の「ソフトウェア開発を常によりよくする挑戦」において、現在向き合っている世の中の開発プロセスの課題をいくつか例示した。

 1つ目は、アイデアから製品として形にするには労力と時間がかかること。例えばアイディエーションからデザインに進む際に、白紙の状態から進めるのは大変なため、テンプレートやデザインシステムといった効率化が一層必要となる。

 2つ目は、アイデアの探求には多くの専門知識が必要とされること。ステークホルダー間のコミュニケーションにおいて、やりたいことの言語化のギャップなどが存在する。

 最後は、アイデアはときに迷走すること。デザインした時には完璧だが実装するとうまくいかないことも多い。

開発プロセスをとりまく3つの課題
開発プロセスをとりまく3つの課題

 その上で2024年の展望については、生成AIを活用した新機能や開発者向けの機能などの活用により、プロダクトチームが「アイデアをプロダクトとして形にする(想像を現実に変える)」ことがより簡単、効率的になるだろうと述べた。Figmaはこれを実現する上で最高のポジションにいると強く主張した。

 先述のように、Figmaはソフトウェア開発のライフサイクルのすべてをプラットフォームとしてカバーしており、デザインのコード化も深く理解していること。また、アクティブユーザーの3分の1は開発者であり、世界中の主要なプロダクトチームで利用されているからだ。

Figmaを活用しているプロダクトのアイコン
Figmaを活用しているプロダクトのアイコン

 当日の製品デモンストレーションでも、生成AIを活用した機能や、開発の効率化の機能などが紹介されていた。

ソフトウェア構築のプラットフォームとして発展したFigmaは国内でこれからも成長する

 最後に、Figma Japanの日本カントリーマネージャーである川延浩彰氏が、国内展開の今後の戦略を語った。

Figma Japan株式会社 日本カントリー・マネージャー 川延浩彰氏
Figma Japan株式会社 日本カントリー・マネージャー 川延浩彰氏

 まず、「世の中的にはFigmaはデザインツールだと認識されているが、実際はソフトウェア構築のプラットフォームに発展しており、大きなチャンスをもたらすと考えている」と述べ、具体的には次のように説明した。

 「日本の景気は、GDPや世界競争力ランキングの推移からは下降トレンドに感じられるかもしれないが、日本のソフトウェア市場の収益は成長を続けている。Figmaは日経225の採用銘柄企業の3分の1に導入されているが、まだまだ伸びしろがある」

Figmaの国内導入企業の例
Figmaの国内導入企業の例

 顧客基盤を拡大する具体的な戦略については、「自然な形でのボトムアップによる利用促進(コミュニティレッドグロース)」「効率化や費用対効果による訴求でIT部門や経営幹部に価値を提案(セールスレッドグロース)」「日本市場に広く浸透させるうえで重要となるパートナーとの協業による継続的なアプローチ(パートナーレッドグロース)」の3点を挙げている。

 Figmaが主催する年次デザインカンファレンス「Config 2024」の参加登録を受け付けていることも発表された。今年は米国時間6月26日から27日にかけて、米国サンフランシスコのモスコーニセンターで開催する。

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテック...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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